平成26年台風第9号
平成26年台風第9号(へいせい26ねんたいふうだい9ごう、アジア名:Rammasun、命名国:タイ王国、意味:雷神[1]、フィリピン名:Glenda)は、2014年7月にフィリピンと中国に大きな影響を与えた台風である。 概要![]() 7月9日、チューク諸島の東の海上で熱帯撹乱の形成が始まり、10日に熱帯低気圧にまで成長して低気圧番号09Wを与えられた。11日、合同台風警報センター(JTWC)は09Wがトロピカルストームにまで成長したと判断したが、同日中に「強度が低かった」としてこの判断を一旦取り下げている[2]。12日15時(協定世界時12日6時)、西進しながら成長した09Wはマリアナ諸島(北緯13度25分・東経142度40分)において台風となり[3]、アジア名「ラマスーン(Rammasun)」と命名された。13日にはフィリピンの監視エリアに入ったため、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)によってフィリピン名グレンダ(Glenda)と命名された[4][5]。 台風は急速に勢力を強めながら15日午後にルソン島東部のアルバイ州・ラプ・ラプ (アルバイ州)付近に上陸[6][7]、16日には首都のマニラを直撃した[8]。フィリピンではルソン島とヴィサヤ諸島の広範囲に暴風雨警報 (PSWS)が発表されたが[9]、50メートル以上の暴風と大雨に襲われた[10]。南シナ海に進んだ台風は再び勢力を増しながら中国に接近。中央気象台は18日8時からの24時間、海南省・広東省南部・広西チワン族自治区に暴雨警報を発令[11]。18日昼過ぎに海南島北部の文昌市に上陸したのち[12]、台風は同日夜には広東省湛江市に再上陸して[13]、華南の広範囲に被害をもたらし、19日には広西チワン族自治区に達した[14]。台風は上陸後に勢力を弱め、20日9時(協定世界時20日0時)に北緯23度・東経104度で熱帯低気圧になった[15][16]。 被害フィリピン20日朝までの時点で、死者97名、負傷者437名、行方不明者6名、家屋の被害は全壊27,874棟を含む111,372棟に及び[17]、インフラや農産物などへの被害額は約74億フィリピンペソ(約172億円)に達した[17][18]。 中華人民共和国暴風雨の影響により華南の広範囲で停電や浸水が発生し、航空便の欠航が相次いだ[13]。広東省と海南省、広西チワン族自治区の130万人から500万人が影響を受け[14][19]、20日時点で少なくとも死者17名[14]。海南省では51,000棟の家屋と40,600ヘクタールの農地が被害を被り、経済的損失は47億元(約7億5000万ドル)以上と推計されている[14]。 被害の様子 (画像)その他この台風のアジア名Rammasunは、この台風限りで使用中止となり、次順からはBualoiというアジア名が使用されることになった。 脚注
外部リンク
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