ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群(ネフローゼしょうこうぐん、英: Nephrotic syndrome)は、高度の蛋白尿により低蛋白血症を来す腎臓疾患群の総称である。 概要低蛋白血症、高度な蛋白尿、浮腫(眼瞼や下肢)を主な症状とし、病理学的には糸球体基底膜の透過の亢進を一次的異常として認める。時に脂質異常症も合併する。ネフローゼ症候群は元来病理学的な概念であり、腎炎=nephritisと異なり、炎症性の変化(炎症細胞浸潤など)がみられないものの総称として提唱された。若年層(特に幼少期では男子)に多く発症するが、30代の男女の発症例も多数報告されている。
ネフローゼ症候群は、原発性糸球体疾患に起因する一次性ネフローゼ症候群と続発性糸球体疾患による二次性ネフローゼ症候群に分類される。
種類
症状上記の主症状以外にも、強度の全身倦怠感、皮膚の蒼白化や無気力、食欲不振、腹水・胸水・血尿等をみる。タンパクを尿中に排泄してしまう濾過障害の原因は、主に、腎臓の糸球体にあり、この部位に何らかの原因で、透過性が亢進することによって、本症を惹起すると考えられている。主に、アルブミンなどの血中タンパクが排泄されるため、血中タンパクが減少し、血漿膠質浸透圧が低下する。このため、全身に浮腫を形成する傾向が現れる。また、尿中タンパクが増大するため、尿の浸透圧が増大し、尿細管における水の再吸収が抑制され、一過性に利尿傾向となる。なお、この遺失タンパク分を肝臓が補完しようとするため、肝臓が、アルブミンの合成を開始するが、同時にLDLのようなコレステロール運搬タンパクも合成してしまうため、本症のような腎臓疾患の罹患者では、高頻度に脂質異常症の状態をみることがある。長期の利尿期間を経て、腎臓の病態が改善されず、高度に腎不全の状態を呈し始める時期には、乏尿となる。 検査
診断基準
治療
参考資料
関連項目 |
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