CBR400R(シービーアールよんひゃくアール)は、本田技研工業が製造販売するCBRシリーズ排気量400ccクラスのオートバイである。
概要
1986年から1988年にかけて製造販売されたNC23型、2013年より製造販売されているNC47型の2種類が存在する。本項では両車のほか、NC47型のシリーズ車種として製造されているCB400F(シービー400エフ)・400X(エックス)、NC47型のベース車となった日本国外向けのPC44型(CBR500R・CB500F・CB500X)についても解説を行う。
モデル一覧
NC23型
1986年7月7日発表、同月15日発売[1]。CBRシリーズ排気量別バリエーションとして、ほぼ同時期に製造販売されていたCBR250R・CBR600F[注 1]・CBR750・CBR1000F同様のフルカウル[注 2]を装着するスーパースポーツモデルである。フロントフェンダーやフェアリングなどの形状に工夫を凝らすことで、空気抵抗を大幅に低減させることに成功した[2]。
1988年に型式名は引き続きNC23型のままCBR400RRへ車名を変更。
NC47型
CBR400R (NC47型シリーズ) |
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 CBR400R 2013年モデル |
基本情報 |
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排気量クラス |
普通自動二輪車 |
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メーカー |
本田技研工業 |
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車体型式 |
EBL-NC47 |
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エンジン |
NC47E型 399 cm3 4サイクル 水冷4バルブDOHC直列2気筒 |
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内径×行程 / 圧縮比 |
67.0 mm × 56.6 mm / 11:1 |
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最高出力 |
34kW 46ps/9500rpm |
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最大トルク |
37Nm 3.8kgfm/7500rpm |
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車両重量 |
192kg (F-190kg) ABS仕様は+2 kg |
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詳細情報 |
製造国 | |
製造期間 | 2013年- |
タイプ | スポーツ F-ネイキッド X-ツアラー |
設計統括 | |
デザイン | |
フレーム | ダイヤモンド |
全長×全幅×全高 | 2075(X-2085) mm × 740(F-780 X-830) mm × 1145(F-1060 X-1235) mm |
ホイールベース | 1410 mm |
最低地上高 | 140(F-155 X-145) mm |
シート高 | 785(X-795) mm |
燃料供給装置 | PGM?FI |
始動方式 | セル |
潤滑方式 | ウェットサンプ |
駆動方式 | チェーン |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
サスペンション | 前 | テレスコピック | 後 | スイングアーム(プロリンク) |
キャスター / トレール | 25°30′(X-25°55′)° / 102(X-105) mm |
ブレーキ | 前 | シングルディスク | 後 | シングルディスク |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR-17 58W | 後 | 160/60ZR-17 69W |
最高速度 | |
乗車定員 | 2人 |
燃料タンク容量 | 15(X-17) L |
燃費 | |
カラーバリエーション | |
本体価格 | 638,000円(税抜・通常仕様) F-618,000円(税抜) X-647,000円(税抜) ABS仕様は各車税抜47,000円高 |
備考 | 無印-CBR400R F-CB400F X-400X |
先代 | |
後継 | |
姉妹車 / OEM | ホンダ・CBR500R |
同クラスの車 | カワサキ・ニンジャ400R |
CB400F 400X |
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 CB400F 2013年モデル  400X 2013年モデル |
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2013年の大阪・東京モーターサイクルショーに市販予定車として出品。普通自動二輪車400ccクラスを再び活性化させることをテーマにした[3]『NEW FUNdamental Concept』(ニューファンダメンタルコンセプト)と呼ばれるシリーズ車種で、同年4月12日に後述するスケジュールで発売されることがアナウンスされた[4]。
NC700シリーズと同様に全車種でエンジンとフレームを共用し、外装は車種ごとで差異を持たせる方式が採用された。国外向けの500シリーズと共通構造だが、エンジンは排気量の異なるNC47E型水冷4ストローク4バルブDOHC直列2気筒を搭載する。燃料供給は電子制御式燃料噴射装置(PGM-FI)を採用。バランサー付180°クランクながら低中回転域を中心に全回転域においてスムーズな出力を発揮する特性を持つ。同社の400ccクラス2気筒エンジンとしてはホークシリーズ以来となった。加速騒音規制については平成26年基準数値適合を公表。
型式名EBL-NC47。フレームはダイヤモンド型。ホイールとブレーキディスクはNCシリーズのものとは異なるが同様の構造を採用し、全車種ともABS仕様を設定。
