亀山俊樹
亀山 俊樹(かめやま としき、1955年6月7日[1] - )は、日本の音響監督、翻訳家。株式会社ビットグルーヴプロモーション取締役[2]、アプトプロ株式会社代表取締役会長[3]。 翻訳など、執筆活動を行う際の名は樹山 かすみ(きやま かすみ)。 経歴国際基督教大学卒業。 広告代理店で働いたのち[4]、番組販売会社に転職した。舞台演出を手掛けたのち、39歳の時オムニバスプロモーションに入社した[4]。亀山は舞台演出の経験があったので、演出という仕事に高いハードルは感じなかったものの、こんなに短期間で作るものとは思っていなかったと振り返っている[4]。 当時のオムニバスは制作業務と演出をこなす必要があったため、千葉繁が音響監督を務めた『クマのプー太郎』(1995年)で制作アシスタントとして参加した[注釈 1][4]。 それから1年後の1996年、『ハーメルンのバイオリン弾き』で音響監督としてのデビューを果たした[4]。 2003年のOVA『 とらいあんぐるハート 〜Sweet Songs Forever〜』で監督の新房昭之と出会ったことは亀山にとって転機となり、その流れで翌年放送されたテレビアニメ『魔法少女リリカルなのは』にも参加した[4]。以来、新房の監督作品の多くで音響監督を務めてきた[4]。 2010年に独立し、音響制作を主とする一般社団法人グルーヴ(のちに株式会社ビットグルーヴプロモーションへと改編)、および芸能プロダクションのアプトプロ株式会社を設立した[4]。 製作委員会方式での出資により、『のんのんびより』シリーズなどの一部作品では企画としてもクレジットされている[4]。 『RED GARDEN』では声優出演も果たしている(ブラザーA役)。 人物
仕事に対する考え方亀山は影響を受けた作品の一つとして、映画『サルバドル/遥かなる日々』を挙げており、ビデオだけでなくシナリオも購入し、どこから音楽が入るか暗唱できるくらいたくさん見たと「アキバ総研」とのインタビューの中で語っている[5]。 のちに師事する斯波重治が音響監督を務めた『ドカベン』も見ており、見ていた当時は弟子入りするとは思っていなかったとも話している[5]。また、斯波からはアフレコの7割はキャスティングで決まるため、自分たちができるのは残りの3割だということを教わり、画面を通して視聴者に伝わるような「力のある」セリフを録りたいという気持ちになったと亀山はインタビューの中で話している。斯波の「音響監督」に対する考え方に倣い、亀山自身初の音響監督作品である『ハーメルンのバイオリン弾き』では「録音演出」とした[5]。 声優兼音響監督の千葉繁もまた亀山に影響を与えた一人である。亀山が音響監督としてデビューする前、千葉が音響監督を務めた作品に立ち会う形で指導を受けていたほか、『ハーメルンのバイオリン弾き』の初回でも一緒にいた[5]。
アフレコについては「セリフの活きがいいうちに録り切る」という方針を持っており、これは収録を繰り返すうちにセリフが陳腐化するのを防ぐためであり、テストテイクを多用することもあったという[5]。 アフレコにかかる時間は短く、たとえばベテラン声優の多い『 3月のライオン』は2時間程度で終わるのに対し、新人声優が多く出演する場合は4・5時間かかることもあった[5]。 一方、『艦隊これくしょん -艦これ-』は兼ね役が多かったため、どの程度の音程で演技していたのかを確認するため、演者に自分の声を聞かせたうえでアフレコに移行した[7]。また、アフレコにおいてはAパートをまとめて収録したのち、Bパートをまとめて収録するという方法が一般的だったが、同作ではシーン単位での収録が行われた[7]。 効果音作成に際しては、決まりの音のイメージを効果音の制作者に伝えて発注するケースが多いとしている[7]。悲鳴など、絵コンテ側の対応が必要な場合は音を先行させてシーンをつなげる場合もある[7]。また、視聴者の耳を誘導するためにあえて他の音を消す場合もある。たとえば画面奥で重要な演説が行われている中で、画面手前の聴衆のマントがはためいている場合、後者の音を消し、視覚表現で代用する[7]。ロケーションで録音した音の使用方法はケースバイケースであり、エンジン音のように極めて大きい音はそのまま使える一方、小さな音だと無関係の環境音まで拾ってしまうため、録音した音をイメージとして伝える場合もあった[7]。また、作画上の都合で生音が使えなかった例もあった。たとえば『つうかあ』のカウルをはめる場面の効果音の場合、作画上の手順が現実の手順とは異なっていたため、似たような音で対応した[7]。 参加作品特記のない限り全て音響監督としての活動。 テレビアニメ
劇場アニメ
OVA
Webアニメ
実写映画
執筆活動『スノーマン』の翻訳、『あぶない刑事リターンズ』のノベライズなどを手がけている。 翻訳作品
編著作品
脚注注釈
出典
外部リンク |
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