ザ・ファースト・デイ
『ザ・ファースト・デイ』(The First Day)は、デヴィッド・シルヴィアンとロバート・フリップが1993年に連名で発表したスタジオ・アルバム。日本盤CDにおけるアーティスト表記は、初回盤(VJCP-28178)、2014年再発盤(IECP-10304)共にシルヴィアン&フリップとなっている。 背景フリップは以前にも、シルヴィアンのソロ・アルバム『ゴーン・トゥ・アース』(1986年)に参加しており、1991年にはシルヴィアンを新生キング・クリムゾンのボーカリストに勧誘するが、最終的にはシルヴィアンの意向により、キング・クリムゾンとは別のプロジェクトとなった[4]。1992年3月には、トレイ・ガンを加えたドラムレスのトリオ編成で、シルヴィアン&フリップとしての初ライヴに当たる日本公演を行い[5]、同年6月にはイタリア公演も行った[6]。そして1992年12月から1993年3月にかけて、本作のプリプロダクション、レコーディング、ミキシングが行われた[1]。シルヴィアンによれば、「ジーン・ザ・バードマン」、「ファイアーパワー」、「20th・センチュリー・ドリーミング」はレコーディング前のライヴでも演奏されていた曲だが、「ファイアーパワー」と「20th・センチュリー・ドリーミング」に関しては「スタジオでどんどん長大になり、変化していった」という[4]。 本作でスティックを弾いたトレイ・ガンは、1984年よりフリップ主宰の「ギター・クラフト」に参加してきたミュージシャンで、後にキング・クリムゾンの正式メンバーとなった[7]。また、ジェリー・マロッタはピーター・ガブリエルのバンドのドラマーとしても知られ、フリップは「音楽が発展するにつれて、間違いなくドラマーが必要な楽曲が増えてきた」ことから旧知のマロッタを推薦したという[5]。なお、当時はマロッタも新生キング・クリムゾンのメンバーの候補であった[5]。共同プロデューサーのデヴィッド・ボトリルは、過去にピーター・ガブリエル、クラナド、ジョニ・ミッチェル等の作品でレコーディング・エンジニアを務めており、後にキング・クリムゾンのEP『ヴルーム』(1994年)、アルバム『スラック』(1995年)でもプロデュース及びエンジニアリングに貢献した[8]。 反響・評価全英アルバムチャートでは2週トップ100入りし、最高21位を記録した[2]。また、本作からシングル・カットされた「ジーン・ザ・バードマン」は全英シングルチャートで68位に達した[9]。 スウェーデンのアルバム・チャートでは6週(3回)トップ50入りし、最高34位を記録した[3]。アメリカでは、1993年8月28日付の『ビルボード』のトップ・ヒートシーカーズで32位となった[10]。 Greg Pratoはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「『ザ・ファースト・デイ』は、"God's Monkey"、"Brightness"、それに10分に及ぶ力作"Firepower"といった曲からすぐに伝わってくるように、ミュージシャン達の興奮とエナジーを伴った、極めて一貫性のあるアルバムである」「間違いなくフリップの最高傑作の一つで、キング・クリムゾンのサイド・プロジェクトの中でも、特に鼓舞させられる」と評している[11]。 収録曲特記なき楽曲はデヴィッド・シルヴィアン、ロバート・フリップ、トレイ・ガンの共作。
参加ミュージシャン
脚注
外部リンク
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