本郷中学校・高等学校
本郷中学校・高等学校(ほんごうちゅうがっこう・こうとうがっこう、英: Hongo Junior & Senior High School)は、東京都豊島区駒込に所在し、中高一貫教育を提供する私立男子中学校・高等学校。 高等学校においては、2020年度まで、中学校から入学した生徒と高等学校から入学した生徒で第2学年から混合して学級を編成する併設混合型中高一貫校であったが[1] 、2021年度入試より高校募集を停止し完全中高一貫校に移行した。 本郷中学校と本郷高等学校を合わせて、本郷学園(ほんごうがくえん)とも呼ばれる。中学校は「本中」(ほんちゅう)、高等学校は「本高」(ほんこう)の略称でも呼ばれる。 学校法人本郷学園が設置・運営する教育施設として他にもみじ幼稚園がある。 概要高松松平家第12代当主である松平賴壽により、1921年(大正10年)5月、(旧制)本郷中学校設立準備委員会が設立される。当時は中等教育が急速に普及していたが、官公立の中学は数が少なく、地元の本郷区立誠之小学校から多くの子弟の進学が困難であったし、また教育界が知育偏重・画一的な教育に大勢を占められていた。松平はこうした状況を憂え、1923年(大正12年)4月、(旧制)本郷中学校を開校した。初代理事長兼初代学校長に松平賴壽が就任した。 当初は本郷区内に設立される計画であったが、区内に土地が見つからず、染井にあった、賴壽の母である松平千代子の住まいの一部に設立された経緯があり、巣鴨や駒込に近い土地ではあるが、学校名は「本郷」とされた。 初代教頭に就任したのは永井道明である。永井は、教科としての体操の確立と発展に寄与し、体育教師の地位向上に貢献した、日本の体操の父と称される人物である。永井自らも体操科の授業を担当した。現在の体育館である「永井體育館」の名称は、初代教頭の永井に由来するものである。 1954年(昭和29年)、本郷中学校・高等学校の名誉校長であり、かつて第2代校長であった徳川宗敬により、校内にもみじ幼稚園が設立される。現在、もみじ幼稚園正門に掲げられている表札の「もみじ幼稚園」の字は、徳川宗敬が書いたものである。 かつては普通科の他に理数科・機械科・デザイン科の4学科を設置していたが、進学校への志向の転換により、現在は普通科のみの編成となっており、特進コースが設置されるなど、中高一貫体制へと転換している。 高等学校ではクラブ活動が盛んだった時代があり、ラグビー部やサッカー部、漕艇部は全国を代表する名門だった。ラグビー部は1985年の第65回全国高等学校ラグビーフットボール大会では準優勝をしており、花園の常連校だった時代もあるが、相対的な実力は低下し、近年は全国大会への出場も少なくなったが、2007年度は4年ぶりに全国大会へ出場した。2010年度は3年ぶり9回目の出場。漕艇部もインターハイ優勝だけでなく、オリンピック選手を複数輩出している。サッカー、ラグビー部と異なり漕艇部は現在は廃部になっている。 本郷中学校の校章には「本中」、本郷高等学校の校章には「本高」の略称がそれぞれ用いられており、これらの略称でも呼ばれる。 教育理念建学の精神は「個性を尊重した教育を通して、国家有為の人材を育成する」である。教育目標は、強健(心身両全にして、困難に耐えうる)、厳正(志操堅固にして、自らに厳しく中正な判断をなしうる)、勤勉(責任を重んじ、誠心誠意つねに自己の務めに精励する)である。文武両道を旨とする方針の下、生徒の自発的な学習すなわち自学自習を促す傍ら、クラブ活動を強く奨励していて、中学全体で94%、高等学校全体で73%の生徒が部活動に参加している。なお、文武両道の「武」に当たるクラブ活動については、運動部だけではなく文化部も含まれる。また、生活習慣の確立も重要視している。 沿革
