君と旅立とう
「君と旅立とう」(きみとたびだとう、 1995年2月にサンレモ音楽祭で初めて歌われ、同年春に発売のセカンド・アルバム『ボチェッリ』に初収録された。作詞はルーチョ・クアラントット、作曲はフランチェスコ・サルトーリで、その後「生きる」をカップリング曲としてシングル発売されている。この時の音楽チャートで1位を記録した国のうち、フランスでは歴代最多販売枚数の100位圏内に入り、ベルギーでは歴代最多販売枚数1位を記録した。 そしてこの曲の知名度を広く上げたのが、1996年にイギリスのソプラノ歌手サラ・ブライトマンがボチェッリにデュエットを申し出て、曲名及び歌詞の一部をイタリア語から英語の「タイム・トゥ・セイ・グッバイ(英: Time To Say Goodbye)」に変更し、共演したことである。これがヨーロッパ全土で爆発的にヒットし、ドイツでは歴代最多販売枚数を記録した[1][2]ほか、全世界で1200万枚以上を販売し世界歴代最多販売作品の一枚となった[3][4]。 その後ボチェッリはこの曲の全編スペイン語歌詞による「ポル・ティ・ヴォラーレ(西: Por ti volaré)」を発売し、前述のオリジナル曲「君と旅立とう」及び「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」と並んでこれら3バージョンはボチェッリの代表曲となっている[5]。 ブライトマンもこの曲のソロバージョン、全編英語詞の「Time To Say Goodbye」をリリースしている。 来歴シングル発売当初、本国イタリアでは音楽番組でわずかに流される程度で、商業的には必ずしも大ヒットと言えない状況であった。一方、ヨーロッパ他国では大きな反響を呼び、フランスとスイスでは6週連続1位、ベルギーでは12週連続1位を記録しベルギー史上最大の爆発的ヒット曲となった[6]。 ブライトマンの友人で、ドイツの国民的英雄でもあるボクサー、ヘンリー・マスケのヴァージル・ヒルとの引退試合が1996年11月23日に行われた際、試合前にリング上のステージで初めて2人によって歌われ(演奏はロンドン交響楽団による録音)、マスケの退場時もこの曲が流された。その模様はテレビ放送で2100万人以上と言われる視聴者が観ていたこともあり、直後の12月に発売されたシングルはドイツのヒットチャートで14週連続1位となった。 結果的に、シングルが1500万枚、アルバムを含めて2500万枚という世界的大ヒットになり、ブライトマンの収録アルバム『タイム』が『タイム・トゥ・セイ・グッバイ』に変更になったほか、次作『クエスチョン・オブ・オナー』にも収録されるなど、プロモーション面でも様々な影響を及ぼした。以後も多くのアーティストにより歌われている。 解説ボレロ風のリズムに支えられたオーケストラ伴奏とオペラ唱法による荘厳雄大な旋律がエネルギーの充溢を感じさせる力強い曲である。 イタリア語の原題「コン・テ・パルティロ」(伊: Con Te Partirò = 英: With you I am going to leave, I will leave ではない)とは、日本語題の「君と旅立とう」が表す通り、「君とともに(ぼくは)旅立つ」という意味で、英語の「グッバイ」というタイトルが示すような別れの歌ではなく旅立ちの歌である。したがって、結婚式で歌われることも多い。ドイツではカレル・ゴットが歌った Zeit zu geh'n(「出発の時」の意)のタイトルで知られている。 評価イギリスの雑誌『ミュージック・ウィーク』は、デュエット・バージョンを5点満点中5点と評価し、「シングル・オブ・ザ・ウィーク」に選んだ[7]。 また、「ほとんどがイタリア語で歌われ、美しく高らかなメロディが真のネッスン・ドルマの可能性を与えている」と付け加えた[7]。 主題歌・挿入歌としての使用アメリカ映画『ウォンテッド』では、主役のウェズリー(ジェームズ・マカヴォイ)がフォックス(アンジェリーナ・ジョリー)とリムジンに乗った男を殺害するシーンで流される。同作のエンドロールには「Time To Say Goodbye」Sarah Brightman、Andrea Bocelliとクレジットされている。 アメリカのアニメ映画『マダガスカル3』では、キツネザルのキング・ジュリアンとクマのソーニャがローマでデートをするシーンで流される。 韓国の配信ドラマ『イカゲーム』のシーズン2では、第1話においてコン・ユ演じるメンコ男がイ・ジョンジェ演じるソン・ギフンとロシアンルーレットゲームをするシーンで流される。 日本ではドラマ『外交官 黒田康作』および同ドラマの劇場版『アマルフィ 女神の報酬』で主題歌として使われた(なお映画版では、サラ・ブライトマン本人が出演している)。また、人気メダル競馬ゲームであるSTARHORSE2内のSWBCというビッグレースで使われている曲であるため、ゲームファンや競馬ファンにも親しまれている。 クレジット
カバー
チャート・認定
脚注
外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia