ステファノ・アコルシ(Stefano Accorsi, 1971年3月2日[1] - )は、イタリアの俳優である。姓はアッコルシとも表記される[2]。
経歴
生い立ち~キャリア初期
ボローニャで生まれ[1]、両親の出身地であるボローニャ県ブドリオの村落バニャローラ(Bagnarola)で幼少期を過ごす。高校卒業後、ボローニャの地方紙「イル・レスト・デル・カルリーノ」紙に掲載された新聞広告を見てプピ・アヴァティに連絡したことをきっかけに映画『Fratelli e sorelle』(1991年)に出演し、その後、ボローニャのアレッサンドラ・ガランテ・ガッローネ演劇学校に入学する。入学直後には、子供向けテレビ映画『Il videocatechismo』に出演している。
1993年に演劇学校を卒業し、ボローニャで劇団(Compagnia del Teatro Stabile di Bologna)に参加する。
ブレイク
1994年、ネスレ社のアイスクリーム商品マキシボン(Maxibon)のテレビコマーシャルに出演して広く人気を集め、イタリア語と英語をごちゃ混ぜにして使った(マカロニック)キャッチフレーズ「Du gust is megl che uan(Two gusto is meglio che one=「ワン種類の味よりツー種類の味がいいよね」)が大流行する。1995年、人気バンド883の楽曲「Una canzone d'amore」のミュージックビデオに出演する。
1996年、エンリコ・ブリッツィ(Enrico Brizzi)の同名小説に基づく主演映画『Jack Frusciante è uscito dal gruppo』がサプライズヒットを記録したのに続き、1998年公開のルチャーノ・リガブエ(Luciano Ligabue)監督作『ラジオフレッチャ』でダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞を獲得し、俳優としての地位を不動のものとする。
2000年代
2001年にはフェルザン・オズペテク監督作『無邪気な妖精たち』でイタリア・ゴールデングローブ最優秀男優賞を獲得する。
2002年、ミケーレ・プラチド監督作『愛という名の旅』に出演し、第59回ヴェネツィア国際映画祭男優賞を獲得する[3]。
2006年、ドミティッラ・カラマイ(Domitilla Calamai)の同名小説に基づくジュリー・ガヴラス(Julie Gavras)監督のフランス映画『ぜんぶ、フィデルのせい』に出演する。2008年にはジル・ルグラン(Gilles Legrand)監督のフランス映画『La jeune fille et le loups』でレティシア・カスタと初めて共演したほか、セルジオ・カステッリット演出による舞台『ダウト 疑いをめぐる寓話』に出演する。
2009年開催のサンレモ音楽祭では、没後10年を迎えたシンガーソングライターのファブリツィオ・デ・アンドレ(Fabrizio De André)の誕生日を記念して、プレミアータ・フォルネリア・マルコーニおよび俳優のクラウディオ・サンタマリアとともにデ・アンドレの代表曲「Bocca di Rosa」を歌った。
2010年代
2011年にはルーチョ・ペッレグリーニ(Lucio Pellegrini)監督作『気楽な人生』でピエルフランチェスコ・ファヴィーノとともに主演を務めたほか、ダニエーレ・ガッリャノーネ(Daniele Gaglianone)監督作『錆び』に出演する。2012年、『狂えるオルランド』に基づくマルコ・バリアーニ(Marco Baliani)演出の舞台『Furioso Orlando』に出演する。2013年、テレビシリーズ『Il clan dei camorristi』に出演する。
2015年、自身の原案に基づきタンジェントポリを題材としたテレビシリーズ『1992』に主演する。2016年、マッテオ・ロヴェーレ監督作『ゴッド・スピード・ユー!』に出演し、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞を獲得する。2017年にはセルジオ・カステッリット監督作『フォルトゥナータ』に出演したほか、『1992』の続編となるテレビシリーズ『1993』に主演する。2018年にはルチャーノ・リガブエ監督作『メイド・イン・イタリー』およびガブリエーレ・ムッチーノ監督作『家族にサルーテ!イスキア島は大騒動』に出演する。2019年にはレオナルド・ダゴスティーニ(Leonardo D'Agostini)監督作『Il campione』に出演してダヴィッド・ディ・ドナテッロ助演男優賞にノミネートされたほか、フェルザン・オズペテク監督作『幸運の女神』に出演する。
私生活
2003年から2013年にかけて、フランスの女優レティシア・カスタと交際し、一男一女をもうけている。
2015年にビアンカ・ヴィターリ(Bianca Vitali)と結婚し、夫妻には2017年に息子が一人誕生した[4]。
受勲
フィルモグラフィー
映画
公開年
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邦題
原題
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役名
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備考
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1991
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Fratelli e sorelle
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マッテオ
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1992
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Un posto
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アントニオ
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1994
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Strane storie- Racconti di fine secolo
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1995
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Facciamo paradiso
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クレジットなし
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Un giorno ideale per i pescibanana
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短編
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1996
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Jack Frusciante è uscito dal gruppo
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アレックス
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Vesna va veloce
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ウェイター
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ぼくらの世代
La mia generazione
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ボノーリ
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イタリア映画祭2001にて上映[5]
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1997
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Naja
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トニーノ
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1998
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I piccoli maestri
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ジジ
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ナストロ・ダルジェント主演男優賞ノミネート
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ラジオフレッチャ
Radiofreccia
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フレッチャ
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イタリア映画祭2001にて上映[5]
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞受賞
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1999
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Ormai è fatta!
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ホルスト・ファンタッツィーニ
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ダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞ノミネート
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Un uomo perbene
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デッラ・ヴァッレ弁護士
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Più leggero non basta
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マルコ
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テレビ映画
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2000
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Capitani d'aprile
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サルゲイロ・マイア
