ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ
『ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ[注釈 1]』(Here Come the Warm Jets)は、ブライアン・イーノが1974年1月に発表した[注釈 2]、ソロ名義では初のスタジオ・アルバム。 解説イーノは1973年6月末にロキシー・ミュージックを脱退し[4][5]、8月にロバート・フリップ(キング・クリムゾン)と共作「スワスティカ・ガール」を録音[6][注釈 3]。そして9月にロンドンのマジェスティック・スタジオで、本作を録音した[1]。 録音にはフリップ、キング・クリムゾンのジョン・ウェットン、ロキシー・ミュージックのフィル・マンザネラ、アンディ・マッケイ、ポール・トンプソンらが参加した。ミキシングはAIRスタジオとオリンピック・スタジオで、イーノとクリス・トーマスによって行われた[1]。 反響全英アルバムチャートでは最高26位、アメリカでは1974年9月14日付のBillboard 200で最高151位を記録した[3]。 本作以後、イーノはしばらく母国での商業的成功に恵まれず、『ミュージック・フォー・フィルムズ』(1978年)が全英55位を記録するまでは全英チャートから遠ざかった[2]。 評価ゴードン・フレッチャーは1974年10月24日付の『ローリング・ストーン』誌に批判的なレビューを寄稿し「彼の曲の奇異さに関しては『不可解』より『馬鹿げている』と言った方がいい」「彼のレコードは、特に何があるわけでもないことにイライラさせられる。楽曲に関しては、個々に見ても全体的に見ても、聴き流す以上の価値があるほど強力ではない。演奏面でも、"Baby's on Fire"におけるロバート・フリップの扇動的なギター・ワークを除けば、全く活気がない。実際、アルバム全体に関しても活気がなく、リスナーは戯言に5ドル払ったことを悔やむに違いない」と評した[7]。 スティーヴ・ヒューイはオールミュージックにおいて満点の5点を付け「アヴァンギャルドでありながら極めて親しみやすい『ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ』は、今の耳で聴いてもエキサイティングで、先進的で、すべての演奏において複雑さが表出した、濃密で細かい作品」と評している[8]。 ジョン・デヴィッドソンは2004年、PopMattersにおいて「このレコードにおける最大の奇跡は、素人の指揮者/作曲家が、実に多彩な雰囲気を持つキャッチーなポップ曲を多数作り上げてみせたことである」と評している[9]。 『ローリング・ストーン』誌が2003年に選出した「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では436位にランク・インし[10]、後の2020年版改訂では308位となった[11]。また、ピッチフォーク・メディアのスタッフが2004年に選出した「1970年代のベスト・アルバム100」では24位[12]、『NME』誌が2013年に選出した「オールタイム・グレイテスト・アルバム500」では427位となった[13]。 収録曲特記なき楽曲はブライアン・イーノ作。
参加ミュージシャン
脚注注釈
出典
引用文献
外部リンク
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