2022年バレーボール男子世界選手権
2022年バレーボール男子世界選手権(英語: 2022 FIVB Volleyball Men's World Championship)は、2022年にポーランドとスロベニアで開催されたバレーボール男子世界選手権(第20回)。 開催国選出2018年11月15日、FIVBは、2022年開催の世界選手権の開催国がロシアに決定したと発表した[1]。 しかし、2019年12月、ロシア反ドーピング機関(RUSADA)が世界反ドーピング機関(WADA)に提出したデータが大幅に改ざんされていたことが発覚し、ロシアにおける過去の組織的なドーピングが認定されたことにより、2022年12月16日までロシアの選手団を主要国際大会に派遣できないこととなった。2020年東京オリンピックでは、ロシア代表の選手はロシア代表としてではなく指定された組織ROCのメンバーとしての出場となり、ロシアの国旗と国歌も使用不可となった[2][3]。当大会では、大会開催はそのままロシアに委ねられたが、選手はロシア代表としてではなく、VFR(Volleyball Federation of Russia、ロシアバレーボール連盟)のメンバーとしての出場となり、国旗と国歌も原則として使用不可となる[4][5]。 2022年2月、ロシアのウクライナ侵攻により、開催国変更を要望する声が出た。しかし、FIVBは、スポーツは常に政治から切り離されるべきだと主張し、ロシアでの開催を固持する方針を打ち出した[6]。それに対し、ポーランド、フランス、スロベニア、オランダは、ロシアで開催するなら出場辞退すると宣告した[7]。後に同年3月1日、FIVBはロシアでの開催を剥奪すると声明をだした[8]。同日に、新たな通知が出るまでVFRとベラルーシに国際大会への出場権を与えなくする宣告も出した[9]。3月7日、FIVBは新たな開催国の募集を始めたと発表した[10]。 開催国決定を迅速に行う必要があるため、複数の国による共催の可能性も示唆しており、この場合、1次ラウンドとラウンド16、準々決勝を2ヶ国に分け、準決勝と決勝を1ヶ国で開催することが想定されている[11]。 2022年4月14日、ポーランド首相であるマテウシュ・モラヴィエツキが、ポーランドとスロベニアが2022年男子世界選手権を開催することを明らかにした[12][13]。そして、翌15日、FIVBは、ポーランド・スロベニア共催を正式に発表し、同時に、ヨーロッパの他国も開催に参加する可能性があると表明した[14][15]。なお、ポーランドは同年の女子世界選手権もオランダとの共催として開催するため、ともに共催国のひとつとは言え男女世界選手権が2006年日本大会以来16年ぶりに同一国で開催されることになった。 日程開催地
出場チーム出場チームは24チーム[16]。出場チームの選定は以下の順で行われた[17]。
各大陸の選手権が終了した後の2021年9月21日に、各選手権の成績とFIVBランキングより出場チームが選定された[4][5]。WADAからの処分により、当初開催国であったロシア代表の選手は、VFRのメンバーとしての出場となる予定だった[4][5]。2022年3月1日、ロシアのウクライナ侵攻により、FIVBは、ロシアの開催権とロシア代表の出場権を剥奪した[8][9]。4月15日、FIVBは、VFRの替わりにFIVBランキングの次点であったウクライナが代替出場すると発表した[14]。
大会方式1次ラウンドと最終ラウンドの2段階方式である[10]。基本的にはFIFAフットサルワールドカップと同じ。当初は2次リーグと3次リーグも開催される予定であったが、開催国変更の際に開催されないこととなった[16][10]。
出場24チームを6つのプールに4チームずつ分け、各プールで1回戦総当たりを行う。各プール上位2チームと各プール3位6チームのうち成績上位4チームの計16チームが最終ラウンドに進出する。最終ラウンド進出チームは1次ラウンドの全ての結果が持ち越される。 1次ラウンド敗退となった8チームは最終順位が確定し、1次ラウンドの成績により17-24位のどれかになる[19]。
1次ラウンドを勝ち抜いた16チームが勝ち抜き戦方式で優勝を争う。3位決定戦も実施される。 組合せは1次ラウンドの成績により決められ、開催国であるポーランドとスロベニアは最終ラウンドに進出した場合にシード順で最上位となる(両チームが進出した場合は成績により第1シード、第2シードが与えられ、準決勝まで当たらない配置となる。)。開催国が所属するブロックの8チームは、勝ち上がった場合、準々決勝までその開催国で試合をする。準決勝以降はポーランドで開催[19]。 ラウンド16、準々決勝で敗退したチームの最終順位は、ラウンド16で敗退した8チームは9-16位のうちのどれか、準々決勝で敗退した4チームは5-8位のどれかとなる[19]。 競技方式当大会特別の競技方式が以下のように定められた[20]。
組分け抽選2021年9月30日にモスクワで組分け抽選会が開催され、一度組分けが確定したが、開催国変更と出場チームの変更となり、VFRに代わりウクライナとなり、組分け再抽選は開催せずVFRがいたプールAにそのまま入る形となった。 当セクションでは最初のモスクワでの組分け抽選から説明する。 組分け抽選会開催2021年9月30日にモスクワで開催され、1次ラウンドの組分けと各試合の試合会場が確定した[21][22]。 出場24チームがFIVBランキングによりポジション1-4の4組に分けられ、各ポジションごとに1次ラウンドのプールA-Fに1チームずつ抽選で振り分けられる。ただし、最初にポジション1のチームは、プールAに開催国のロシア(VFR)が入り、他の5チームはFIVBランキングの順にプールB-Fに自動的に入る。組分けが確定した後、プールB-Fの開催地を抽選で確定する(プールAは自動的にモスクワで確定)。 ポジション1-4は以下の通り。括弧内の数字は9月30日時点のFIVBランキングを表す。
抽選会は、ポジション4→ポジション3→ポジション2→開催地の順で行われた。抽選の結果、1次ラウンドの組分けとプールごとの開催地は以下の通りになった。
開催国・出場チーム・大会方式の変更へ2022年3月1日、FIVBからロシア開催の中止とVFRの出場権剥奪が発表された[8][9]。 3月7日、FIVBは新たな開催国の募集を始めたと発表し、また、大会方式について、当初予定していた2次ラウンドと3次ラウンドを取りやめ、1次ラウンドを勝ち抜いた16チームが決勝トーナメントで優勝を争う方式に変更する方針も発表した[10]。3月15日、FIVBからポーランド・スロベニア共催、代替出場チームがウクライナになったことが発表され[14]、組合せ再抽選は行わずウクライナはVFRがいたプールAに在籍することも明らかになった[23](開催国変更のため各プールの開催地は変更となる)。
順位決定方式プール内順位各プールの順位は以下のように定める[24]。
他のプールのチームと比較他のプールのチームと成績を比較する場合はプール内の順位が良いチームを上位とし、順位が同じである場合はプール内順位確定方式と同じ方式で比較し上位を決める。 1次ラウンドプールA
(Q)最終ラウンド進出確定
プールB
(Q)最終ラウンド進出確定
プールC
(Q)最終ラウンド進出確定
プールD
(Q)最終ラウンド進出確定
プールE
(Q)最終ラウンド進出確定
プールF
(Q)最終ラウンド進出確定
1次ラウンド全チーム成績
(Q)最終ラウンド進出確定 最終ラウンド
ラウンド16
【会場】 準々決勝
【会場】 準決勝
3位決定戦
決勝
最終順位
表彰決勝戦終了後、以下のようにドリームチームが発表された[25]。
脚注注釈出典
関連項目外部リンク |
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