ルーファス・シーウェル
ルーファス・シーウェル(Rufus Sewell, 本名: Rufus Frederick Sewell, 1967年10月29日 - )は、イギリスの映画および舞台俳優。 人物舞台俳優としても有名で、ブロードウェイの舞台にも立っている。『キャリントン』(1995年)、『ハムレット』(1996年)、『娼婦ベロニカ』(1998年)、『ダークシティ』(1998年)、『ROCK YOU!』(2001年)、『レジェンド・オブ・ゾロ』(2005年)、『幻影師アイゼンハイム』(2006年)、『アメイジング・グレイス』(2006年)、『ホリデイ』(2006年)、『パリ、ジュテーム』(2006年)、『ジュディ 虹の彼方に』(2019年)、『ファーザー』(2020年)、『オールド』(2021年)などの映画に出演している。また『Middlemarch』(1994年)、『Arabian Nights』(2000年)、『Charles II: The Power and the Passion』(2003年)、『John Adams』(2008年)、『イレブンス・アワー』(2008年–2009年)、『Zen』(2011年)、『The Pillars of the Earth』(2010年)、『パレーズ・エンド』(2012年)、『女王ヴィクトリア 愛に生きる』(2016年–2017年)、『高い城の男』(2014年–2019年)、『マーベラス・ミセス・メイゼル』(2019年)などのテレビに出演している[1]。2020年、アガサ・クリスティーの小説『蒼ざめた馬』のドラマ化『The Pale Horse』に主演した。2023年、ネットフリックスの『The Diplomat』に主演している。 舞台ではトム・ストッパードの戯曲『Arcadia』のセプティマス・ホッジ役、『Rock 'n' Roll』のジャン役のオリジナル・キャストとなった。『Rock 'n' Roll』でトニー賞にノミネートされ、ローレンス・オリヴィエ賞を受賞した。 「シーウェル」の実際の発音は「スウォル」に近い([ˈsuːəl])。 プロフィール生い立ちミドルセックス州(現・ロンドン)にて、オーストラリア人の父親ウィリアム・フレデリック・シーウェルとアーティストでクラシック・ピアニストのウェールズ人の母親ジョーの間に生まれた[2][3][4][5]。父親はビートルズのアニメ映画『イエローサブマリン』の「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」のシーンに参加したアニメーターだった[6][7][8][9]。5歳時に両親が離婚し、10歳時に父親が亡くなっている[10][11][12]。その後、母親はカーマーゼンシャーのラーンにある、ウェールズ人詩人で作家のディラン・トマスの両親が住んでいた「ザ・ペリカン」に住んでいた[5][13]。10代の頃の彼は気難しかったとされる[14]。 トゥイッケナムのステート・ジュニア・スクールであるトラファルガー・ジュニア・スクールに通学したが、1978年に退学した。在学中、演劇部に所属して『ルンペルシュティルツヒェン』に主人公の小人役を膝立ちで演じた。 トゥイッケナムにある総合学校オーリンズ・パーク・スクールに通学し[15]、1984年に退学した。ウェスト・セイムス・カレッジに進学して演技の教師の薦めで演劇学校のオーディションを受けた。その後、ロンドンのセントラル・スクール・オブ・スピーチ・アンド・ドラマ(CSSD)で演技を学んだ[11][16]。 経歴CSSD卒業後、在学中に演技指導を受けたジュディ・デンチからエージェントに紹介された。1991年に『21/Twenty-One』で映画デビューした。1993年、マイケル・ウィナー監督の映画『Dirty Weekend』の不愉快なティム役で主演したことでブレイクした。ウィナーはクリテリオン・シアターに出演していた彼を見て主演に選んだのである[17]。同年、BBCのジョージ・エリオット作の『ミドルマーチ』のドラマ化『Middlemarch』、ロイヤル・ナショナル・シアターのリトルトン劇場にてトム・ストッパードの戯曲『Arcadia』の舞台に出演した。 ジョン・シュレシンジャー監督の『Cold Comfort Farm』(1995年)、ジョン・マードック役で主演のSF映画『ダークシティ』(1998年)、『アメイジング・グレイス』(2006年)、『幻影師アイゼンハイム』(2006年)、ナンシー・マイヤーズ監督・脚本・製作の『ホリデイ』(2006年)、などの映画に出演している。『アメイジング・グレイス』はイギリスで奴隷制度廃止運動のリーダーであったウィリアム・ウィルバーフォースの政治闘争を描いており、ウィルバーフォースの運動家仲間のトマス・クラークソンを演じた。 『ROCK YOU!』(2001年)、『レジェンド・オブ・ゾロ』(2005年)、『ブレス・ザ・チャイルド』(2000年)、『Helen of Troy』(2003年)、『幻影師アイゼンハイム』(2006年)を始め、敵役を演じることが多い。「もう悪役を演じたくない」[18]としながらも「誰にでもやらなければいけないことがある。