下町風俗資料館(したまちふうぞくしりょうかん)とこれまで呼ばれ、したまちミュージアムと名称変更して2025年3月9日に再度開館する予定の施設は、東京都台東区上野公園内、不忍池の畔にある台東区立の博物館である。主に、江戸時代から昭和時代中期くらいにおいて育まれた東京下町の文化的資料を扱う。「庶民の歴史である下町の大切な記憶を次の世代へ伝える[3]」べく構想され、1980年(昭和55年)に開館した。指定管理者制度により公益財団法人台東区芸術文化財団が管理・運営を行っている。[4]
2023年4月からリニューアル工事を行うために閉館しており、「したまちミュージアム」に名称を変更して2025年(令和7年)3月9日に再度オープンする予定である[5]。
概要
1階部分は、大正時代の下町の街並みを再現しており、裏長屋には路地やその共同井戸も再現展示され、路地に面する長屋の建物には駄菓子屋や銅壷屋が入居しており、表通りに面した商家の建物は花緒の製造卸問屋で、出桁造と呼ばれる当時の商家の典型的な建物内には作業場や帳場(現代で言う事務所)が再現されている。[6][7]展示品は実際に使われていたものが殆どで、当時の電話ボックスや人力車も展示されている。ここでは、紙芝居などのイベントも行われる。
2階部分は、時折企画展示も行われる。ベーゴマ、けん玉など、昔の遊びが体験できるコーナーや、銭湯の番台がある。奥には昭和10-30年代 (1935年 - 1964年) の民家を再現したスペースもある。
明治、大正ころまでの下町には江戸の名残がありました。
しかし大正12年 (1923年) の関東大震災、昭和20年 (1945年) の戦災によって、ほとんどその面影をなくし、さらに目覚しい復興を遂げた戦後、特に昭和30年代後半には東京オリンピックを契機とする再開発が積極的に進められ、街はすっかり変貌してしました。
人びとの暮らしもまた時代とともに変化し、便利さを取り入れた代わりに、古い時代の大切なものが忘れられようとしていました。
古き良き下町の文化が失われつつあることに、憂いの声が上がったのは昭和40年代のことでした。
それは次第に下町を愛する人びとの間に広がり、やがて庶民の歴史である下町の大切な記憶を次の世代へ伝えるための資料館設立の構想が生まれたのです。
これを実現するために台東区内外からたくさんの貴重な資料が寄贈されました。
そして、多くの人びとの長い歳月をかけた願いが実り、台東区立下町風俗資料館は、昭和55年 (
1980年) 10月1日に、ここ
不忍池畔に開館いたしました。
外国人観光客にも人気が高く、ボランティアによる英語解説が行われることもある[8]。
- 開館日・休館日・入館料など
- 開館時間 :9時30分から16時30分(ただし入館は16時00まで)[9]
- 休館日 : 月曜日(ただし祝休日と重なる場合は翌平日)、12月29日から1月3日、特別整理期間など[9]
- 特別整理期間や展示替等に伴う臨時休館があるので、来館前に運営組織の公式ホームページ[1]で最新情報を確認すること
- 入館料 :一般300円(200円)、小・中・高校生100円(50円)[9]
- ( )内は20名以上の団体料金
- アクセス
沿革
- 1980年(昭和55年)10月1日 - 下町風俗資料館開館。
- 2023年(令和5年)4月から館内リニューアルのため、休館[10][11]。工事開始当初は2025年(令和7年)5月まで休館の予定としていたが、前倒しすることができ、現在では2025年3月9日に再度開館予定としている。
ギャラリー
付設展示場
付設展示場のほうは台東区上野桜木にある。1910年(明治40年)に建てられ、1986年(昭和61年)まで谷中で酒屋を営んでいた「吉田屋」の建物を移築し、展示場として使っている。ここでは、酒類の販売に使う道具や、商いに関する資料を展示している[12]。
脚注
参考文献
- 財団法人台東区芸術文化財団 台東区立下町風俗資料館編集・発行 『台東区立下町風俗資料館 図録』 船舶印刷株式会社印刷・製本 2003年1月初版 2005年2月2版
関連項目
外部リンク (公式サイト以外)
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