川の深さは
『川の深さは』(かわのふかさは、How Deep is Your River, Mr. Guard?)は、2000年に発表された福井晴敏による日本の小説。 概要単行本は2000年9月に刊行[1]。本作は元々第43回江戸川乱歩賞の応募作であり、選考会で大きな話題を集め大沢在昌の絶賛を受けるも、落選した[2](受賞したのは野沢尚の『破線のマリス』)。その後福井は『Twelve Y. O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞[3]しデビューしたものの、本作が修正・改訂の上で講談社から単行本が刊行されたのは『亡国のイージス』刊行後になった。文庫版は2003年8月刊行[4]。なお単行本、文庫本ともに表紙には日本語タイトルの他に、英語で『How Deep is Your River, Mr. Guard?』というタイトルが掲げられている[1][4]。 福井にとっては、この作品が本来の処女作となったこともあるのだろうが、作品内に『Twelve Y. O.』『亡国のイージス』『Op.ローズダスト』へと繋がる舞台設定の土台(『Twelve Y. O.』や『人類資金』に登場するコンピュータウイルス、その後の作品のストーリーに大きく関わる防衛庁情報局のいきさつなど)を見て取ることができる。登場人物も、本作と『Twelve Y. O.』と『亡国のイージス』で一部がリンクしている。なお文庫化に際して若干の加筆が行われ、『Twelve Y. O.』へと繋がる部分が明確にされた。 2001年度『このミステリーがすごい!』ランキング第10位。 あらすじ「彼女を守る。それがおれの任務だ」、そう言う傷だらけの少年。彼をかくまった元警官は、彼との交流を進めるうちに「底なしの川」に巻き込まれていく。その中で元警官はこの国の暗部を目にしつつ、かつて持っていたが現在失っていた熱いものを取り戻していく。 登場人物
朝高サンド葵が作る手軽なジャンクフードである「朝高サンド」は、反骨精神からアメリカのハンバーガーを食べない朝鮮高級学校の生徒らが発案したとされている。 本作の読者を中心に広がりをみせ、SNSやブログなどでは書評とともにレシピや食レポが投稿されるケースが多い。作り方は、作中によると「食パンにマヨネーズを塗り、砕いたガーリック味のポテトチップスとベーコンを乗せてトースターで焼く」という簡単なものだが、ポテトチップスの味をガーリック以外の味でアレンジするなど、独自の広がりを見せている。 他作品との繋がり
刊行一覧
脚注出典
関連項目外部リンク『川の深さは』(福井 晴敏) - 講談社BOOK倶楽部. 講談社 |
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