車両部品は後述するPC44型と共通のためタイホンダマニュファクチュアリング製を中心に使用されるが、車体組立は日本の熊本製作所で行われている[5]。
CBR400R
2013年4月23日発売[4]。フルカウルのスポーツタイプで前面横2灯式ヘッドライトを採用する。CBRシリーズとしては初の2気筒エンジン搭載車になる。
CB400F
2013年5月23日発売[4]。ネイキッドタイプでNC700Sと同様のコンセプトを持つ車両となっているが、ヘッドライトなどのデザインは若干異なる。他の部分はカウル装備を省略する以外は、CBR400Rと共通の車体デザインを採用する。
400X
2013年6月7日発売[4]。オンロード向けツアラータイプであるが、近年ホンダがNCシリーズやVFRシリーズでも展開する「クロスオーバーコンセプト」に基いたデザインをしており、R/Fよりも車体が大きく重心が高い。
遍歴
- 2016年2月18日発表 400X:同月19日発売[6] CBR400R:同月26日発売[7]
以下の変更を伴う2016年モデルへマイナーチンジを実施
- 2017年4月6日発表 CBR400:同月7日発売[9] 400X:同月17日発売[10]
以下の変更を伴う2017年モデルへマイナーチンジを実施
- カラーリング変更[9][10]
- 400XはCBR400R同様の小型異形マフラーへの変更・メインステップホルダー小型化・アンダーカバー廃止の装備見直しも実施し車重を2kg軽量化[10]
- 2018年4月19日発表 同月20日発売[11][12]
CBR400R・400X共にカラーリング変更ならびに今までタイプ設定だったABSを標準装備化
NC56型
CBR400R
CBR400R (NC56型シリーズ) |
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CBR400R 2019年モデル |
基本情報 |
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排気量クラス |
普通自動二輪車 |
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メーカー |
本田技研工業 |
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車体型式 |
2BL-NC56 |
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エンジン |
NC56E型 399 cm3 4サイクル 水冷4バルブDOHC直列2気筒 |
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内径×行程 / 圧縮比 |
67.0 mm × 56.6 mm / 11:1 |
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最高出力 |
34kW 46ps/9000rpm |
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最大トルク |
38Nm 3.9kgfm/7500rpm |
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車両重量 |
192kg kg |
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詳細情報 |
製造国 | 日本 |
製造期間 | 2019年- |
タイプ | スポーツ |
設計統括 | |
デザイン | |
フレーム | ダイヤモンド |
全長×全幅×全高 | 2080 mm × 755 mm × 1145 mm |
ホイールベース | 1410 mm |
最低地上高 | 130 mm |
シート高 | 785 mm |
燃料供給装置 | PGM-FI |
始動方式 | セル |
潤滑方式 | ウェットサンプ |
駆動方式 | チェーン |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
サスペンション | 前 | テレスコピック | 後 | スイングアーム(プロリンク) |
キャスター / トレール | 25°30′° / 102 mm |
ブレーキ | 前 | シングルディスク (2022モデル ダブルディスク) | 後 | シングルディスク |
タイヤサイズ | 前 | 120/70ZR-17 58W | 後 | 160/60ZR-17 69W |
最高速度 | |
乗車定員 | 2人 |
燃料タンク容量 | 17 L |
燃費 | WMTC 28.3km/l(クラス3-2)<1名乗車時> km/L |
カラーバリエーション | |
本体価格 | 735,000円(税抜・通常仕様) |
備考 | |
先代 | NC47 |
後継 | |
姉妹車 / OEM | ホンダ・CBR500R |
同クラスの車 | カワサキ・ニンジャ400R ヤマハ・YZF-R3 |
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2013年に発売されたCBR400R(NC47)を最新のデザイン・エンジンの環境対応のためにモデルチェンジするべくフルモデルチェンジがなされた。2019年1月19日に発表、2019年3月22日に発売された。[13]
400X
400X (NC56型シリーズ) |
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400X 2019年モデル |
基本情報 |
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排気量クラス |
普通自動二輪車 |
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メーカー |
本田技研工業 |
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車体型式 |
2BL-NC56 |
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エンジン |
NC56E型 399 cm3 4サイクル 水冷4バルブDOHC直列2気筒 |