交通アクセス教育課程コース編成高等学校においては、現在、特進コースと進学コース(通常のコース)を設置している。 特進コースは東京大学、京都大学、一橋大学、東京工業大学の合格を目標としている。このコースの在籍生徒は入学試験時に選抜された生徒ではなく、入学後の学業成績・素行等、および本人の希望を踏まえて選抜される。 進学コースにおいても、難関私立に対応したカリキュラムの下で授業が進められる。 1学年につき特進コースは2学級で、他の4学級(または5学級)は進学コースである。進学コース・特進コースともに、高2で、文系と理系に学級が分けられる。 カリキュラム授業は中高一貫教育の利点を生かして高1の段階で高2までの課程をすべて修了し、高2以降はそれぞれの志望大学に向けて選択授業制となる。高入生は中入生に進度を合わせるため、高1では別々に学級が編成されるが、高2からは中入生・高入生を混合の上、文系と理系に分けられる。さらに文系は地理歴史における世界史B選択者と日本史B選択者に、理系は理科における生物選択者と物理選択者に分けて学級が編成される(なお基本的に選択する人はいないが、地理Bや地学を選択することも可能)。 また、中学では数学の合同授業も実施されている。年5回、中学1年生と2年生を半数ずつ交ぜたクラスを作り、同じ教材で勉強する。この趣旨は、2年生との交流を促し、テスト対策の仕方など先輩の経験を後輩たちに伝えることにある[2]。 行事本郷数学基礎学力検定試験(本数検)毎年度4月・9月・1月(毎学期初め)に中学と高校で実施されている数学検定試験。これは8級から参段までの単位の取得を目指すもので、上位級を取得した生徒は全校集会等で表彰される。また、合格者は、氏名や取得級などが廊下に掲示される。なお、文系の生徒で受験に数学を使わない生徒は、高3の1学期および2学期は本数検の受験を辞退し社会の試験を受けることができる。 本郷英単語力検定試験(本単検)中学のみ実施。毎年度4,9,1月(毎学期初め)に行われている英単語力検定試験。本数検同様、成績優秀者は表彰のほか、廊下にて氏名や取得級などが掲示される。 マラソン大会11月に荒川河川敷で行われている。中学生は6.85 km、高校生は11.5 kmを走る。 スキー教室中1または中3の希望者を対象に、長野県・湯の丸高原スキー場で実施される。事前にスキー経験を調査し、初級・中級・上級のレベル別に現地のインストラクターが指導する。 情操教育年に2回実施される。学校全体でオーケストラや狂言、演劇などを鑑賞する。内容は毎年変わる。 競技大会体育祭とは別に、中学と高校でそれぞれ1回ずつ行われる。サッカーやドッジボールなどの団体競技を、学年ごとに学級対抗で行う。生徒会によって運営されている。 合唱コンクール中学のみ実施。毎年度2月に行われている行事。各クラスごとに別の合唱曲を練習し、優勝を競う。
学校施設校門「駒込門」と「巣鴨門」がある。生徒はどちらからでも登下校することができる。
校舎現校舎名は、2011年(平成23年)の校舎名改称後のもの。便宜上、これ以後に建て替えが実施された校舎についても、旧校舎名を併記する。3号館・4号館・5号館・6号館の旧校舎名の2桁の数字は、落成時に本校が創立何周年であったかに由来する。
校庭グラウンドと中庭は、2号館1階の吹き抜けを通して繋がっている。
入学試験
2021年度から、中学入試のみとなっている。中学入試は各年度に3回あり、それぞれ国語・算数・理科・社会の4教科の筆記試験の合計得点により合否が判定される。2019年度までは6学級の募集であったが、2020年度より7学級の募集となる。中学校第3回入試は例年倍率が高い(2020年度は約9.5倍、2019年度は約12.8倍であった)。 高校入試2020年度までは高校入試も実施していた。高校の1学年(8学級)のうち、約4分の1(2学級)を高校入試で募集していた。 単願の推薦入試と一般入試が1回ずつ実施された。併願推薦・併願優遇の制度は無い。それぞれ、国語・英語・数学の3教科の筆記試験の合計得点と面接により合否が判定される。なお、推薦入試においても筆記試験の合計得点により合否が判定された。 2021年度より高校募集が停止となる[3]。 著名な出身者→「Category:本郷中学校・高等学校出身の人物」も参照
学術美術・漫画
スポーツ
その他
脚注
関連項目外部リンク
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