2019年のマラソングランドチャンピオンシップ![]() ![]() ![]() ![]() 2019年のマラソングランドチャンピオンシップは2019年9月15日に東京都内で2020年東京オリンピックマラソン日本代表選考会として開催された1回目のマラソングランドチャンピオンシップ (Marathon Grand Championship、略称:MGC)[1]。 本項目では、MGC後に行われた、東京オリンピックマラソン日本代表選考レースとして行われたマラソングランドチャンピオンシップファイナルチャレンジ(MGCファイナルチャレンジ)の概要についても記す。 概要→「マラソングランドチャンピオンシップ § 概要」も参照
従来、夏季オリンピックに出場するマラソンの日本代表選手の選考は「指定された複数の競技会の上位入賞者から日本陸上競技連盟(日本陸連)が選考」していたが、2020年東京オリンピック・男女マラソンの日本代表選手選考では、2017年4月18日に日本陸連が発表した「本大会において最大限持てる力を発揮する『調整能力』と世界と戦う『スピード』を有し、メダル獲得を目指す競技者から日本代表を編成する」選考方針[2] に基づき、「指定された競技会の上位入賞者が一堂に会する『選考競技会』を開催し、その大会の上位入賞者を日本代表に即時内定する」とされ、本大会はその『選考競技会』として開催された。6月7日に開催された「東京2020オリンピックマラソン強化キックオフミーティング」で詳細[3]、8月23日に正式名称と「ドットがひとりひとりのランナーを表し、すべてのランナーが日本代表を目指すことを示す」日の出を模したロゴマーク[4][5] がそれぞれ発表された。 この方式が導入されるのは当面今大会限りとされたものの、大会後に日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーの瀬古利彦は「絶対に負けられない緊張感の中で走れることは、選手にとって貴重な体験」と述べ、日本陸連専務理事の尾縣貢も「(選手選考が)すっきりした点は高く評価できる。今後、そのままの形でできるとは思わないが、この要素をどう継承していくか検討していきたい」と述べており、次回以降も同種の選手選考方式を導入する可能性を示唆しており[6]、2021年11月10日に日本陸連が2024年パリオリンピックのマラソン代表選考会として本大会を2023年秋に開催すると発表した(2023年のマラソングランドチャンピオンシップ)。 大会要項出典:[7]
コース2018年6月15日に大会コースが発表された[1]。2020年東京オリンピックで当初予定されていたコースに準ずるが、スタート・フィニッシュ地点となる国立競技場が未完成のため明治神宮外苑周辺に設定する。東京マラソンのコースと重複が多いために東京マラソン財団へ運営協力を依頼し、五輪のテストイベントとしても実施された。
選考過程2017年から2019年にかけて行われる指定された大会を「マラソングランドチャンピオンシップシリーズ(MGCシリーズ)」として、タイムと順位をクリアしてMGC本大会出場権を得る。MGCシリーズ以外の国際陸上競技連盟が世界記録を公認する競技会においても条件を満たすとワイルドカードとして出場権を得られる。 MGCで男女各2名が東京オリンピック日本代表に内定し、残り各1枠は「マラソングランドチャンピオンシップファイナルチャレンジ(MGCファイナルチャレンジ)」として指定された大会で争う。 MGCシリーズ対象レース各シーズンことに2017-2018シリーズ、2018-2019シリーズとして当該シリーズにおける以下のレースを対象とする。大会ごとに設定された記録をクリアした者に出場権の楯が贈られる。
ワイルドカード以下の条件を満たすと、ワイルドカードとして出場が可能となる。
東京オリンピック代表の選考MGC本大会で、以下の優先順位により東京オリンピック代表の内定者が決定される。
