学校法人武蔵野東学園
学校法人武蔵野東学園(がっこうほうじんむさしのひがしがくえん)は、東京都武蔵野市にある学校法人。健常児のほか、自閉症の生徒・児童・園児を積極的に受け入れている。1964年(昭和39年)設立。 概要
設置学校・施設
姉妹校沿革
教育自閉症児教育学園の特徴的な取組みとして、混合教育と呼ばれるインクルーシブ教育を行っていることが挙げられる。これは創立者の北原キヨが確立したもので、その根幹は、健常児と自閉症児が同じ建物内で生活を共にしながら教育を受けることにある。これにより、健常児には他者への思いやりの心を育む機会が提供され、自閉症児には他者の存在に関心を持つきっかけとなる刺激が健常児からもたらされる。合わせて、自閉症児に対する社会自立に向けた教育法として、生活療法と名付けた手法を実践している。生活療法では、「体力づくり」「心づくり」「知的開発」を3つの柱としている。これは、体力づくりを通して生活リズムを整えさせることで心づくりの前提となる情緒の安定や聞き分ける力の獲得を図り、それによって生まれる協調性と自発性を活用して知的開発を行うというものである。[5]。 自閉症児のための学級を設けつつも、日常生活を健常児と共に過ごす仕組みは、通常の学校における特別支援学級に近いものであるが、武蔵野東学園では義務教育段階の児童生徒の約3分の1が自閉症児[6]であり、通常の小中学校と比較するとかなり高い割合を占めていて[注釈 1]、健常児と自閉症児が関わる機会が格段に多くなっている。 このような自閉症児教育を学園外の児童生徒に対しても行えるよう、学園は2006年に武蔵野東教育センターの本格運営を開始した。年間を通じて行われる年間型療育プログラムと、長期休み期間に行われる季節特別プログラムを中心に自閉症児教育を実施していて、2016年5月現在での登録児童数は604人となるなど、多くの児童を受け入れていた[8]が、2024年12月末をもって運営を終了している。 これらの取組みは海外でも評価されており、1987年にはアメリカ合衆国のボストンにボストン東スクール(Boston Higashi school)を開校。同校は1995年に全米特殊教育認定委員会から7番目の優良校の認定を受けている。[8] 4代目理事長及び学園と生徒及び保護者とのトラブル2023年4月のこども基本法施行を受け、学園では校則の見直しに着手し、生徒を集めて校則緩和の会議を実施するなどしていた[9]。2024年1月に武蔵野東高等専修学校で行われた校則見直し会議において、当時の副理事長が校則全廃の方針を示したところ、それに複数の生徒が反対した。その反対意見を遮る形で副理事長が発言したことから、別の生徒が副理事長に注意したところ、会議の翌日に副理事長への注意に関する謝罪文を提出するよう校長から求められた[10]。謝罪文の提出を求められた際に、提出しなければ退学勧告をするという趣旨の説明があったとされたことなどから、複数の保護者が「武蔵野東学園を守る会」を結成し、当該副理事長の理事退任を要請する署名活動を実施する事態となった。なお、学園側は上記の事態については、事実誤認があるとしている。当該副理事長は2月に4代目の理事長に就任した。当該生徒は謝罪文の提出は不本意であったとして、6月に理事長を強要容疑で刑事告訴した。2025年1月に当該生徒は退学処分となったが、生徒側から地位保全の仮処分の申立てを受けた東京地裁立川支部が和解を勧告。2月に生徒側と学園側との間で和解が成立し、退学処分は取り消されている[11][12]。なお、刑事告訴された理事長は、その後3月に不起訴処分となっている[13]。4月に学園は「武蔵野東学園を守る会」のメンバー及び理事長を刑事告訴した生徒とその保護者、週刊文春の記者を相手取り、その実名を公表した上で、総額7億2572万円(うち3300万円は理事長の損害賠償額)の損害賠償請求訴訟を起こした[14][15]。 関連項目脚注注釈出典
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