10ヤードファイト
『10ヤードファイト』 (10-Yard Fight) は、1983年にアイレム(現アイレムソフトウェアエンジニアリングないしアピエス)から稼働されたアーケードゲーム。アメリカンフットボールのルールをほとんど知らなくても楽しめる事が好評を得ていた。 概要アーケード版
ファミリーコンピュータ版1985年にファミリーコンピュータ(以下、FC)用ゲームソフトとしても移植され、電源を入れるとロムカセットの赤いLEDが点灯する(後期生産分はLEDなし)。日本国外でのNES版は、北米では1985年10月18日に、欧州では1985年12月に任天堂から発売された。 現版ではFC版を中心に解説する。 ゲーム内容共通の事項攻撃側よりも守備側の方が動きが速いため、攻撃側は上手く立ち回って守備側の妨害を避けて行かねばならない。この時左右のラインを割ってしまうと攻撃は失敗となるので、左右のラインにも注意しながら守備側の妨害を避けてゆくこととなる。なおパスをして守備側の妨害を避ける手もあるが、パスをインターセプトされると20ヤード後退せねばならないというリスクがある(パスインコンプリートはゲームのシステム上発生しない)。また最終手段として強引に守備側の選手を振りほどく手もあるが、こちらの成功率はあまり高くない。 ともあれ、妨害によって攻撃回数4回以内に10ヤードを進むことが出来なければ、10ヤード後退せねばならない。 通常のアメリカンフットボールとは得点のシステムが異なっていて、本作で採用されている得点システムは次の通り。
なお試合中は99990点を超えると表示上0点にリセットされた上で得点が加算されてゆくため、見かけ上0点でも100000点である場合もある。得点は99990点以上も加算され続けており、試合結果の表示では正確な得点が表示される。ただし655350点がプログラム上の上限になっており、655360点になったと同時に0にリセットされてしまう(650000点の時に10000点を取ると4640点(660000-655360)になる)。 1人プレイ時常にプレイヤーは攻撃側を担当し、高校生チーム、大学生チーム、プロチーム、スーパーチーム……と対戦してゆく。当然、徐々に敵チームの動きが良くなるとともに、攻撃側のスタートフィールド地点が下がっていき、難易度が上がってゆく。また、スタート時の制限時間も少なくなっていく。 制限時間を使いきり、1st Downに成功できないと、その時点でゲームオーバーとなる。 制限時間を余らせてボールを持ってゴールラインを超えると、残り時間に応じてボーナス得点が手に入る。このボーナスは2人プレイの時は無い。 1st Downに成功すると一定の時間ボーナスが与えられ、制限時間が伸びる。 フィールドの一番下のGラインを割ってしまうと、制限時間を01:00に減らされてしまう。 2人プレイ時両プレイヤーとも、攻撃側と守備側とを交互に2回ずつ担当する(なお攻撃時間には時間制限がある)。攻撃側は守備側の妨害を上手くかいくぐり得点を上げることを目的とし、守備側は攻撃側を妨害して少しでも得点を上げられないようにすることを目的として行動する。この結果、先述の得点システムの下で、より高い得点を上げた方が勝者となる。なお、同点の場合は1プレーヤーが勝者となる。 攻撃側が制限時間を使いきり、1st Downに成功できなかった時点で、攻守交代。 1st Downに成功するか、ボールを持ってゴールラインを超えると一定の時間ボーナスが与えられ制限時間が伸びるが、1人プレイの時とは与えられるボーナス時間に差がある。フォワードパスを通すとそのダウンの間は時間減算が停止するという特別ルールのため、ランで距離を稼ぐよりも効率がよい(ただし、パスインターセプトのリスクは当然存在する)。 フィールドの一番下のGラインを割ってしまうと、制限時間を00:20に減らされてしまう。 移植版
スタッフ
評価
1997年に刊行されたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、「アメリカンフットボールという日本では馴染みの薄いスポーツが題材ではあったが非常に人気が高かった」、「必ずレシーブから始まり攻撃のみという点に徹底したところが良かった。これにより細かいルールは気にせず、ただひたすら突き進めばOK。制限時間内にタッチダウンを目指すだけである」、「プレイヤーを熱くさせたのがレバガチャでタックルをふりほどくシステムであろう。現在では対戦格闘ゲームを中心に珍しくはない行動であるが、当時では異色の操作法である」と紹介されている[3]。
『ファミリーコンピュータMagazine』の1991年5月10日号特別付録の「ファミコンロムカセット オールカタログ」では、「ジョイスティックがないと少々つらい」と紹介されている[2]。 脚注
外部リンク
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