国家資格フレームワーク(こっかしかくフレームワーク、National Qualifications Framework、NQF)は、国家による公式な学位・資格レベル認定制度であり、ボローニャ・プロセスに参加する47カ国はこれを制定することとされている。
世界においては142カ国がNQFを導入ないし導入検討している[1]。EU圏内では2014年度中に、加盟するすべての国でNQFが整備される予定であり、欧州職業訓練開発センター(CEDEFOP)が欧州各国の一覧を集約している[1]。日本とアメリカでは策定されてはいない[1]。
欧州
欧州資格フレームワーク(EQF)が定義され、各国のNQFについてEQFとの互換性を制定する作業が進んでいる[1][2]。EQFはレベル1-8までが存在している[2]。
アイルランド
アイルランドでは、National Framework of Qualifications (NFQ)が公式な資格フレームワークとして定められている。
National Framework of Qualifications (NFQ)
EQF レベル
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EHEAサイクル
|
NFQ レベル
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主な称号
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1
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N/A
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1
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レベル1 サーティフィケート
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2
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レベル2 サーティフィケート
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2
|
3
|
レベル3 サーティフィケート Junior サーティフィケート
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3
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4
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レベル4 サーティフィケート Leaving サーティフィケート
|
4
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5
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レベル5 サーティフィケート Leaving サーティフィケート
|
5
|
6
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アドバンスド・サーティフィケート
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Short cycle within 1st
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高等サーティフィケート
|
6
|
1st
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7
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普通学士号
|
8
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名誉学士号、高等ディプロマ
|
7
|
2nd
|
9
|
修士、ポストグラデュエート・ディプロマ
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8
|
3rd
|
10
|
博士、高等博士(Higher Doctorate)
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イギリス
イギリスでは、かつては英国資格フレームワーク(National Qualifications Framework、NQF)が定められており、イングランド、ウェールズ、北アイルランドにて適用されている。NQFは9レベルに分類され、中等教育、継続教育、高等教育が含まれている[3]。
2010年、NQFはQualifications and Credit Framework(QCF)に発展的に移行した[3][2]。
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レベル8 | |
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レベル7 | |
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レベル6 | |
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レベル5 | |
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レベル4 | |
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レベル3 | |
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レベル2 | |
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レベル1 | |
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入門 | |
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イギリスの教育 / *一部のみがそのレベルに認定 |
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レベル8 | |
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レベル7 | |
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レベル6 | |
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レベル5 | |
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レベル4 | |
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レベル3 | |
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レベル2 | |
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レベル1 | |
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入門レベル3 | |
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それぞれ高等教育資格フレームワーク(Framework for Higher Education Qualifications, FHEQ)との互換性は以下の通り[3]。
- NQFレベル8 - FHEQ レベルD(博士)
- NQFレベル7 - FHEQ レベルM(修士)
- NQFレベル6 - FHEQ レベルH(学士)
スコットランド
スコットランドでは、12レベルあるScottish Credit and Qualifications Framework(SCQF)が定められている。
イタリア
イタリアでは、欧州資格フレームワーク(EQF)が定義されている[4]。
イタリアのEQFマッピング
EQFレベル |
内容
|
8 |
研究博士、専門ディプロマ、大学第二修士、学術専門ディプロマ、高等専門ディプロマ
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7 |
修士、学術第二ディプロマ、大学第一修士、学術専門ディプロマ、高等専門ディプロマ
|
6 |
学士、学術第一ディプロマ
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5 |
高等技術教育ディプロマ
|
4 |
専門技術士ディプロマ、後期中等教育ディプロマ(一般/技術/職業)、高等専門サーティフィケート
|
3 |
専門オペレータサーティフィケート
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2 |
義務教育サーティフィケート
|
1 |
前期中等教育修了ディプロマ
|
フランス
フランスでは異なる資格の互換性は、フランス政府管理下である国家職業資格委員会(フランス語版)(CNCP)が所管している。
ドイツ
ドイツでは、ドイツ資格フレームワーク(ドイツ語版)(DQR)が策定されている。
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レベル8 | |
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レベル7 |
- 修士/マギステル/ディプローム(ユニバーシティー)
- IT戦略スペシャリスト
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レベル6 | |
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レベル5 | |
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レベル4 | |
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レベル3 | |
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レベル1-2 | |
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関連:ドイツの教育 |
ポルトガル
ポルトガル国家資格フレームワーク[5]
EQF/NQFレベル |
認定
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8 |
博士
|
7 |
修士
|
6 |
学士
|
5 |
職業技術ディプロマ
|
4 |
中等教育レベル職業サーティフィケート 中等教育および徒弟教育(6ヶ月以上)
|
3 |
中等教育
|
2 |
基礎教育第3サイクル 基礎教育第3サイクル職業サーティフィケート
|
1 |
基礎教育第2サイクル
|
スウェーデン
デンマーク
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レベル8 | |
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レベル7 | |
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レベル6 | |
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レベル5 | |
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レベル4 | |
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レベル3 | |
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レベル1-2 | |
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関連:デンマークの教育 |
オセアニア
オーストラリア
オーストラリアでは、豪州資格フレームワーク(Australian Qualifications Framework, AQF)が国家として定める資格フレームワークである[7][2]。
豪州資格フレームワーク(AQF)
AQFレベル |
認定 |
所要年数
|
レベル10
|
博士 |
3-4年間
|
レベル9
|
- 修士 (extended)
- 修士 (coursework)
- 修士 (research)
|
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レベル8
|
|
|
レベル7
|
学士 |
3-4年
|
レベル6
|
|
|
レベル5
|
ディプロマ (Diploma) |
1-2年
|
レベル4
|
サーティフィケート IV |
1年
|
レベル3
|
サーティフィケート III |
6ヶ月
|
レベル2
|
サーティフィケート II |
|
レベル1
|
サーティフィケート I |
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ニュージーランド
ニュージーランドでは、New Zealand Qualifications Frameworkが定められている。
出典
関連項目
外部リンク