このページ名「
徘徊型兵器 」は
暫定的なもの です。
(2016年9月 )
IAI ハロップ パリ航空ショー 、2013年
徘徊型兵器 (はいかいがたへいき、英 : loitering munition )または徘徊弾薬 (はいかいだんやく)は、攻撃型の無人航空機 (UCAV ) の一種。
離陸した無人航空機が数時間にわたって目標地域上空を「徘徊 (loitering)」し、高価値目標を発見するかもしくは地上管制システムからの指令を受けることにより、対地ミサイル のように搭載した爆薬もろとも目標に突入し自爆して攻撃を行うというものである[ 1] [ 2] 。
徘徊可能な時間内に目標が発見できない場合には自爆するか、機種によっては自力で帰投し再使用可能なものもある。
呼称
呼称については徘徊型自律兵器 (Loitering Autonomous Weapons [ 1] ) 、徘徊型攻撃システム (Loitering Attack Systems [ 3] ) というようにも表現される。
「Kamikaze Drone(神風 ドローン)」、「Suicide Drone(自殺 ドローン・自爆型ドローン[ 4] )」、「Killer Drone(キラードローン)」、「Kamikaze Strike(神風ストライク)」、「Samurai Drone(サムライ ドローン)」などとも呼ばれている[ 注 1] [ 5] [ 6] 。コストパフォーマンスの高さから「Costco Drone(コストコ ドローン)」という表現もある[ 7] 。
日本語では、うろつき型兵器 [ 2] 、自爆型UAV 、特攻型UAV 、カミカゼUAV 、などと訳されている。
概要
徘徊型兵器の、従来の対地ミサイル ・巡航ミサイル との違いとしては
発射(離陸)する時点では必ずしも攻撃目標が明確である必要が無い。
飛翔体自身が自分で攻撃目標を探す事ができる。
攻撃目標が見つかるまで"徘徊"して待つことができる。
攻撃目標が見つからない場合に帰投できる機体もあり、コスト的にも無駄にならない。
といった点が挙げられる。
この種の兵器として最初に実用化されたのは、イスラエル のIAI が開発し1994年に初飛行に成功したハーピー で[ 1] 、これは敵防空網制圧 (英語版 ) (SEAD)を目的としており、検出した敵レーダー波に向かって突入する機能を持つものであった。
その後は各国で開発が進み、歩兵1名での運用、移動中の車両への攻撃、全天候/夜間での行動、遠隔操作による目標の再設定など多彩な機能が実現している。2022年のロシアによるウクライナ侵攻 では、アメリカ製のスイッチブレード がロシア軍の車両を多数破壊し、評価が高まっている[ 4] 。
機種の例
IAI ハーピー パリ航空ショー 、2007年
イスラエル
IAI ハーピー
敵の防空レーダーに突入し自爆する機能を持つ。
IAI ハロップ
ハーピーの改良型[ 8] 。可視光カメラを搭載し、敵がレーダー波の放出を停止しても攻撃可能になっている。
IAI ハーピーNG (英語版 )
ハーピー/ハロップの改良型[ 9] 。NGは New Generationの意。全天候/夜間攻撃能力を持つ。
IAI グリーンドラゴン (英語版 )
小型・軽量・低コストの徘徊型UAV[ 10] 。2016年のシンガポール・エアショー で初公開された。
IAI ロテム L (英語版 )
クアッドコプター 型で、地上部隊の兵士が一人で携帯・操作可能なサイズのUAV[ 11] 。
インド
Veda Aeronautics社が開発した、カタパルト発射式のジェット推進徘徊型弾薬。インド空軍 に採用されている[ 12] 。
イラン
以下のドローンは全て2022年ロシアのウクライナ侵攻 時にイランからロシア軍に提供されている[ 13] 。
大韓民国
デビルキラー
韓国航空宇宙産業(KAI) が開発した自爆型UAV[ 14] [ 15] 。
ポーランド
ウォーメイト
WBエレクトロニクス (ポーランド語版 ) 製の自爆型UAV。ウクライナ軍 にも供与されている。
ロシア
イギリス
ファイアシャドウ (英語版 )
MBDA が開発し、イギリス軍への導入提案についてはIAI ハロップ が競合機種となった[ 1] [ 16] 。
アメリカ合衆国
AGM-136 (英語版 )
1980年代に開発された対レーダーミサイル で、限定的な徘徊機能を持つものとして計画されたが1991年に開発中止となった。
NLOS-LS
徘徊機能を持つLAM(Loitering Attack Munition)は実用化されず開発中止となった。
LOCAAS (英語版 )
LOCAASはLow Cost Autonomous Attack System(低価格自律攻撃システム)の略。30分程度の"徘徊"が可能な巡航ミサイル 。開発中止となった。
スイッチブレード
エアロヴァイロンメント (英語版 ) 製の小型の自爆型UAV。地上部隊の兵士が一人で携帯・操作可能なサイズである。
フェニックス・ゴースト (英語版 )
エアロヴァイロンメント (英語版 ) 製の自爆型UAV。6時間の滞空が可能とされる[ 17] 。
LMAMS (英語版 )
LMAMSはLethal Miniature Aerial Missile System(致死性小型航空ミサイルシステム)の略。アメリカ陸軍 が開発している小型の自爆型UAV。地上部隊の兵士が一人で携帯・操作可能なサイズである。
脚注
注釈
^ ロシアによるウクライナな侵攻で発生した2022年ロシアのウクライナ侵攻 のウクライナ軍兵士-ウクライナ語「Камікадзе ми з японських Crazy Boys — тепер дрон-камікадзе — це теж самурайський дрон,」、英語「We’re Japanese's Crazy Boys’ Kamikaze is now Kamikaze Drone is too the Samurai Drone from now,」
出典
関連項目
外部リンク