ドラッケン
『ドラッケン』 (Drakkhen) は、1989年にフランスのインフォグラムから発売されたAmiga用ロールプレイングゲーム。 4人の英雄を操作し、人型ドラゴンである「ドラッケン」と人間が共生する「ドラッケン島」の肥大を食い止め世界を救出する事を目的としている。性別によって所属可能なジョブが異なる事や、疑似3Dとなっている画面構成などを特徴としている。 開発はフランスのDraconianが行い、ゲーム・デザインは『North & South』(1989年)にてシナリオを手掛けたステファン・バウデット、音楽は『North & South』を手掛けたチャールズ・カレが担当している。 同年にAtari STおよびPC/AT互換機に移植された他、1990年にFM TOWNS、1991年にスーパーファミコン、PC-9800シリーズ、X68000に移植された。 ゲーム内容ジョブこのゲームには、4種類(男性用ジョブ、女性用ジョブを分けて数えると6種類)のジョブが存在し、4人のキャラクターを作成することになる。また、同性の同一のジョブのキャラクターは複数作成できない(スーパーファミコン版は異性同士であっても作成できない)。
戦士であり、ドレス以外の武器防具は全て装備ができ、攻撃の主力にしやすいが、魔法は殆ど使えない。
偵察兵であり、武器防具はファイターやアマゾンと同一の物が装備できるが、やや攻撃力や体力などが劣る。しかし鍵を開けたり、ダンジョンを明るくしたりなどの補助魔法を中心に、魔法がある程度は使用できる。
魔法使いであり、攻撃魔法を使用できる。攻撃力や体力などは劣り、また装備できない防具が多いが、防具として(青い)ドレス(スーパーファミコン版はコートと記述)がこのジョブのみ装備できる。
僧侶であり、回復魔法を主に使用できる。攻撃力や体力などは劣り、また装備できない防具もあるが、防具として(茶色の)ドレス(スーパーファミコン版はローブと記述)がこのジョブのみ装備できる。 ゲームクリアにはスカウトとマジシャンしか使えない魔法「アンロック」が必須であるため、パーティー編成の際にどちらかを最低でも一人は入れなければならない。 設定ストーリーある時、突然魔法がこの世界から消えてしまった。愚かな戦士が、魔力の源となっているドラゴンを殺してしまったからであった。その後の調べで、地図にはない「ドラッケン島」という島が発見され、そこでは人型ドラゴンであるドラッケンと、人間が暮らしている事が明らかになった。またこの島は徐々に大きくなっていき、いずれは世界中を食いつぶし、人間を滅亡させてしまうことが明らかになってきていた。世界の危機を救うため、4人の英雄(プレイヤー達)がこの島に旅立つことになった。4人の英雄は、この危機を乗り切るために、ドラッケン達の内乱を鎮め、9つのジェムを集めなくてはならないのであった。 ドラッケン文字このゲームには(スーパーファミコン版を除き)、ドラッケン文字という架空の文字が登場し、(特に最初のうちは)取り扱い説明書を読んで翻訳しなければならず、特に魔法は全てドラッケン文字にて表示されるため、ドラッケン文字を知っておかなければ魔法を使用することすらままならなくなってしまう。 なお、このドラッケン文字は、単にアルファベットを記号に置き換えた物であるため、対応を覚えれば説明書を読む必要はなくなる。(魔法・アイテムのドラッケン文字は効果に対応した、英単語を略したものが殆どである) ![]() 舞台ゲームの舞台であるドラッケン島は、四角形のマップで表される。草原、湿地、雪原、砂漠の四つのエリアがあり、それぞれのエリアを支配しているドラッケンが男女一体ずつ存在する。
ここからゲームが始まる。住人なども比較的多く見られるエリアである。支配しているドラッケンは、ホドケン(男)と、ホドカ(女)である。
水たまりが多く、落ちるとキャラクターが溺れてしまうので、慎重に移動する必要がある。支配しているドラッケンは、アーケン(男)と、アーカ(女)である。
一面の銀世界で、道が少なく迷いやすいので注意が必要。支配しているドラッケンは、ナクトケン(男)と、ナクトカ(女)である。
強力な恐竜、更にはドラゴンがいきなり出て来る危険なエリア。その強さゆえ、防具を破壊されたり、一撃でキャラクターが殺されたりすることも多い。支配しているドラッケンは、ハズルケン(男)と、ハズルカ(女)である。 移植版
Amiga版原作となるプラットホームで、歌唱つきのオープニングが流れる。 メディアは512KBフロッピーディスク二枚組になっており、ゲームデータをセーブするには別途フロッピーディスクが一枚必要になる。また、ゲームを途中からプレイする、もしくはデフォルトのキャラクターでプレイする場合はディスク1から。キャラクターを新規で作成し、途中でセーブをする予定がある場合にはディスク2から起動する必要があり、ディスク2から起動した場合には上述のオープニングは流れない。 擬似3Dの世界の広がり、独特の神秘的な設定は当時のゲーマーに大きな衝撃を持って迎えられ、様々な機種への移植が熱望されることになる。 Atari ST版
PC/AT互換機版
FM TOWNS版
スーパーファミコン版コトブキシステムによる移植作品。スーパーファミコン初のロールプレイングゲーム。PCとはプレイヤー層もインターフェースもまるで違う家庭用ゲーム機への移植ということもあってか難易度はある程度下げられており、システム面についても殆ど別のゲームと言っても差し支えないほど多数の変更・省略がなされている。ゲーム内において示されるヒントも非常に分かりやすくなっているため、攻略情報が一切ない状態であってもシステム面に馴染むことさえできればクリアは十分に可能である。 以下、目立った変更点の例を列挙する。
また、続編として『スーパードラッケン』(1994年)が発売されているが、ゲームシステムは全く異なり、シナリオ的には続編であるものの、ゲームとしては全く別の内容となっている。 その他に、『スーパードラッケン』とは別に、『ドラッケンII』という続編が予定され開発されていたが(本作のエンディングでもそれを予告する様な表現が為されていた)、開発中止となった。 PC-9801版EPIC SONY(現:エピックレコードジャパン)による移植作品。音楽などが全く異なる物に変更されており、原作と比べると後述のスーパーファミコン版よりは桁外れに強いものの、モンスターがかなり弱くなっているなど、難易度が調整されている。 垂直走査中にパレットを切り替えることによりハード由来の厳しい色数制限を乗り越えた多色表示(48色)を実現していた点と、日本語、英語、フランス語を始めとする数カ国語への対応をいち早く実現していた点がセールスポイントとなっていた。 データ圧縮を駆使し、メディアが2HDフロッピーディスク一枚に抑えられている点も快適さを損わないための工夫である。ゲーム中セーブを行うには別途もう一枚ディスクが必要である。プロテクトとしていわゆるキーディスク方式を採用しており、起動時のみマスターディスクが必要だが、ハードディスクへのインストールも可能になっている。HDDで遊ぶ場合はセーブ用のディスクは不要である。 X68000版PC-9800シリーズ版と一緒に、EPIC SONYによって移植された。システムそのものはPC-9800版とほぼ同一だが、ハードウェア性能を生かし画質やサウンドなどの品質が向上している。 メディアは2HDフロッピーディスク2枚組で、プログラムディスクをドライブ0、データディスクをドライブ1にセットしてプレイする。 スタッフ
評価
脚注
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