吉田圭秀

吉田よしだ 圭秀よしひで
Yoshihide Yoshida
2023年3月撮影
生誕 (1962-10-30) 1962年10月30日(62歳)
日本の旗 日本 東京都
所属組織 陸上自衛隊
軍歴 1986年 - 2025年
最終階級 統合幕僚長たる陸将
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吉田 圭秀(よしだ よしひで、1962年昭和37年〉10月30日[1] - )は、日本陸上自衛官第8師団長北部方面総監陸上総隊司令官、第38代陸上幕僚長を経て、第7代統合幕僚長

経歴

陸上幕僚長時代の吉田陸将
バーガー米海兵隊総司令官と吉田陸幕長
米国政府より勲功勲章を授与された吉田陸幕長
離任式において見送りを受ける吉田統幕長

東京都出身。筑波大学附属駒場高等学校を経て[2][3]、1986年3月[1]東京大学工学部都市工学科を卒業[4][5]。同年3月陸上自衛隊入隊[1]。1佐までの職種は普通科

2017年8月8日、陸将に昇任し、第8師団長となる[6]

2019年8月23日、第38代北部方面総監に就任[7]。統率方針は「先進作戦集団として使命を完遂する」、要望事項は「一、国を守る気概、一、即動・強靭、一、チーム北海道[5]

2020年4月15日、第4代陸上総隊司令官就任[8]。統率方針は「戦略の具現と作戦の完遂」[4]

2021年3月26日に第38代陸上幕僚長に就任。昭和末期から平成初頭にかけての旧軍出身者(陸士海兵)と防衛大学校出身者との間を埋める目的であったものを含めれば、一般大学卒業者からの幕僚長就任は33年ぶり(実質的には初)、内閣官房内閣審議官(国家安全保障局)経験者、陸上総隊司令官経験者としては初となる。

2023年3月22日の閣議において、3月30日付をもって統合幕僚長に任命する旨の人事が了承・発令された[9][10]。制服組トップの統合幕僚長に防衛大学校の出身者以外が起用されるのは初[9]

2024年2月15日、過労のため自衛隊中央病院に入院した[11]。同月27日に退院した後も自宅療養を続けていたが[12]、3月11日に公務復帰した[13]

同年10月30日に6か月間の定年延長がなされ、2025年4月30日に引き続き1年間の定年延長がなされたが、2025年7月15日の閣議において同年8月1日をもって退職する旨の人事が了承・発令された[14][15]。任期を半年以上残しての交代であるが本人の意向があるとされている[14]

2025年8月1日に退官[16]。陸上幕僚長として国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定にも携わり、統合幕僚長在任期間中は北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイルの発射や、能登半島地震などの大規模災害への対応にあたったほか、印象的な出来事の一つとして、2025年3月の「統合作戦司令部」創設を挙げた。陸海空自を束ねる統合幕僚監部が2006年に創設されて以来の大規模な組織改編に、定年を延長して尽力した[17]。退任にあたって「『わが国』を主語に主体的、自律的に活動してほしい」と後輩たちにエールを残した[17]

人物

  • 大学生時代、国の仕事をしたいと就職先を模索していた所、当時の総合安全保障研究のレポートを目にして「これは大事なことだ、こんな分野の仕事がしたい」という想いが強くなったことがきっかけで、陸上自衛隊に入隊、陸上自衛隊幹部候補生学校に入校した[18]
  • 原隊の第26普通科連隊では現場経験のない中、第1中隊小銃小隊長として30人の年上の部下たちに支えられながら成長していったという。特に、陸曹たちが若い幹部を育てるという気風があり、公私共に助けを受けた。この3年半の経験を通じて、隊員との絆の大切さを学び、それが現在の仕事の原動力となっているとインタビューに答えている[19]
  • 座右の書を、「総合安全保障戦略(総合安全保障研究グループ著)」、「失敗の本質戸部良一ほか著)」としている[20]

年表

基本的な出典[1]

栄典

  • レジオン・オブ・メリット・オフィサー -2014年(平成24年)3月4日
  • レジオン・オブ・メリット・コマンダー - 2022年(令和4年)4月5日[24]
  • オフィサー・オブ・ジ・オーダー・オブ・オーストラリア - 2024年(令和6年)12月14日
  • レジオンドヌール勲章・オフィシエ - 2024年(令和6年)12月17日
  • オランダ・メダル・オブ・メリット・イン・ゴールド - 2025年(令和7年)5月16日[要出典]

