金魚の病気の一覧金魚の病気の一覧はキンギョが疾患する病気の一覧。 概要そもそもキンギョは天然に産するものではなく人間が人工的に作り出し大切に保護してきた動物であるため、人間の手が加えられている品種であればあるほど自然への適応能力は非常に低い。そのため病気にかかりやすい。逆に、原種とされるフナに近いワキンなどは、ずぼらな飼育環境でも力強く生き延びる。 キンギョを飼う際は、病気への十分な知識を持つことが重要である。疾病の発生要因の多くは、ストレスに由来する。 原因
病理尾ぐされ病→詳細は「尾ぐされ病」を参照
フレキシバクターカラムナリス等の細菌に感染したものである。各ヒレの先端が白くなり、重症になると尾が腐る。そのままにしておくと、尾から出血してしまう。重症になると治療が困難になるため、早期発見が必要になる。 細菌による感染するパーツによって鰭ぐされ、鰓ぐされ等と呼び名が異なるが、内容は同じであり、まとめて腐敗症と呼ばれる事もある。 松かさ病→詳細は「松かさ病」を参照
初期症状は体表のツヤがなくなり、症状が進むにつれてウロコが腫れ上がり、松ぼっくりのように逆立つ。 穴あき病→詳細は「穴あき病」を参照
エロモナス属細菌の感染後、寄生体や細菌類が繁殖し、鱗が発赤>脱落>真皮露出>筋肉露出と悪化していく。致死性は低いが、観賞魚としては見栄えが悪い。専用の薬があるので、隔離して薬浴させる。また、水温を25度以上にして自然治癒させる。 白点病→詳細は「白点病」を参照
最も普通な魚類の病気のひとつであり、原生動物の白点虫(イクチオイフリウス)の寄生虫病。致死性・伝染性・進行性のいずれの点でも、寄生虫病では最も危険な病気。下記のイカリムシとチョウのように虫が外部に張り付くのではなく、上皮組織内に入り込んでしまうため後述のように薬剤の効きが悪く、治療が困難。水温25度以下の状態でかかりやすく、水温・水質の変化等の急変によって体力の落ちた魚体に寄生する。白点病にかかった金魚は、水槽のガラス面や砂などに患部をこすり付けるという動作をよく見せる。 4日~5日の周期で寄生→魚体より分離して増殖→寄生を繰り返す。寄生している間は薬は効かない為、投薬にはタイミングが重要。一旦、白点が消えても水中で増殖している可能性があるので油断は禁物。白点病で死んだ魚を気付かず放置しておくと、寄生虫が大発生し水槽全滅の危険性もある。外部からの白点虫侵入を防ぐ為にも購入した金魚は4~5日隔離して様子を見ることが必要。 イカリムシ症イカリムシという寄生虫が固着する。固着部が腫れ、出血することも少なくない。稚魚は死ぬこともあり、成魚でも衰弱する。この病気の場合、患部を固いものにこすり付ける動作がよく見られる。ピンセットなどで抜き取ることも可能だが、傷ができないように。イカリムシの頭部が魚体に残ることがある。えらに刺さったイカリムシを抜くと、同時に鰓内部の組織が破壊され、確実に死に至る。目の近くに刺さっているイカリムシを抜くと、目玉が取れてしまう。 チョウ症鰓尾類のチョウという寄生虫が固着する。ウオジラミとも呼ばれる。水槽のガラス面や砂などに患部をこすり付けるため、体をさらに痛めてしまうことも少なくない。吸血する際に毒液を注入し、キンギョに多大なストレスを与える。大きいため直接除去できるし、駆除剤もあるが、卵には効かないため、濾過材と砂利を交換・洗浄して、卵が孵化するたびに根気よく駆除する必要がある。 水カビ病→詳細は「水カビ病」を参照
水槽に常在している糸状菌(ミズカビ類)が、魚が弱っているときに付着繁殖して、綿毛のような群落を成す。水カビが体表に寄生することで細胞膜の浸透圧調整機能が破壊された結果として死に至るため、水槽に塩を入れて浸透圧を調整することで延命が可能。水温20度以下になると発生しやすくなるため、秋以降ヒーターでの水温調節が予防に有効である。 転覆病![]() →詳細は「転覆病」を参照
前後の浮袋のバランスが崩れる原因不明の難病。横転、あるいは完全に転覆して、徐々に弱って死んでいく。完全に浮上転覆してしまうと、空気に触れた腹部が爛れてしまい急死することもある。ランチュウのような丸っこいキンギョほどかかりやすいが、ワキンのように原種に近いものでもかかる。水温を徐々に30℃くらいまで上げれば、初期の転覆病はほとんどの場合完治する。が、先天的な内蔵異常など個体によっては成長にしたがい必然的に発生する場合があり、その場合の完治は難しい。 転覆病のうち、急激に飼育水槽の多くの個体が発症する場合はキンギョヘルペスウイルスによる造血器系の異常とする説が一般的で、発生した水槽で35°C、4日間の昇温処理をすると他の個体への感染や発症を防げることがある。ただしこれにより治療した個体はヒトのHIVキャリアのようにキンギョヘルペスウイルスのキャリアとなり子供やウイルス未感染の個体へウイルスをキャリーしまき散らす恐れがあるので留意が必要である。 他の要因としては、いわゆる「泡食い(エア食い)」行為により、体内に空気がたまること(これは沈下性の餌へ切り替えることで一ヶ月ほどで改善する)、水質悪化・驚かすこと(足音にも敏感である)によるストレスにより浮袋調整がうまくいかなくなる等、様々な要因が考えられる。 カラムナリス病→詳細は「カラムナリス病」を参照
文字通りカラムナリス菌の感染症で、グッピーやエンゼルフィッシュの尾ぐされ病の原因と言った方が分かりやすい。グッピーの尾ぐされと同様、強力な組織の溶解を引き起こす。水槽に塩(普通の食塩でよい)を0.5%いれておくと予防に有効。 運動性エロモナス病 / 運動性エロモナス敗血症→詳細は「運動性エロモナス敗血症」を参照
常在菌のエロモナス菌の引き起こす病気で、魚が弱ると感染し、二種類の症状がある。一つは、まつかさ病で、鱗が逆立ってしまう(ちなみにピンポンパールの鱗の逆立ちは生まれつきなので問題ない)。もう一つが、赤班病で、皮膚や鱗に皮下出血が見られる。魚が急激に弱る。いずれも皮下組織の病気で、根気よく治療する必要がある。 風船病ピンポンパール(短尾珍珠鱗)に特有の病気。主に腹部や尾部の皮膚に風船状の水疱(みずぶくれ)が複数発生する。血液状の液体で満たされた血腫状のふくらみになることもある。ガマガエル症候群(ガマ病)という呼び名もネット上では散見される。原因は不明だが、エロモナス属細菌の感染によるものであり、まつかさ病がピンポンパールの硬い鱗のために水疱状を呈するのではとの推測もある。難治性で致死率も高いとされるが、滅菌性の薬剤(ニトロフラゾンなど)により薬浴させて2週間ほどで治癒した報告もある。 病気の診断方法
病気の治療法
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