多発性嚢胞腎
多発性嚢胞腎(たはつせいのうほうじん、英: Polycystic kidney disease, PKD)は、両側の腎臓に多発性の嚢胞が生じて慢性腎不全を生じる遺伝性疾患。 両方の腎臓にできた多発性の嚢胞が徐々に大きくなり進行性に腎機能が低下する最も頻度の高い遺伝性腎疾患。
主な症状左右の腎臓が数年かけて水分が溜まり、膨張して次第に妊娠したように大きく膨張しつづけ他の臓器を圧迫するようになる。 発症が確認できる多くは30歳代から。ごく少数に20歳代から確認できる場合もある。 高血圧症は20歳代から発症する場合が多い。
自覚症状肉眼的血尿(31%)、側腹部・背部痛(30%)、易疲労感(9%)、腹部腫瘤(8%)、発熱(7%)、浮腫(6%)、頭痛(5%)、嘔気(5%)、腹部膨満(4%)、近親者に多発性嚢胞腎患者がいる等の要因(11%)。 原因遺伝子ADPKDの原因遺伝子は2つ(PKD1、PKD2)、各々蛋白としてPolycystin 1とPolycystin 2をコード。ADPKD患者の約85%がPKD1の遺伝子変異が原因、残り約15%ではPKD2遺伝子変異が原因。PKD1はPKD2より一般に臨床症状が重い、同じ家系でも個人差が大きい。ARPKDの原因遺伝子は1つ(PKHD1)、Fibrocystin、Polyductinをコード。 病気の遺伝子が常染色体に存在し、優性遺伝し常染色体優性遺伝する。ADPKDは、両親のどちらかが病気を持っている場合、子に病気が遺伝する可能性がある。子供が病気の遺伝子を受け継ぐ確率は50%。 治療法現在、根本的治療法は無い。腎機能保護を目的とした保存的治療である。 進行を抑制する選択的競合的バソプレシン受容体拮抗薬のサムスカ(トルバプタン)の投与、人工透析、腎移植、腎動脈塞栓療法(TAE)が一般的である。 指定難病多発性嚢胞腎(指定難病67) 厚生労働省により平成27年1月1日より施行 種類以下の2つに分類される。
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