小人 (中国の伝説)![]() ![]() 小人(しょうじん)は中国に伝わる伝説上の人種である。靖人(せいじん)短人(たんじん)鶴国(かくこく)とも称され、東方の海にある島に住んでいるとされる。 概説古代中国の地理書『山海経』の大荒東経によると、小人国は東の海の果てにあり、靖人とも呼ばれるとある。 類書である王圻『三才図会』では、小人たちは海にある島に住んでいるとされる。この地域にはツルのような鳥がおり、小人たちは単独で行動をしていたりするとそれに呑み込まれて捕食されてしまうという。そのため、常に群れて行動をしているとされる。日本の『和漢三才図会』や奈良絵本『異国物語』などでも、その呼称と解説とが使われている。また、小人が絵画に描かれる場合、この「鳥に食べられてしまう」という伝説から、ツルなどの鳥類が同じ画面内に描かれることが多い。『神異経』には鶴国(かくこく)という呼び方が見られ、彼らも気をつけていないと海鳥に食べられてしまうが、寿命は300年ほどあるとされ、鳥の体内でも生きてはいると記されている[1]。小人たちは手先が器用であるとも言われており、『竹書紀年』という書物には、古代中国の帝・堯(ぎょう)に対して小人たちが「没羽」(ぼつう)という矢をいくつか作り、献上したことがあったとされる[2]。 日本でも、上記のような中国の書物で伝えられていた小人国の存在が知識として直接もたらされている。一般的には「こびと」という呼称が用いられており、海をへだてた小人島(こびとじま)に住んでいるとされている。『頭書増補訓蒙図彙大成』(1789年)でも、小人国(しょうじんごく)という表示に対して「こびとじま」という日本語を併記している[3]。 菌人『山海経』の大荒南経には、菌人(きんじん)という小人たちが住んでいると記されている[4][2]。 焦僥人『山海経』の大荒南経には、焦僥、僬僥(しょうぎょう)[5]、海外南経には周饒(しゅうじょう)[6]と呼ばれる小人たちが住んでいると記されている。焦僥・周饒はともに「侏儒」(しゅじゅ)という言葉が変化したものであり、「小人」ということを示す同一の呼び名であると考えられている。この事から焦僥人と周饒人は同一のものであると見られる[2]。『外国図』には、焦僥人たちは強い風に吹かれると飛ばされてしまうことがあったと描写されており、強風が吹くと体をしっかり伏せてこれをまぬがれているという[1]。 広延人『拾遺記』には、広延(こうえん)という国に小人たちが住んでいると記されている[1]。 巨霊『漢武故事』には、巨霊(きょれい)という身の丈7寸の小人が東から遣わされてきたという記事がある[1]。 小人の登場する作品
脚注
参考文献
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