ブロードウェイ・ザ・ハード・ウェイ
『ブロードウェイ・ザ・ハード・ウェイ』[1](Broadway the Hard Way)は、フランク・ザッパが1988年に録音・発表したライブ・アルバム。オリジナルLP(D1-74218)は9曲入りだったが[2]、1989年にライコディスクから発売されたCDは17曲入りとなっている[3]。 内容ザッパは1988年に生涯最後のワールド・ツアーを行い、本作には主にボーカル入りの新曲が収録された[4]。ただし、ウォーターゲート事件を題材とした「ディッキーズ・サッチ・アン・アスホール」は1973年末にマザーズ・オブ・インヴェンションのツアーで演奏されており[5]、1989年に発売されたライブ・アルバム『オン・ステージVol.3』には当時のヴァージョンが収録されている[6]。また、CDに追加収録された曲の中にはザッパの旧作の再演もあり、「アウトサイド・ナウ」はアルバム『ジョーのガレージ Acts II & III』(1979年)、「ホット・プレート・ヘヴン・アット・ザ・グリーン・ホテル」は『ダズ・ヒューモア・ビロング・イン・ミュージック?』(1986年)で発表された曲である。 ザッパは1988年のアメリカ合衆国大統領選挙に合わせて本作をリリースしており[7]、LPの見開きジャケットの内側には、ロナルド・レーガンが1988年の共和党全国大会で語った「Facts are stupid things.」というフレーズが引用されている。「ホエン・ザ・ライズ・ソー・ビッグ」や「ジーザス・シンクス・ユーアー・ア・ジャーク」は共和党から大統領選挙に出馬しようとしたテレビ伝道師パット・ロバートソンを批判した曲で[8][9]、「ライミン・マン」は民主党から出馬しようとした牧師ジェシー・ジャクソンを批判した曲である[10]。また、「プロミスキュアス」は、レーガン政権時の公衆衛生局長官だったC・エヴェレット・クープを批判した内容で、1988年2月26日の公演でしか演奏されなかった[11]。 「マーダー・バイ・ナンバーズ」はポリスのカヴァーで、テレビ伝道師のジミー・スワガートを題材としており[4][12]、1988年3月のシカゴ公演においてスティング本人がゲスト・ボーカリストとして参加して[12]、その時の音源が本作のCD版に収録された。 なお、1988年のワールド・ツアーで録音されたライブ音源は、本作の他に『ザ・ベスト・バンド』(1991年)、『メイク・ア・ジャズ・ノイズ』(1991年)といったライブ・アルバムにも収録された。 評価スティーヴ・ヒューイはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ザッパの政治的な洞察の多くは的を射ており、更に幾らかのジョークも織り交ぜられて、『ブロードウェイ・ザ・ハード・ウェイ』は、彼が1960年代より後に発表した政治的な作品の中でも、特に秀逸で、特に知性を刺激する作品の一つに仕上がっている」と評している[4]。 収録曲特記なき楽曲はフランク・ザッパ作。 LPサイド1
サイド2
CD
参加ミュージシャン
脚注
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