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2001
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Tabloid
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最後のキス
L'ultimo bacio
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カルロ
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無邪気な妖精たち
Le fate ignoranti
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ミケーレ
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イタリア映画祭2003にて上映[6]
ナストロ・ダルジェント主演男優賞受賞
イタリア・ゴールデングローブ最優秀男優賞
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息子の部屋
La stanzadel figlio
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トンマーゾ
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サンタ・マラドーナ
Santa Maradona
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アンドレア・ストラニエロ
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イタリア映画祭2002にて上映[7]
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2002
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愛という名の旅
Un viaggio chiamato amore
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ディーノ・カンパーナ
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イタリア映画祭2004にて上映[8]
第59回ヴェネツィア国際映画祭男優賞受賞
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ヤング・カサノバ
Il giovane Casanova
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ジャコモ・カサノヴァ
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テレビ映画
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2004
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Ovunque sei
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マッテオ
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愛はふたたび
L'amore ritrovato
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ジョヴァンニ
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イタリア映画祭2005にて上映[9]
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2005
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Provincia meccanica
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マルコ・バッタリア
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ダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞ノミネート
ナストロ・ダルジェント主演男優賞ノミネート
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野良犬たちの掟
Romanzo criminale
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ニコラ・シャロイア
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2006
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Les brigades du tigre
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ぜんぶ、フィデルのせい
La faute à Fidel!
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フェルナンド
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2007
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対角に土星
Saturno contro
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アントニオ
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イタリア映画祭2008にて上映[10]
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キッスをよろしく
Un baiser s'il vous plaît
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クラウディオ
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Les deux mondes
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2008
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La jeune fille et les loups
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Baby Blues
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2009
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イヤとは言わない
Je ne dis pas non
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2010
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もう一度キスを
Baciami ancora
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カルロ
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イタリア映画祭2011にて上映[11]
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Nous trois
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2011
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気楽な人生
La vita facile
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ルカ
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イタリア映画祭2012にて上映[12]
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Tous les Soleils
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アレッサンドロ
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錆び
Ruggine
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サンドロ
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イタリア映画祭2012にて上映[12]
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Une nuit dans Paris
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短編
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2013
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L'arbitro
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クルチャーニ
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はじまりは5つ星ホテルから
Viaggio sola
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アンドレア
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ダヴィッド・ディ・ドナテッロ助演男優賞ノミネート
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Io non ti conosco
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短編
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2014
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僕たちの大地
La nostra terra
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フィリッポ
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イタリア映画祭2015にて上映[13]
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2016
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ゴッド・スピード・ユー!
