上山競馬場
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上山競馬場(かみのやまけいばじょう、Kaminoyama Race Course)とは、かつて山形県上山市に存在した地方競馬の競馬場である。 走路の内側には交通公園があり、ポニーランドやソフトボール場、日本庭園を設置[2]。競馬非開催日には山形県内の幼児や小学生の遠足、交通ルール学習に利用されていた[2]。 本項では現在の施設である場外勝馬投票券発売所のニュートラックかみのやまについても記述する。 歴史上山市は、1956年の豪雨で総額3億2千万円もの被害を受け、この災害復興のために市の運営による競馬が1958年より開催されることになった。この上山競馬場によって、上山市の財政は潤い、とくにバブル景気の1980年代には最盛期を迎えた。 しかしながら、バブル崩壊後、同競馬場を運営してきた上山市は地元温泉地域などの観光産業の不振などから歳入減に悩まされ財政的な危機に立たされる状況となり、かつ競馬場自体の赤字もその状況を圧迫、存続困難な状況になった。規模を縮小して開催するも耐え切れず、ついに2003年11月をもって廃止。最後の競走は山形記念樹氷賞であった。 跡地は工業団地として、2013年までに3社へ分譲された[3]。本馬場跡には東和薬品の工場が建設されている[4]。 特徴経営改善策の一つとして、日本で初めて個人協賛競走(個人1万円、団体、法人は3万円を支払えば競走名の冠をつけることが可能)を実施したことで話題になった。 かつては金寿賞(サラ系)、銀寿賞(アラ系)という10歳馬限定の特別競走を年末に行っていた事でも知られる。この競走では出走条件について「10歳」という年齢のみで競走馬のランクは出走資格に影響しないという特殊な設定がされていた。当時の上山競馬は競走馬に10歳定年制を敷いていたため、年末の最終開催に行われる10歳馬限定戦は、自動的に出走全馬の引退レースとなるというものであった。(当時の年齢表記は数え年) 冬期休催があり1月~3月は休みとなった。主に開催は毎週日曜~火曜の3日であり、JRA福島競馬場開催中はハシゴして上山に訪れる人も多かった。上山市内、山形駅はもとより、仙台駅からも無料送迎バスが発着しており、公営競技や場外馬券売り場がない宮城県のファンも非常に多かった。 上山競馬場を舞台にした映画には『喜劇 競馬必勝法 一発勝負』(谷啓主演、1968年公開)や『流★星』(緒形拳主演、1999年公開)がある。 場内には喜劇俳優の伴淳三郎が経営するカレー屋があり、本人も度々訪れては客と歓談することがあった。 年表以下の内容は『施設概要[1]』『市報(2003年12月1日号)』による。
コース概要
ニュートラックかみのやま
廃止直後から跡地の一角では特別区競馬組合および岩手県競馬組合が管理する場外勝馬投票券発売所のニュートラックかみのやまとして、南関東4競馬(浦和・船橋・大井・川崎の4競馬場)と盛岡・水沢の2競馬場も発売している。ただし岩手競馬は発売しない日もある[5]。当初はスタンドの馬券発売設備をそのまま活用していた[4]が、2013年3月4日より旧本馬場北西側の内厩舎跡に新築した2階建ての施設で営業している[5]。 上山競馬に関連する場外としては他にもニュートラック松山(山形県酒田市)、ニュートラックいいたて(福島県飯舘村)がある。いずれも施設所有は上山市が業務委託のため全額出資した株式会社ニュートラックかみのやまであり、競馬の場外発売については各競馬主催者に施設を貸し出す形で行われている。これらもその頃から地域間場外としても使用されており、競馬を開催していた頃から本場開催を上回る収益を上げていた。なお2014年4月20日にニュートラック福島(福島県福島市)を開設するが、これは競輪場外車券売場の施設を間借りする形になる。 競馬場廃止後も場外馬券売場としての機能拡充は進めており、2009年には馬券発売システムを更新し枠番連勝単式・3連勝単式の発売を開始している。 2024年3月17日より「J-PLACEかみのやま」を開設した。発売日は全ての日曜日、南関東競馬とJRAの開催が重複する日及びホープフルステークス・東西金杯当日である[6]。 発売する馬券の種類
○…発売 ×…発売なし
岩手競馬・南関東公営競馬の全種類を発売。ただし、かつては岩手競馬は発売しない日もあった。 アクセス
主な競走(開催当時)
主な所属馬・出身馬
主な所属騎手登場する作品
脚注注釈出典
参考文献
外部リンク
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