『ノース&サウス わくわく南北戦争』(ノース アンド サウス わくわくなんぼくせんそう)は、1990年9月21日に日本のケムコから発売されたファミリーコンピュータ用ウォー・シミュレーションゲーム。
インフォグラムから1989年にAmiga、Atari ST、コモドール64用として『North & South』のタイトルで発売されたもののローカライズ移植版である。南北戦争を題材としており、ベルギーのバンド・デシネである『Les Tuniques Bleues』(1970年)を原作としてゲーム化された作品。プレイヤーは北軍か南軍を選択し、アメリカ合衆国国内の統一を目指す。2人で対戦プレイも可能。
開発はインフォグラムが行い、シナリオは同社の『ホステージ』(1988年)を手掛けたフィリップ・アグリプニディスとステファン・トレヴァリオン、『ドラッケン』(1989年)を手掛けたステファン・バウデット等が担当、音楽は『ドラッケン』を手掛けたチャールズ・キャレットが担当している。
本作は1990年に欧州にてAmstrad CPC、欧米にてPC/AT互換機に移植された他、前述の通りファミリーコンピュータに移植されて日本においても発売され、1991年にはMSXおよびZX Spectrumに移植された。
ゲーム内容
アメリカを模したマップ上には南北両軍の部隊が配置されており、敵軍の部隊を全滅させれば勝利となる。
部隊を移動すると領地を占領できる。鉄道の駅がある領地を占領していると、列車が通過するごとに収入が得られ、一定の資金がたまると新しい部隊が補充される。
駅がある領地は砦で守られており、占領部隊が進出すると横スクロールアクション「砦の戦い」が発生する。攻撃側は、時間内にゴールにたどり着いて自軍の旗を立てたら勝利となる。防衛側はそれを阻止すれば勝利となる。双方ともに攻撃手段は投げたらなくなるナイフと、パンチのみである。
また、マップ上で敵対する部隊が接触すると戦闘が発生する。大砲、騎兵、歩兵の各ユニットをリアルタイムで操作し、相手を全滅させれば勝利となる。
- 大砲 - 上下にしか動けないが、フィールドの端まで攻撃が届く。
- 騎兵 - 高速移動可能だが、武器は剣のみ。
- 歩兵 - 銃で比較的広い範囲に攻撃が可能。
戦場には以下の3種類がある。
- 草原 - ほとんど障害のないフィールド。
- 河川 - 両軍の中央に川があり、橋が1つ架かっている。そのほかに狭い浅瀬がもう1か所ある。
- 岩場 - 両軍の中央に谷があり、橋が1つ架かっている。そのほかに狭い道がもう1か所ある。
このほか、ランダムイベントを発生させる「災害モード」のオン・オフをゲーム開始時に設定できる。災害はインディアン、カミナリ雲、メキシコ人、援軍の4種類。
移植版
No.
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タイトル
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発売日
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対応機種
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開発元
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発売元
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メディア
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型式
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備考
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1
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North & South
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1990年
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Amstrad CPC
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New Frontier
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インフォグラム
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フロッピーディスク
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-
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2
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North & South
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1990年
1990年
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PC/AT互換機
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インフォグラム
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インフォグラム
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フロッピーディスク
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-
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3
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ノース&サウス わくわく南北戦争
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199009211990年9月21日
1990121990年12月
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ファミリーコンピュータ
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コトブキシステム
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コトブキシステム
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2メガビット+64キロRAMロムカセット[1]
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KSC-N5
NES-N5-USA
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4
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North & South
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1991年
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MSX ZX Spectrum
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New Frontier
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インフォグラム
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フロッピーディスク
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-
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スタッフ
- Amiga版
- メイン・プログラム、構築:ステファン・バウデット
- ストラテジー・プログラム:ビンセント・ベリアード
- アーケードゲーム:アラン・ナカシェ、ステファン・バウデット
- グラフィック、アニメーション:ディディアー・チャンフレイ
- シナリオ:フィリップ・アグリプニディス、ステファン・バウデット、ビンセント・ベリアード、ディディアー・チャンフレイ、ステファン・トレヴァリオン
- 音楽、効果音:チャールズ・キャレット
- アニメ・シーケンス・プログラム:A.シャルボニエ
- アートワーク、マニュアル:ステファン・トレヴァリオン
- 会戦コンセプト:フィリップ・アグリプニディス、ステファン・バウデット
- 翻訳:ベアテ・ライター、ジョアン・K・ロブソン、ジュリー・ミットン、Cabinet D'Humilly
- プレス窓口:クリステル・ゲスラー
- マーケティング:フィリップ・アグリプニディス
- 著者:ウィリー・ランビル、ラウル・コーバン、Les Editions Dupuis
- タイトル・スクリーン・アート:フレデリック・バスクー
- ファミリーコンピュータ版
- プログラミング:あいはらともはる
- アシスタント・プログラマー:戸野文雄、K.SHINDOU、K.KAMIGAKI、しながわみのり、増野宏之
- グラフィック・デザイナー:Y,SHINTAKU
- C.G.デザイナー:Y.TERASAWA、T.HOSOMA、すえだきみなり
- 音楽、効果音:川上泰広、増野宏之
- ゲーム・デバッガー:きどまさこ、ひらはらしょうこ、T.SASAKI
- プログラミング・スーパーバイザー:道浦忍
- エグゼクティブ・プロデューサー:しんじょうみつる
- スペシャル・サンクス:おくはらせいいちろう、永田憲一、いしいまさひろ、インフォグラム、セイカ
評価
- ファミリーコンピュータ版
項目
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キャラクタ |
音楽 |
操作性 |
熱中度 |
お買得度 |
オリジナリティ
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総合
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得点
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2.58 |
2.41 |
2.59 |
2.55 |
2.69 |
2.41
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15.23
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- 以下に挙げる特徴から、バカゲーとして知られる[9]。
- 戦争にわくわくするという不謹慎な題名。
- 砦の戦いでの攻撃手段はナイフとパンチのみ、という肉弾戦仕様。
- 部隊同士の戦闘場所のうち、河川と岩場は見た目が異なるだけで、実質的な効果が同じ。
- CPUが弱すぎる。谷にかかった橋を自分の砲撃で落としておいて、そこへ騎兵隊を突撃させ、兵士たちを転落させたりする。
- メキシコ人が災害扱い。昼寝の邪魔をすると、隣の領地に爆弾攻撃を仕掛けてくる。
脚注
外部リンク