Veloce come il vento
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ロリス
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ダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞受賞
ナストロ・ダルジェント主演男優賞受賞
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2017
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フォルトゥナータ
Fortunata
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パトリツィオ
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イタリア映画祭2018にて上映[2]
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2018
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メイド・イン・イタリー
Made in Italy
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リコ
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イタリア映画祭2018にて上映[2]
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家族にサルーテ!イスキア島は大騒動
A casa tutti bene
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パオロ
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2019
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Il campione
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ヴァレリオ
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ダヴィッド・ディ・ドナテッロ助演男優賞ノミネート
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幸運の女神
La dea fortuna
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アルトゥーロ
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イタリア映画祭2020にて上映[14]
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2020
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Lasciami andare
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マルコ
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2021
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マリリンの瞳は黒かった
Marilyn ha gli occhi neri
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ディエゴ
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2022
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Chiusi fuori
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短編
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Ipersonnia
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ダヴィッド
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テレビ
放映年
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邦題
原題
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役名
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備考
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1995
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Voci notturne
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リナルド
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ミニシリーズ
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2000
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Come quando fuori piove
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リディオ
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ミニシリーズ
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2002
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Le ragioni del cuore
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ミニシリーズ
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2013
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Il clan dei camorristi
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アンドレア・エスポジート
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2015
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1992
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レオナルド・ノッテ
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2016
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ヤング・ポープ 美しき異端児
The Young Pope
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イタリアの首相
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第6話「第6章 悪魔との対話」
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2017
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1993
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レオナルド・ノッテ
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2019
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1994
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レオナルド・ノッテ
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2021
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È andata così
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2022
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Vostro onore
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ヴィットリオ
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他の出演作品
- ネスレ Maxibon Motta(1994年) - コマーシャル
- 883「Senza averti qui」(1995年) - ミュージックビデオ
- 883「Una canzone d'amore」(1995年) - ミュージックビデオ
- カルメン・コンソリ(Carmen Consoli)「L'ultimo Bacio」(2000年) - ミュージックビデオ
- ネッファ(Neffa)「Passione」(2007年) - ミュージックビデオ
- ジョヴァノッティ(Jovanotti)「Baciami ancora」(2010年) - ミュージックビデオ
- プジョー 208(2012年) - コマーシャル
吹き替え
舞台
- La Maddalena lasciva e penitente(1993年)
- Gli innamorati del teatro comico(1994年)
- 作者を探す六人の登場人物(1994年)作:ルイジ・ピランデッロ
- Fagiolino e Biavati caduti dalle nuvole( 1995年 )
- Ista laus pronativitate et passione domini(1995)
- Le donne curiose(1995年)
- Naja(1996年)
- ダウト 疑いをめぐる寓話(2008年 / 2009年)
- Furioso Orlando(2012年)原作:ルドヴィーコ・アリオスト『狂えるオルランド』
- Giocando con Orlando(2013年)
- デカメロン(2014年)作:ジョヴァンニ・ボッカッチョ
- デカメロン(2018年)
主な受賞
ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞
- 主演男優賞(1999年) 『ラジオフレッチャ』
- 主演男優賞(2017年) 『ゴッド・スピード・ユー!』
ナストロ・ダルジェント賞
- 主演男優賞(2001年) 『無邪気な妖精たち』
- 新人監督特別賞(2014年) 『Io non ti conosco』
- 主演男優賞(2016年) 『ゴッド・スピード・ユー!』
ヴェネツィア国際映画祭
イタリア・ゴールデングローブ賞
チャック・ドーロ賞
- 主演男優賞(1999年) 『ラジオフレッチャ』
- 主演男優賞(2001年) 『最後のキス』
脚注
外部リンク
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1932–1940年 | |
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1941–1960年 | |
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1961–1980年 | |
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1981–2000年 | |
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2001–2020年 | |
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2021–2040年 | |
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