ヒア・カムズ・ユア・マン
「ヒア・カムズ・ユア・マン」(Here Comes Your Man)は、アメリカのオルタナティヴ・ロック・バンド、ピクシーズの楽曲である。作詞作曲は、バンドのフロントマンであるブラック・フランシス、プロデュースはギル・ノートンが手がけた。本作は、1989年6月に2作目のアルバム『ドリトル』からの第2弾シングルとして発売された。 「ヒア・カムズ・ユア・マン」は、フランシスが10代の頃に書いた楽曲で、1987年にデモ音源が制作されたが、リリースに対して消極的であったことから、1987年に発売されたEP『カム・オン・ピルグリム』や1988年に発売された『サーファー・ローザ』には未収録となっていた。アメリカの『ビルボード』誌が発表したモダン・ロック・トラックス・チャートでは最高位3位を獲得した[2]。 背景・曲の構成ブラック・フランシスは、14歳から15歳の頃に「ヒア・カムズ・ユア・マン」を書いた[3]。1987年に入りデモ音源が制作されたが、「ポップすぎる」としてこの時点では正式なレコーディングは行われなかった[1]。4ADレーベルの会長であるアイヴォ・ワッツ=ラッセルは、バンドのデビュー作『カム・オン・ピルグリム』の収録曲を決める際に、「明らかに商業的すぎる」として意図的に本作を除外した[4]。 その後も未発表のままとなっていたが、1989年のアルバム『ドリトル』のレコーディング・セッション時に、プロデューサーのギル・ノートンが曲を気に入ったことから、本作の正式なレコーディングが行なわれることとなった[3]。このレコーディング・セッションでレコーディングされた本作は、従来のデモ音源とは異なるアレンジになっており、フランシスによって新たなヴァースが追加されている[5]。 曲は、ギタリストのジョーイ・サンティアゴが気に入っているドミナント7♯9コードから始まる[6]。曲中ではアコースティック・ギターでD-G-Aというコード進行を演奏していて、リッケンバッカー製12弦ギターとフェンダー・テレキャスターでギターリフを演奏している[7]。 ミュージック・ビデオ本作のミュージック・ビデオは、ニール・ポロックとジョナサン・ベケマイヤーが共同で監督を務めた作品で、歪んだ魚眼レンズを通した演奏シーンで構成されている。マイム演奏となっており、フランシスとキム・ディールは音源に合わせて口パクをしているが、口の動きは楽曲に合わせたものではなく、無表情で口を大きく開くのみとなっている。ミュージック・ビデオのテーマは、フランシス曰く「脳水腫」[8]。 リリース「ヒア・カムズ・ユア・マン」は、1989年4月17日に発売された2作目のオリジナル・アルバム『ドリトル』に収録され、同月6月1日にシングル・カットされた。シングルのジャケットには、写真家のサイモン・ラルバレスティエが撮影したブル・テリアの写真が使用された[9]。 オールミュージックのスティーヴ・ヒューイは、本作について「1980年代後半の最高のオルタナティヴ・ロックの素晴らしさを象徴している」と評している[10]。 シングル盤は、アメリカの『ビルボード』誌が発表したモダン・ロック・トラックス・チャートで最高位3位を獲得した[2]。また、『ローリング・ストーン』誌が行なった読者投票「The 10 Best Pixies Songs」では第6位にランクインした[11]。 シングル収録曲
チャート成績
カバー・バージョン
脚注出典
参考文献
外部リンク |
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