ヤエヤマコキクガシラコウモリ

ヤエヤマコキクガシラコウモリ
保全状況評価[1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
Status iucn3.1 EN.svg
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分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 翼手目 Chiroptera
: キクガシラコウモリ科 Rhinolophidae
: キクガシラコウモリ属 Rhinolophus
: ヤエヤマコキクガシラコウモリ R. perditus
学名
Rhinolophus perditus
Andersen, 1918[2]
和名
ヤエヤマコキクガシラコウモリ[3]
英名
Yaeyama least horseshoe bat[4]
亜種
  • ヤエヤマコキクガシラコウモリ
    R. p. perditus
    Andersen, 1918
  • イリオモテコキクガシラコウモリ
    R. p. imaizumii
    Hill et Yoshiyuki, 1980

ヤエヤマコキクガシラコウモリ(八重山小菊頭蝙蝠、学名:Rhinolophus perditus)は、翼手目キクガシラコウモリ科に属するコウモリ。石垣島ではカブル、西表島ではキシャラとも呼ばれる。(ただし、どちらもコウモリ一般を指すため、本種のみの呼称ではない)

分布

日本固有種であり、石垣島西表島小浜島竹富島に生息する。

形態

褐色系の体毛をもち、前腕長が40mmから44mm、頭胴長が41mmから50mm、尾長が17.5mmから21.5mm、体重が6.5gから9gになる。体に比べて鼻葉前葉が大きい。広くて短い翼をもち、沖縄島産のオキナワコキクガシラコウモリ R. pumilusよりは、やや大型になる。

生態

洞穴性のコウモリであり、自然洞窟や廃坑などをねぐらにする。繁殖期には、数百から数千個体もの大きな集団を形成することが多い。出産前には、雄や亜成獣も加温をするために集団に加わるが、出産を迎える5月には、雌のみで出産哺育コロニーを作る。1回に1子を産む。出産は1週間程度の期間で行われる。雄や亜成獣は、その間は単独でいることが多い。誕生後、25日ほどで飛翔可能になる。冬眠はしない。森林の比較的下層で、ハエなどを捕食する。開けた所を好まず、洞穴から採餌場への移動もその傾向がみられる。

分類

石垣島産は基亜種ヤエヤマコキクガシラコウモリ Rhinolophus perditus perditus に、西表島産は亜種イリオモテコキクガシラコウモリ Rhinolophus perditus imaizumii に分類される。それぞれを別種として、R. perditusR. imaizumiiとする説もある。竹富島と小浜島のものがどちらに属するのかは、はっきりしていない。

保全状態評価

Status jenv VU.svg
Status jenv VU.svg
  • 沖縄県版レッドデータブック - 絶滅危惧IB類 (EN) [6]

土地改良にともなう洞窟の減少や洞窟内部の環境変化、さらに採餌場である森林の減少や孤立化が減少の要因と考えられている。

関連項目

出典

  1. ^ Fukui, D. & Sano, A. 2020. Rhinolophus perditus. The IUCN Red List of Threatened Species 2020: e.T85707170A85707174. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2020-2.RLTS.T85707170A85707174.en. Accessed on 09 June 2025.
  2. ^ Andersen, K. (1918). “Diagnoses of new Bats of the Families Rhinolophidae and Megadermatidae”. The Annals and Magazine of Natural History. 9 2 (10): 374–384. doi:10.1080/00222931808562380. ISSN 0374-5481. https://www.biodiversitylibrary.org/page/15631097. 
  3. ^ 川田伸一郎・岩佐真宏・福井大・新宅勇太・天野雅男・下稲葉さやか・樽創・姉崎智子・横畑泰志世界哺乳類標準和名目録」『哺乳類科学』第58巻 別冊、日本哺乳類学会、2018年、1-53頁。
  4. ^ 佐野明「ヤエヤマコキクガシラコウモリ」、コウモリの会 編『識別図鑑 日本のコウモリ』佐野明・福井大 監修、文一総合出版、2023年、57-59頁。
  5. ^ 前田喜四雄「ヤエヤマコキクガシラコウモリ」、環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室 編『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-1 哺乳類』ぎょうせい、2014年、60-61頁。
  6. ^ 前田喜四雄・田村常雄「ヤエヤマコキクガシラコウモリ」、沖縄県文化環境部自然保護課 編『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物 (レッドデータおきなわ) 第3版 動物編』沖縄県文化環境部自然保護課、2017年、100-101頁。

参考文献

  • 松村澄子 コウモリの会編 『コウモリ識別ハンドブック』 文一総合出版、2005年、P19 ISBN 4-8299-0015-6
  • 前田喜四雄 『改訂・沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(動物編)-レッドデータブックおきなわ-』 沖縄県文化環境部自然保護課、2005年、P32-33
  • 前田喜四雄 阿部永監修 財団法人自然環境研究センター編 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会、2008年、P33、ISBN 978-4-486-01802-5
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