皇宮警察本部
![]() ![]() 皇宮警察本部(こうぐうけいさつほんぶ、英: Imperial Guard Headquarters)は、天皇・皇后および上皇・上皇后ならびに皇族(皇室構成員)の護衛および皇居、赤坂御用地、御用邸などの警備を専門に行う日本の警察組織である[4][5][6][7]。警察庁の附属機関として設置され、職員は国家公務員である皇宮護衛官、警察庁事務官および警察庁技官で構成される。 本部所在地は、東京都千代田区千代田1番3号。本部長は、皇宮警視監の階級にある皇宮護衛官である。慣例により内閣府事務官である宮内庁職員にも併任される[要出典]。皇宮警察本部の紋章は五三桐[注 1]である。 警察庁公式サイトには、皇宮警察本部の英語名称が「Imperial Guard Headquarters」(インペリアル・ガード・ヘッドクウォーターズ)と示されている[8]。the Guardは「近衛兵」を意味する英語である[9]。1945年(昭和20年)の第二次世界大戦(太平洋戦争/大東亜戦争)終戦(日本の降伏)まで、宮城(きゅうじょう:皇居のかつての名称)の警備を担っていた大日本帝国陸軍近衛師団の英訳は「Imperial Guard Division」であった(Divisionは「師団」)[10]。 概要天皇徳仁・皇后雅子および上皇明仁・上皇后美智子ならびに皇族(皇室構成員)の安全を確保するため、皇宮護衛官のうち側衛官が皇居・御所などはもとより、国内外において身辺の直近で護衛に当たっている。 また、皇居、赤坂御用地、各御用邸、京都御所、正倉院などの安全を確保するため、主に以下の1都1府4県において警戒警備活動を行っている[5]。 また、国賓として来日した外国要人の皇居参内や、信任状の捧呈に伴う特命全権大使の皇居参内に際して、騎馬、サイドカー(側車付大型自動二輪車)などで護衛に当たっている[7]。 また、皇宮警察は全国で唯一、警察業務と共に消防業務も行っているため、白い車体に赤色帯の入った「警防車」という消防ポンプ車を坂下護衛署、吹上護衛署、赤坂護衛署、京都護衛署などに配備している[11]。 このほか、皇宮警察の職員である皇宮護衛官に対して必要な教育訓練を行う皇宮警察学校、皇宮警察音楽隊、皇宮警察特別警備隊なども設置されている。 2009年(平成21年)度に警務部長ポストを廃し、「副本部長」を設置した。 皇宮警察本部の定員は、警察庁の定員に関する規則[12]により規定されており、2020年(令和2年)4月1日現在、皇宮護衛官932人および事務官など40人の合計972人である。 2021年(令和3年)に、皇宮警察で初となる女性の皇宮警視正が誕生した。 毎年1月下旬に年頭視閲式があり、側衛車両部隊や騎馬隊など約11部隊・260人程度が皇居東御苑で式を行う。2021年(令和3年)と2022年(令和4年)は新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大のため、中止した。2023年(令和5年)1月20日、3年ぶりに行われた年頭視閲式には皇宮警察の創設以来初めて天皇・皇后が出席した。ただ、天皇徳仁は1986年(昭和61年)の年頭視閲式に一度のみ出席したことがある[13]。 沿革宮内省時代(後に宮内府、現在の宮内庁に改編される)の皇宮警察の沿革は「皇宮警察 (宮内省)」を参照。
対応した主な事件
![]() 白バイ・側車(サイドカー)・警護車 ![]() ![]() 組織![]() 皇宮警察本部の組織は2部10課、4護衛署及び皇宮警察学校によって構成される。 護衛部は天皇・皇后、上皇・上皇后および皇族(皇室構成員)の護衛を担当しており、警備部と4護衛署が皇居・赤坂御用地・各御用邸・京都御所および正倉院などの安全を確保するための警備を担当する。
業務皇宮警察本部の業務には、護衛部門、警備部門、警務部門の3部門ある。 護衛部は、皇室構成員である天皇・皇后、上皇・上皇后および皇族の身辺の安全を確保するため、皇居・御所にいる時のみならず外出の際や各種式典等への出席の際などにも、一番近くで護衛にあたる。護衛のスキルは無論、乗馬・スキー・テニス・外国語などの幅広い素養が不可欠であり、日常の教養や研修、訓練によって高度な技術を培っている。また、外国元首や駐日大使・公使の皇居参内時には、騎馬やサイドカーで護衛にあたる。 警備部・各護衛署では、皇居、赤坂御用地、京都御所、大宮仙洞御所、桂・修学院離宮、正倉院、御用邸などを警備することが任務で、天皇誕生日および新年一般参賀、園遊会などの警備に必要な企画・立案を始め、装備資器材の配備・開発運用なども行う。また、突発対応部隊として特別警備隊が置かれており、有事に備え日々さまざまな訓練を行っているほか、皇居宮殿などで行われる皇室行事の際には、その厳粛な雰囲気を保持しながら、儀礼服という特別の制服を着用して警戒にあたる。警察で唯一消防活動を行うのも、皇宮警察の特長の一つである。万が一に火災が発生した場合の消火活動に加え、絶対に火災が起こらないかつ起こさせないように予防活動を行う。 警務部門は、皇宮警察の活動を効率的・効果的かつ円滑に運営するために、勤務体制・採用・人事管理・教養・予算・福利厚生など、組織の基盤を支える。業務運営の要として組織全体を把握した上で、第一線の勤務員の立場に立って働きやすい環境づくりを心掛ける。また、警務課の中には、音楽隊が組織されており、園遊会を始めとする皇室行事で演奏したり、全国警察音楽隊演奏会、皇居東御苑でのランチタイムコンサートなどで演奏したりと、皇宮警察の広報的な役割も担う。 ![]() また、皇宮警察本部警備部警備第一課に設置されている特別警備隊は、皇居正門や国賓の皇居参内等の行事における儀仗勤務や、事案発生時の警備出動を主たる任務として活動するほか、銃器等使用事案への対処能力を有し、皇居などにおける事案対処の中核を担っている。令和4年度(2022年度)からは、各種事案対処能力を更に強化するため、皇宮護衛官の中でも爆発物や銃器対策、大量破壊兵器(NBC)テロ対策などの技能に優れた者を改めて隊員に選抜するなど、体制と機能の充実を図っている[16]。 警察歌
関連楽曲
不祥事
参考文献
脚注注釈出典
関連項目外部リンク |
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