ユニオン駅 (シカゴ)
ユニオン駅 (又はユニオン・ステーション、英語: Union Station) は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにある鉄道駅で、今日、シカゴを発着する長距離列車はすべてこの駅を発着する。ダウンタウンのシカゴ川西側に位置し、その広さは全体で約9.5街区に及ぶが、メイン・ビルディングを除くそのほとんどは道路及び高層ビルの地下にある。アムトラック子会社のChicago Union Station Company社が所有。 ![]() ![]() ![]() 歴史シカゴに初めて鉄道が敷かれたのは1848年のことであったが、ほどなくシカゴは米国で最も重要な鉄道の連結点となった。ところが、有力な鉄道会社がそれぞれターミナル駅を建設した結果、シカゴを通り抜ける乗客はきわめて不便な乗換を強いられることになり、そのような状況を改善することが課題となった。 1874年 鉄道事業者5社(ペンシルバニア鉄道子会社のペンシルバニア・カンパニー、シカゴ・バーリントン・アンド・クインシー鉄道、ミシガン・セントラル鉄道(ニューヨーク・セントラル鉄道の一部)、シカゴ・アンド・アルトン鉄道、およびミルウォーキー鉄道)によるユニオン駅建設合意書が締結、建設開始。 1881年 完成。もっとも、上記鉄道事業者のうちミシガン・セントラル鉄道はすでに合意から離脱し、開業当初のユニオン駅は利用しなかった。また、ボルチモア・アンド・オハイオ鉄道、イリノイ・セントラル鉄道、ノース・ウェスタン鉄道、ロック・アイランド鉄道、サンタフェ鉄道、ウォーバッシュ鉄道などの有力鉄道会社も別の駅を利用していたため、乗客の利便性向上は限定的だった。 1913年 Chicago Union Station Company社が設立され、駅の拡張と駅舎の建替え工事が開始。第一次世界大戦、労働力不足及びストライキの影響で工事進行が中断した。 1925年 建替え工事が完了し、同年5月16日より供用開始(高架道路工事などは1927年まで継続)。 第二次世界大戦中は、一日あたり300本もの列車と10万人の乗降客が利用する、ユニオン駅にとって最も繁忙な時期であった。 1968年 ペン・セントラル鉄道の成立に伴い、ニューヨーク・セントラル鉄道の列車がユニオン駅から発着するようになる。 1969年 利用客の著しい減少に伴い、コンコースの上屋が取り壊され、後に高層ビルが建てられた。メイン・ビルディングも取壊す意向があったが、利便性のためにこれは回避された。 1971年 アムトラックの成立とともにシカゴ発着の長距離列車の大部分がユニオン駅を発着するようになる(統合が完了するのは翌1972年) 1992年 建築会社Lucien Lagrange Associatesによる改修が行われた。 現在、ユニオン駅はアムトラックのシカゴ発着路線全線と、州内鉄道であるメトラのうち6路線のターミナルとして使用されている。2007年の一日平均利用客数は約54,000人(うちアムトラック利用客6,000人)。 構造プラットフォーム・コンコース![]() プラットフォームはシカゴ川と並行に南北に配置されている。中央部のコンコースで線路が分断されていて、頭端式の駅が背中合わせになったような構造になっている。このため列車の運行は北行きと南行きに分かれており、直通列車は存在しない。プラットフォームとコンコースは全て地下にあり、同一フロアにあるため、乗換の際に階段等を使う必要がない。 北プラットフォーム(奇数番線)はアムトラックのハイアワーサ(Hiawatha)線(ミルウォーキー行)、メトラのMD-N線・MD-W線・NCS線が使用し、それ以外の路線は南プラットフォーム(偶数番線)に乗り入れている。 コンコース中2階にはフードコートや各種売店がある。フードコートは毎日午前5時半から深夜12時まで営業。 1925年竣工のコンコースの上屋は新古典主義の建造物として高い歴史的価値を持っていたが、鉄道旅客輸送の衰退により取り壊された。現在は高層オフィスビルが建っている。 メイン・ビルディングプラットフォーム・コンコースの所在エリアから1ブロック西(南北をAdams Street/Jackson Blvd、東西をCanal Street/Clinton Streetに囲まれたブロック)に所在。駅舎は、アメリカン・ルネッサンス時代を象徴するボザール様式による伝統的建築技法と現代的な技術工学・動線パターン及び都市計画を融合させている。 大待合室「グレート・ホール」メイン・ビルディング内。華やかなボザール様式建築の「グレート・ホール」(Great Hall)は、木製ベンチの並ぶ天井高34mの大待合室であり、そのヴォールト構造(アーチ型天井)の天窓、彫像、乗継用ロビー、階段及びバルコニーから成るスペースは、米国の屋内公共空間の傑作の一つとされている。貸切にも応じており、300〜3,000人収容のイベント開催が可能である。 映画「アンタッチャブル」の有名なシーンの撮影で使用された大階段は、グレート・ホールの東側(Canal Street)入口内にある。他にグレート・ホールが使用された映画には「ベスト・フレンズ・ウェディング」(1997年)、「チェーン・リアクション」(1996年)などが、またテレビドラマには「ER緊急救命室」、「Early Edition」などがある。 乗り入れ路線![]() アムトラックアムトラック(Amtrak)の主要ターミナル駅であり、以下の路線が発着する。
メトラシカゴダウンタウンとイリノイ州郊外とを結ぶメトラ(Metra)のうち、下記6路線のターミナル駅である。
アクセスユニオン駅は、米国他州の主要ターミナル駅[1]と異なり、地下鉄への直接の接続が無い。シカゴ交通局(CTA)の"シカゴ・L"(地下鉄・高架鉄道)の駅は、いずれもユニオン駅から1ブロック以上離れているため、バス・タクシーへの乗換と比べると若干不便である。 エントランス(入口)![]() 全10ヵ所。
CTA (バス・地下鉄/高架路線)・長距離バスへの接続CTAバス CTA(シカゴ交通局)トランジットカードや乗り放題パスの自動券売機が、コンコースのメトラ窓口のエリアに置かれているので、CTAバス使用の前に購入しておくと便利。なお、CTAバスのルート・停留所は道路状況等に応じて頻繁に移動するので、注意が必要である。
CTA シカゴ・L
メガバス(Megabus) - 長距離バス。メイン・エントランスから1ブロック南に発着所がある。(Canal Street & Jackson/Van Buren)
空港への接続
ギャラリー
関連項目
外部リンク脚注
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