教訓主義

教訓主義(きょうくんしゅぎ、英語: didacticismダイダクティシズム)とは、文学その他の芸術の中で、教育的で有益な特質を強調する芸術観のこと。であれば教訓詩(didactic poetry)、戯曲であれば教訓劇(didactic play)。

概略

教訓主義芸術は本質的にエンターテインメントや芸術家の個人的な目標の追求を許さない。

批評とアドバイスを列挙したアレキサンダー・ポープの『批評論英語版』(1711年出版)はその一例といえる。

「didactic(教訓的)」という語は、有益で事実に基づく(かつ/もしくはその他の)教育的情報を詰め込みすぎたテキスト(ならびにその延長として映画テレビのようなメディア)、時には読者(視聴者)の楽しみを損なうもの指すこともある。対義語は「non-didactic(非教訓的)」である。もし作者がメッセージの伝達以上に芸術的な特質や技巧を大事だと考えたら、たとえその作品が教育的に有益なものでも、「non-didactic」と見なされる。

最良の詩のほとんどすべて教訓的だとする意見もあった。それに対して、エドガー・アラン・ポーは『詩の原理英語版』(1850年出版)の中で、教訓主義を「異端」の最たるものと呼んでいる。

古代ギリシア・ローマの教訓詩は、叙事詩の文体(ヘクサメトロス)をとる場合が多く、内容は哲学系譜学科学技術など多岐にわたった[1][2][3]

教訓主義といわれる作品の一覧

ギリシア・ローマ

その他

教訓劇は道徳またはテーマの使用を通して観客に教える。

音楽における教訓主義には、グイード・ダレッツォソルフェージュの音名(solfège syllables)を教えるために使った『聖ヨハネ賛歌』がある。

関連項目

脚注

  1. ^ a b 教訓詩』 - コトバンク
  2. ^ a b c d e 逸身喜一郎『ギリシャ・ラテン文学 韻文の系譜をたどる15章』研究社、2018年。ISBN 9784327510015 第6章「エポス・教訓詩」
  3. ^ a b c d 伊藤照夫 訳『ギリシア教訓叙事詩集』京都大学学術出版会〈西洋古典叢書〉、2007年。ISBN 9784876981700 
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