怒 (ゲーム)
『怒』(いかり)は、1986年にSNKがアーケードゲーム用として制作・稼働した縦スクロール型アクションシューティングゲーム。キャッチフレーズは「俺が生き残るためなら相棒でも倒す!(Surviving all perils even zapping your friend)」。 日本国外では、『IKARI WARRIORS』(イカリ・ウォリアーズ)のタイトルで稼働した。 ゲーム内容8方向の「ループレバー」と呼ばれるレバーと2つのボタンで操作する。 ループレバーはスティックの上部にダイヤルがついたもので、倒すことで自機を進行、回転で攻撃方向を調整する。ダイヤルは1周12方向となっていて、例えば180度反転させる場合でも操作は120度回転で済み、手首を無理に捻る必要が無いように考慮されている。 ボタンは主に、銃と手榴弾の使用に用いる。 色違いの敵兵を倒すとアイテムが出ることがある。このゲームでは銃弾、手榴弾ともに弾数制限があるので、アイテムは単に各種パワーアップのためだけではなく、残弾を補給するためにも拾わなければならない。 味方の空戦車の傍で手榴弾ボタンを押せば戦車に乗り込むことができる。これもガソリンメーターが無くなれば止まり爆発するので、アイテムを拾って補給しなければならない。戦車から降りる時も手榴弾ボタンを押す。 エリアの切れ目には全部で5つのゲートがあり、これは手榴弾か戦車砲でなければ破壊できない。 特殊なレバーを用いる操作や、敵弾だけでなく自分や味方の弾に当たってもミスとなるなど、従来のゲームに無かった仕様を持つ。 手榴弾を投げると移動して避ける、など、敵はこちらの攻撃を避けるといった動作を行う。 ストーリー怒退役後に傭兵となったラルフの傭兵としての初任務は特殊部隊を率いて敵基地に侵入、秘密を探り必要があればそれを破壊する事であった[1]。 だが今、ラルフは単身で敵と戦い怒りをにじませていた。偽装した敵戦闘機で不時着し特殊部隊員全員で敵基地に潜入する手はずであったが、裏切り者が紛れていた。飛行機は墜落し特殊部隊員は全滅してしまう、唯一、遺体が見つからないクラーク少尉を例外として。 裏切り者クラーク少尉への怒りで冷静さを失っていたラルフは気づけば額に銃身を突き付けられていた。ラルフが見上げたその先にニタついた表情のクラーク少尉の姿。 引金が引かれ『死』そう思った瞬間、笑い声が響き渡る。クラーク少尉のものだ。弾はこめられておらず悪趣味なイタズラであった。クラーク少尉は全く信用出来ない、だが今は前に進むしかないと、クラーク少尉と2人前進を続ける。 IKARI WARRIORSCIFのアレクサンダー・ボン大将(General Alexander Bonn)が革命軍に捉えられ監禁された。大将は捕まる前に救難信号を発し、信号はポール(Paul)とその相棒のビンス(Vince)が拾ったが、彼らの飛行機はジャングルに墜落してしまった。 物資は不足しているが大将を見捨てるわけにはいかず、ポールとビンスは敵が置いていった武器を回収し革命軍司令部を目指す。 登場キャラクター
他機種版
全4ステージに分割され、新たな乗り物として戦闘ヘリの追加、最終ステージの最後には最終ボスが登場する等、大幅なアレンジが施されている。ボタンの数が少ないが戦車搭乗時のみループレバーの疑似再現操作で砲塔を回す事が出来る。パッケージイラストは漫画家のたがみよしひさが担当した。 移植版
日本国外版は『ARCADE ARCHIVES IKARI WARRIORS』タイトルだが、日本国版と同様にIKARI WARRIORSは収録されておらず日本国版の怒のみ収録されている。 開発『T・A・N・K』の続編、『T・A・N・K II』として開発がスタートした。上層部から『戦場の狼』や『フロントライン』のような人間同士の戦いと、戦車からの脱出要素を『T・A・N・K』に追加という要望が出され、そのラインにそって設計が行われた[5]。 当初は映画『ランボー』をモチーフにして開発されており、実際に版権元の映画会社と交渉してライセンスの許可を貰うところまで進んでいた。しかし、現地のアーケードマシン展示会で当作品を出展した際、予想以上の人気を得たため、版権作品として出す必要性が無くなったとのこと[要出典]。 2人プレイは、1985年2月13日施行のいわゆる新風営法により、ゲームセンターの深夜営業が禁止されゲームセンターの収益が減ってしまう事に配慮して2人同時プレイであれば収益率が良いと考え実装されたもの[6]。 サウンドはゲームセンター内で実際に録音しゲームセンターの騒がしさを再現した状況を作り、その環境でも際立って聞こえるように調整して作成されている[6]。 クラウムズこのゲームプログラムには「クラウムズ」と呼ばれる擬似人工知能が搭載されており、それによってゲームの基本的シーケンスが制御されている[7]。 「クラウムズ」は基本的に、プレイヤーがどれくらいの時間でどれだけの敵を排除したかを監視している。短時間で多くの敵を排除できるプレイヤーは上手、逆にいつまでたっても少しも敵を殺せないプレイヤーは下手だと判断。それに基いて、敵をどこでどれぐらい出すか、パワーアップアイテムの出す場所や数はどうするか、などのシーケンスの変更を行っている。[5] 基本的な「クラウムズ」の思考パターンとしては、プレイヤーを意図的に惑わす方向性で設計されており、パワーアップアイテムをなかなか取らないでいると、徐々に出さないようにもする。 スタッフ
反響本作はSNKの名を一躍有名にし、ゲームセンターにおいても人気を集めた[8]。その一方で、2019年に発行された『NEOGEOmini 攻略ガイド 完全版』によると、設置店が予備のループレバーの調達に苦労したことが触れられており、店側が自作のレバーを用意したケースや、レバーの故障に伴い筐体を撤去したケースもあった[8]。 評価
1998年にそれまで発売されていたアーケードゲーム全てを対象に行われたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、『名作・秀作・天才的タイトル』と認定された「ザ・ベストゲーム」に選定され、「ループレバーゲームの集大成といった感じのゲームで、チャンネル式であった『T.A.N.K.』のレバーの形状を変更、さらに使い勝手のよいものとしてのループレバーを確立した」と紹介されている[17]。
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計24点(満40点)[13]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、18.64点(満30点)となっている[2]。
ゲームムック『死ぬ前にクリアしたい200の無理ゲー ファミコン&スーファミ』のレビューには「システムは『戦場の狼』を踏襲しているが、難易度が段違い。四方八方から敵が現れ、大量の弾をばらまいてくる。しかもアーケード版と比べて、移動速度が非常に遅く、敵の出現位置を覚えなければ回避できない。また攻撃方法も劣化している」とある[16] 続編脚注
外部リンク |
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