私にとって、19世紀の上流階級の悪者をいかに特徴的に面白く演じるかが大事」[19]と語ったことがある。 2008年、HBOのミニシリーズ『John Adams』でアレクサンダー・ハミルトン役を演じた。イギリスのBBCのテレビシリーズ『Charles II: The Power and the Passion』(2003年)ではタイトル・ロールのチャールズ2世を演じ、批評家らの称賛を得た。イアン・マクダーミド、ヘレン・マックロリー、ルパート・グレイヴス、シャーリー・ヘンダーソンと共演し、チャールズ2世の亡命終盤から亡くなるまでを演じた。 2009年6月5日公開の問題作の映画『Downloading Nancy』に主人公ナンシーの夫役で出演した[20]。2008年のサンダンス映画祭では上映中に複数の観客が退室した。批判に関わらず、映画を断固として擁護し続けた。「誰が失敗作か成功作か判断しようが、誰が好もうと好まざるとも、とても誇りに思う映画である。私は参加できたことを誇りに思う」と語った[19] 2006年から2009年、BBCラジオにてラッセル・ソーンダイクによる18世紀の聖職者、冒険者、密輸業者、海賊のドクター・シンの物語を朗読した。コスチューム系の役柄で知られているが、本人はBBCのウィリアム・シェイクスピアの2005年版『じゃじゃ馬ならし』のペトルーチオ役など、ネクタイの起源であるスカーフの「クラヴァット」のない役を好んでいる。この作品は『シェイクスピア21』シリーズの一環で、ペトルーチオ役で英国アカデミー賞テレビ部門主演男優賞にノミネートされた。舞台を17世紀のイタリアのパドヴァから21世紀のロンドンに移した現代版の物語となっている。彼にとってシェイクスピア作品は『ヘンリー四世 第1部』(1995年)のホットスパー役、『ハムレット』(1996年)のフォーティンブラス役、『マクベス』(1999年)のタイトル・ロールに続き4作目となった。『Charles II: The Power and the Passion』で共演したシャーリー・ヘンダーソンと再び共演した。 2006年6月から7月にロイヤル・コート・シアターで、2006年7月から11月までデューク・オブ・ヨークス・シアターにて上演された、トム・ストッパードの戯曲『Rock 'n' Roll』の初演に出演した。批評的にも商業的にもヒットして客席も満員で、イヴニング・スタンダード賞、批評家サークル劇場賞、ローレンス・オリヴィエ賞の主演男優賞を受賞するなど、数々の賞を受賞およびノミネートされた。 イアン・フレミングのジェームズ・ボンド・シリーズ11作をコリンズの36枚のCDに収録した。映画、テレビ、舞台に出演を続け、CBSの連続ドラマ『イレブンス・アワー』にジェイコブ・フッド役で主演した[1]。2009年11月、ミニシリーズ『The Pillars of the Earth』の撮影が終了し、2010年に放映された[21]。 2010年、マイケル・ディブディンのベストセラーを基にした、BBCワンの連続ドラマ『Zen』でイタリア人刑事オーレリオ・ゼン役を演じた。3エピソードをローマで撮影し、2011年1月上旬にBBCワンで放映されたが1シーズンで打ち切りとなった[22]。2010年公開のアンジェリーナ・ジョリーおよびジョニー・デップ主演の映画『ツーリスト』で端役を演じた。2012年6月にニューオリンズで撮影された映画『リンカーン/秘密の書』でヴァンパイアの始祖のアダム役を演じた[23][24]。 2013年、ピンク・フロイドのアルバム『狂気』を基にしたトム・ストッパードのラジオドラマ『Darkside』でEthics Man役を演じた[25]。2014年7月公開の『ヘラクレス』でドウェイン・ジョンソンと共演し、アウトリュコス役を演じた[26]。2015年、映画『Blinky Bill the Movie』で野良猫サー・クロード役で声の出演をした。近年では『高い城の男』(2014年–2019年)でアメリカ出身ナチス高官ジョン・スミス役[27]、『女王ヴィクトリア 愛に生きる』のメルバーン子爵役を演じている。 2023年2月、2019年の「ニュースライト」のアンドルー王子のインタビューを描いたネットフリックスの『Scoop』でジリアン・アンダーソン、エミリー・メイトリス、ビリー・パイパー、キーリー・ホーズと共演し、アンドルー王子役を演じることが発表された。 私生活婚姻歴は2回ある。1999年に長年交際していたオーストラリア人のファッションジャーナリストのヤスミン・アブダラと結婚したが[11] 、2000年に離婚した[28][29]。2002年に脚本家でプロデューサーのエイミー・ガードナーとの間に男児ウィリアム・ダグラスを儲けている[30]。2004年にガードナーと再婚し[31]、2006年に離婚した[32]。2013年、日系アメリカ人のヘア・スタイリストであるアミ・コマイとの間に娘ローラを儲けた[33][34]。 主な出演作品映画
テレビシリーズ
舞台
受賞歴
出典
外部リンク
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