脚注

  1. ^ a b c d “吉田圭秀 北部方面総監の略歴→令和2年4月15日付で陸上総隊司令官に任命された。” (PDF). 山中理司. 2020年9月29日閲覧.
  2. ^ “初の一般大卒幕僚長、東大出身・吉田圭秀陸将の流儀 政治ジャーナリスト田村玲子氏寄稿”. iZa. 2021年4月13日閲覧.
  3. ^ “facebook”. 2021年1月9日閲覧.
  4. ^ a b c d e f g h i j k l m “司令官紹介”. 陸上総隊. 2021年1月5日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2020年9月29日閲覧.
  5. ^ a b “北部方面隊北部方面総監プロフィール”. 北部方面隊. 2019年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ. 2020年9月29日閲覧.
  6. ^ a b “防衛省発令平成29年8月8日” (PDF). 防衛省. 2020年12月1日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ. 2020年9月29日閲覧.
  7. ^ a b “防衛省発令令和元年8月8日(8月23日付)” (PDF). 防衛省. 2021年1月4日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ. 2020年9月29日閲覧.
  8. ^ a b “防衛省発令令和2年4月10日(4月15日付)” (PDF). 防衛省. 2021年1月4日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ. 2020年9月29日閲覧.
  9. ^ a b 自衛隊 統合幕僚長に吉田圭秀氏 防衛大出身者以外の起用は初”. NHK NEWS WEB (2023年3月22日). 2023年3月22日閲覧。
  10. ^ 防衛省発令(将人事)(2023年3月30日付)
  11. ^ “吉田圭秀統合幕僚長が過労で入院、復帰時期は未定 防衛省制服組トップ”. 産経新聞. (2024年2月15日). https://www.sankei.com/article/20240215-Z6PMWZMHYVICJOXBPA3ZUUBH4Q/ 2025年4月6日閲覧。 
  12. ^ “防衛省制服組トップが退院 過労、自宅で静養 職場復帰の時期未定”. 産経新聞. (2024年2月28日). https://www.sankei.com/article/20240228-C4EGZZFXDVKHPD2D27D7S2CXEM/ 2025年4月6日閲覧。 
  13. ^ “(#政官界ファイル)吉田統合幕僚長が公務復帰”. 朝日新聞. (2024年3月12日). https://www.asahi.com/sp/articles/DA3S15884644.html 2025年4月6日閲覧。 
  14. ^ a b 吉田圭秀・統幕長が退任、任期半年以上残し 後任は内倉浩昭・空幕長”. 朝日新聞 (2025年7月15日). 2025年7月15日閲覧。
  15. ^ a b 防衛省発令(将人事)(2025年8月1日付)
  16. ^ 防衛省統合幕僚監部 [@jointstaffpa] (1 August 2025). “吉田圭秀統合幕僚長 は、8月1日、離任式を滞りなく終了し、39年4か月の自衛官勤務を終えました。”. X(旧Twitter)より2025年8月2日閲覧.
  17. ^ a b “「官舎で慟哭した」 “異色”の吉田統幕長が退任、最後に語ったこと”. 毎日新聞. (2025年8月2日). https://mainichi.jp/articles/20250802/k00/00m/040/024000c 2025年8月2日閲覧。 
  18. ^ 第4代 陸上総隊司令官 陸将 吉田圭秀 スペシャルインタビュー【自衛隊応援クラブ第29号】”. 自衛隊応援クラブ. 2024年6月19日閲覧。
  19. ^ 第4代 陸上総隊司令官 陸将 吉田圭秀 スペシャルインタビュー【自衛隊応援クラブ第29号】”. 自衛隊応援クラブ. 2024年6月19日閲覧。
  20. ^ 統合幕僚長 吉田圭秀氏 国を守る視座高める”. 日本経済新聞 (2025年7月5日). 2025年7月4日閲覧。
  21. ^ “防衛省発令平成27年8月4日(5頁)” (PDF). 防衛省. 2020年12月1日時点のオリジナル (PDF)よりアーカイブ. 2020年9月29日閲覧.
  22. ^ “防衛省発令令和3年3月12日(3月26日付)” (PDF). 防衛省. 2021年4月13日閲覧.
  23. ^ “防衛省人事 陸幕長に吉田総隊司令官”. 朝雲新聞. (2018年3月18日). オリジナルの2020年3月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210323005403/http://www.asagumo-news.com/homepage/htdocs/news/newsflash/202103/210318/21031801.html 2021年3月23日閲覧。  {{cite news}}: |archive-date=|archive-url=の日付が異なります。(もしかして:2021年3月23日) (説明)CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)
  24. ^ a b 陸上自衛隊 [@JGSDF_pr] (7 April 2022). “吉田陸幕長は、陸幕長としてのこれまでの功績に対して米国政府より勲功勲章を授与されました。”. X(旧Twitter)より2022年4月21日閲覧.
  25. ^ 防衛省発令(将人事)2024年10月30日 (PDF)
  26. ^ フランス大使館 [@ambafrancejp_jp] (17 December 2024). “フランス海軍のギヨーム・パンジェ少将・太平洋管区統合司令官は、12月17日、在日フランス大使公邸において、吉田圭秀統合幕僚長にレジオン・ドヌール勲章オフィシエ章を授与しました。”. X(旧Twitter)より2024年12月17日閲覧.
  27. ^ 防衛省発令(将人事)2025年4月30日 (PDF)

外部リンク

軍職
先代
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