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内径×行程 / 圧縮比 |
67.0 mm × 56.6 mm / 11:1 |
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最高出力 |
34kW 46ps/9000rpm |
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最大トルク |
38Nm 3.9kgfm/7500rpm |
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車両重量 |
196kg kg |
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詳細情報 |
製造国 | 日本 |
製造期間 | 2019年- |
タイプ | アドベンチャー |
設計統括 | |
デザイン | |
フレーム | ダイヤモンド |
全長×全幅×全高 | 2140 mm × 825 mm × 1380 mm |
ホイールベース | 1435 mm |
最低地上高 | 150 mm |
シート高 | 800 mm |
燃料供給装置 | PGM-FI |
始動方式 | セル |
潤滑方式 | ウェットサンプ |
駆動方式 | チェーン |
変速機 | 常時噛合式6段リターン |
サスペンション | 前 | テレスコピック | 後 | スイングアーム(プロリンク) |
キャスター / トレール | 27°30′° / 108 mm |
ブレーキ | 前 | シングルディスク (2022モデル ダブルディスク) | 後 | シングルディスク |
タイヤサイズ | 前 | 110/80ZR-19 59H | 後 | 160/60ZR-17 69W |
最高速度 | |
乗車定員 | 2人 |
燃料タンク容量 | 17 L |
燃費 | WMTC 28.3km/l(クラス3-2)<1名乗車時> km/L |
カラーバリエーション | |
本体価格 | 751,000円(税抜) |
備考 | |
先代 | NC47 |
後継 | |
姉妹車 / OEM | ホンダ・CBR500X |
同クラスの車 | KTM・390 Adventure BMW・G310GS |
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2013年に発売された400X(NC47)に対し、クロスオーバーモデルとしてのコンセプトは踏襲しながらも、前世代のNC47に比べて前輪の大径化(17→19インチ)を図るなどしてフラットダートの走破性を高め、よりアドベンチャーイメージを強調するデザインへと変化した。2019年1月19日に発表、2019年3月22日に発売。[14]
PC44型
2012年ミラノモーターサイクルショーで発表されたCBR500R・CB500F・CB500Xは、世界的な新規顧客の開拓と既存ユーザーの利便さを図った『NEW FUNdamental Concept』であることは上述のNC47型同様であるが、搭載エンジンのストロークを66.8mmに延長し排気量を471ccとした海外向け仕様車である[15]。
エンジン出力は35kW/8500rpm・43Nm/7000rpmと欧州A2カテゴリー免許に適合する数値とされた。
NC47型との相違点は、製造がタイ王国の現地法人タイホンダ・マニュファクチュアリングカンパニー・リミテッド(Thai Honda Manufacturing Co., Ltd.)で部品から車体組立まで一括して行われることとクロスオーバータイプの車名がCB500Xとされたことである。
なお本シリーズも2016年に日本国内仕様同様となるヘッドライトLED化などのマイナーチェンジを実施。CBR500R[16]・CB500X[17]だけでなく、CB500Fもマイナーチェンジを行い生産が継続された[18]。
脚注
注釈
- ^ 欧州・北米向け輸出専用モデル。NC23型と共通車体とされたもののフレーム素材をアルミニウムから鉄へ変更。当時の馬力自主規制上限値59psをマークするNC23E型水冷4ストローク4バルブDOHC直列4気筒エンジンをベースに排気量こそアップされたもののコストダウンのためカム駆動がギア方式からチェーンドライブにするなどの設計変更が行われた。
- ^ 当時の量販市販車のデザインとしては、エンジンの造形美を強調して見せることが主流であったのに対して、フェアリングに隠されエンジン本体がほぼ外から見えない状態とされた。
出典
関連項目
外部リンク
- 本田技研工業公式HP
- HONDA UK
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50 - 125 cc | | |
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126 - 250 cc | |
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251 - 400 cc | |
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401 - 750 cc | |
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751 cc以上 | |
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系列 | |
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スクーター | |
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電動スクーター | |
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コンセプトモデル | |
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競技車両 | |
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