MGC出場権獲得者以下の男子34人・女子15人が出場権を獲得した[10]。ただし、ほぼ同時期の2019年9月下旬にカタール・ドーハで開催される、2019年世界陸上競技選手権大会の男女各マラソン代表選出・出場選手は本大会に出走できない[11]。 番号はMGCのエントリーナンバーで、多くの大会で採用されている記録順(持ちタイム順)ではなく出場権獲得順に付される。
レース概要男子午前8時50分ちょうどにスタート予定だったが、開始2分前にスターターがピストルの異常に気付き[注釈 3]、急きょ予備と交換したためスタートが予定より1分54秒遅れるトラブルがあった[38]。 事前の予想では、現日本記録保持者の大迫傑と前日本記録保持者の設楽悠太、さらに福岡国際マラソンで強い勝ち方をした服部勇馬と2018アジア大会を制した井上大仁を加えた4人が「4強」と目されており、後半の暑さと最終盤の上り坂がカギとなるとみられていた[39][40] 。 レースはスタート直後から設楽一人だけがハイペースで飛び出し、中間点では2位集団に2分以上の大差をつけ独走する。しかしゴール後に設楽本人が「25kmぐらいからきつくなった」[41] と語ったように徐々に失速し、37.3Km地点で9人の集団が設楽を逆転。設楽は集団につけず後退していく。 優勝争いは、39kmで6人の集団から橋本崚がペースを上げると、39.2kmで中村匠吾がロングスパート。この仕掛けに服部と大迫が反応し3人の争いとなる。中村は41km手前で一旦は大迫に追いつかれるも、41.3kmの急坂を利用して再度スパートし、二人を振り切って優勝を飾った。2位争いは大迫と服部の一騎打ちとなり、中村に追いついた際に足を使ってしまった大迫を41.9kmで服部が逆転。最後は服部が大迫を5秒差で振り切り、五輪代表権を得た。大迫は3位でファイナルチャレンジの結果待ちとなった。 後続では、最後まで先頭集団についた大塚祥平と橋本がそれぞれ4位と5位。設楽は終盤さらにスローダウンして14位。井上はペースを上げることができずに完走者中で最下位の27位[42] となった。 女子以前の高橋尚子や野口みずきといった絶対的実力の選手がいない上、参加選手が少ないことからスローペースが予想され、スピードのある松田瑞生と鈴木亜由子を中心としたレース展開が予想されていた[39][40]が、レースが始まると出場選手中最年少の一山麻緒が積極的に仕掛ける[43]。一山のペースが落ちた10km過ぎ、今度は前田穂南が先頭を引くとペースが上がり、13Kmで一山、14Kmで松田、18Km過ぎに安藤・福士・小原が集団から脱落するサバイバルレースとなった。 20Km過ぎで鈴木も遅れ、前田の独走状態となる。ペースメーカーがいないレースの中で、自力でペースをつくり安定した走りを見せた前田[44] が後続との差を広げてそのままゴールし、五輪代表権を得た。 2位争いは、前田のハイペースについて行かず「自分のペースを守る意味で離れた」鈴木[45] が2位をキープし、徐々に3位と差を広げるも、終盤ペースの落ちた鈴木に対して小原怜がその差を詰める。しかしその差を逆転するには至らず、前田に4分近い差をつけられたものの、鈴木が小原を4秒差で振り切って五輪代表権を得た。この結果、前田と鈴木が代表に内定、小原はファイナルチャレンジの結果待ちとなった。 優勝候補と目された松田はレース前半で優勝争いから脱落して4位。序盤レースを引っ張った一山は6位。他種目を含め5大会連続の五輪を目指した福士加代子は7位であった。 ギャラリー結果男子
中継テレビ・ラジオ放送
テレビ男子
女子
ラジオ男子
女子 インターネットでの配信
MGCファイナルチャレンジ2019年から2020年にかけて行われる以下の3大会が対象となった。MGCファイナルチャレンジ派遣設定記録をクリアした最上位が内定[51] する。クリアした者がいない場合はMGC2枠に入らなかった次点(第3位入着者)が内定となる。
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脚注注釈出典
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