帝王編年記

帝王編年記/歴代編年集成

編集者 永祐
日本の旗 日本
言語 漢文
分野 皇代記
出版日 1364年 - 1380年
巻数 27巻または30巻 (書籍一覧)

帝王編年記』(ていおうへんねんき)または『歴代編年集成』(れきだいへんねんしゅうせい)は南北朝時代に成立した神代から後伏見天皇代までの年代記。『新訂増補国史大系』第12巻所収。

概要

本作は現在27巻からなり、日本以外にもインド中国、すなわち三国の歴史や仏教の歴史を扱う年代記である[1]。内容的には巻3以降は天皇ごとに即位前記→即位記事と仏滅起源・中国暦との対応→年代記→皇太子・皇子女・斎王・後宮・要職者の名簿で構成される[2]。これらは「群書類従本「皇代記」系統に属する年代記を基盤に、『皇帝紀抄』を最も主要な材料として」(平田俊春)いると考えらている[3]。なお、本作では神武天皇元年(参考:紀元前660年)を僖王3年(紀元前679年)としている[4]。また興味深いことに、孝元天皇部から舒明天皇部で、皇太子を「太子」と書いており、皇太子号の変化の認識を示しているのかもしれない[3]

本作の序によれば、「釈門の逸才」たる自分が既存の「帝王編年の書」は「未だその機要を撮っていない」として書いた年代記であり「録して27巻」「号して帝王編年記」としたという。なお、「録して30巻」「号して歴代編年集成」となっているバージョンもある[5]。さらに「尊経閣文庫本」全6冊には「七帖之内」や「第七巻欠」の記載があり、本来は30巻が正しいかもしれない[6]

同じく「尊経閣文庫本」の識語から釈永祐撰とわかるが[7]、永祐については杳として知れない[8]。また写本は近世のものしか知られず[6]、本作の存在を同時代記録から知ることもできない[9]。一応、成立年代は光厳天皇を光厳院、光明天皇法皇と呼んでいるため、光厳崩御後から光明崩御前(1364年 - 1380年)とされる[10]。さらに巻第1冒頭に「震旦三皇大元」とあるため元の大都放棄(1368年)以前とも言われる[11]

評価

六国史等を材料とした簡略なる編年史であって序文に讃美して居る如きものではないが、後世散亡した史料に拠ったと思わるる記事があって往往正史の欠を補う所あることも亦扶桑略記と似ている。

内容

巻第1 天神七代地神五代三皇五帝伏羲神農黄帝少昊顓頊
巻第2 三王(
巻3 神武天皇綏靖天皇安寧天皇懿徳天皇孝昭天皇孝安天皇孝霊天皇孝元天皇開化天皇 紀元前679年 - 紀元前80年
巻4 崇神天皇垂仁天皇景行天皇成務天皇仲哀天皇神功皇后 紀元前79年[12] - 269年
巻5 応神天皇仁徳天皇履中天皇反正天皇 270年 - 410年
巻6 允恭天皇安康天皇雄略天皇清寧天皇顕宗天皇仁賢天皇武烈天皇 411年 - 506年
巻7 継体天皇安閑天皇宣化天皇欽明天皇敏達天皇 507年 - 585年
巻8 用明天皇崇峻天皇推古天皇舒明天皇皇極天皇 585年 - 645年
巻9 孝徳天皇斉明天皇天智天皇 645年 - 671年
巻10 天武天皇持統天皇文武天皇元明天皇元正天皇 672年 - 724年
巻11 聖武天皇孝謙天皇淡路廃帝称徳天皇光仁天皇 724年 - 781年
巻12 桓武天皇平城天皇嵯峨天皇 781年 - 823年
巻13 淳和天皇仁明天皇文徳天皇 823年 - 858年
巻14 清和天皇陽成天皇光孝天皇宇多天皇 858年 - 897年
巻15 醍醐天皇朱雀天皇 897年 - 946年
巻16 村上天皇冷泉天皇 946年 - 969年
巻17 円融天皇花山天皇一条天皇三条天皇 969年 - 1016年
巻18 後一条天皇後朱雀天皇後冷泉天皇後三条天皇 1016年 - 1072年
巻19 白河天皇堀河天皇鳥羽天皇 1072年 - 1123年
巻20 崇徳天皇近衛天皇 1123年 - 1155年
巻21 後白河天皇二条天皇六条天皇 1155年 - 1168年
巻22 高倉天皇安徳天皇 1168年 - 1185年
巻23 後鳥羽天皇土御門天皇順徳天皇 1185年 - 1221年
巻24 後廃帝後堀河天皇四条天皇 1211年 - 1242年
巻25 後嵯峨天皇後深草天皇 1242年 - 1259年
巻26 亀山天皇後宇多天皇 1259年 - 1287年
巻27 伏見天皇後伏見天皇 1287年 - 1301年

「新訂増補国史大系」を基に作成。

出典

  1. ^ 田島 pp. 372-373
  2. ^ 田島 pp. 374, 376
  3. ^ a b 田島 p. 376
  4. ^ 田島 p. 380
  5. ^ 田島 pp. 372-374
  6. ^ a b 田島 p. 382
  7. ^ 田島 pp. 387-388
  8. ^ 田島 p. 371
  9. ^ 田島 p. 384
  10. ^ 田島 p. 381
  11. ^ 田島 pp. 381-382
  12. ^ 「(崇神天皇)元年(中略)当武帝天漢四年也」

参考文献

関連項目

外部リンク

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