フィリップ、きみを愛してる!
『フィリップ、きみを愛してる!』(原題: I Love You Phillip Morris)は、2009年のフランス映画。主演はジム・キャリーとユアン・マクレガー。製作総指揮はリュック・ベッソン。第62回カンヌ国際映画祭監督週間部門、第25回サンダンス映画祭プレミア部門出品作品。 あらすじスティーブン・ラッセル(ジム・キャリー)は、生後間もなくに養子に出され、養父母の元で育てられた。成長してバージニアビーチの警察官になった彼は、警察の情報網を利用して実母の居場所を捜索した。いきなり会いに行くが母親に拒絶されるスティーブン。母探しが目的だった警官はその日に辞め、彼は妻と娘を連れてテキサスへ引っ越した。大手食品会社(Sysco)に就職して成功し、家族と幸せに暮らしていたが、ある夜、自動車事故で重傷を負うスティーブン。 命を失いかけたスティーヴンは心機一転、自分に正直に生きることを決意する。実はスティーヴンはゲイであり、退院後に妻にカミングアウトして離婚すると、転職してゲイの恋人と暮らし始める。しかし収入以上の贅沢をしたスティーヴンは詐欺で生計を立て始め、逮捕されて恋人とも破局する。刑務所暮らしとなるスティーヴンだったが、ある日、物静かで美男なゲイの受刑者・フィリップ(ユアン・マクレガー)と出会う。 フィリップに一目惚れしたスティーヴンは民法のことで問題を抱えていた彼に“服役中の弁護士”と嘘をついて助言する。さらにスティーヴンは頭の良さと人脈を駆使してフィリップがいる2人用の房に移り、服役中ながら恋人として楽しく過ごし始める。 規律違反を犯し、別の刑務所に移送されるスティーヴン。寂しがるフィリップに「君を愛してる。すぐ会えるさ」と励ましたスティーヴンは、3ヶ月後に保釈されると、弁護士を装ってフィリップを早期保釈させることに成功する。 フィリップとの新生活を豊かにするために経歴詐称し、大手企業の役員となるスティーヴン。口八町で成功したスティーヴンは会社の金の着服にも手を染めた。羽振りが良すぎることを心配したフィリップは「僕に隠れて何か悪いことしてない?」と尋ねるが、「何もしてない」と答えるスティーヴン。だが翌日スティーヴンは逮捕され、嘘をつかれたフィリップは傷つき家を出てしまう。 フィリップを心から愛し、刑務所を脱獄して彼の居場所を探し出すスティーヴン。スティーヴンの弁護士の肩書きさえも嘘だったと知り、怒りをぶつけるフィリップ。直後に現れた警官隊によって、スティーヴンのみならずフィリップまでが着服の共犯[2]として逮捕されてしまう。 連行され、別々の房で服役するスティーヴンとフィリップ。数ヶ月後、スティーヴンはエイズにより余命わずかと診断され、民間の医療施設に移送された。人づてに「もう時間の問題」と聞いたフィリップはすぐに施設に電話をかけ、病床のスティーヴンに「色々あったけど君を愛してる。僕は永遠に君のもの」と思いの丈を伝える。 スティーヴンが死んだと聞き、監房で涙に暮れるフィリップ。そんなフィリップの前に弁護士として現れるスティーヴン。彼は過酷な減量でエイズを装っていたのだ。「嘘だらけだったが、君を愛してる」と告げ、フィリップの釈放を画策するが逮捕されるスティーヴン。 スティーヴンの処置に困り果てたテキサス州と知事は、彼に異例の終身刑を言い渡した。他者から完全に隔離された独房で、一日一時間のシャワーと運動しか許されないスティーヴン。フィリップが釈放された後も何年間も独房生活は続いたが、それでもスティーヴンはしぶとく脱獄を試み続けた。 キャスト
登場人物
作品解説この映画はIQ169の天才詐欺師スティーヴン・ラッセルの実話をもとに作られた。現在スティーヴンは総刑期167年でテキサスの刑務所に収監、23時間の監視状態に置かれている[4]。彼は学歴詐称でNAMM(北米医療管理法人)のCFOとなり、$800,000 を着服するなど複数の詐欺で逮捕歴がある。また4回の脱獄歴があり、脱獄キング (King of Cons) 、フーディーニ(脱出術を得意とする奇術師)と呼ばれていた。原作は、「I Love You Phillip Morris: A True Story of Life, Love, and Prison Breaks(2003)」[5]。 関連項目商品
脚注
外部リンク |
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