あしかが大藤まつり号
あしかが大藤まつり号(あしかがおおふじまつりごう)は、東日本旅客鉄道(JR東日本)が運行する臨時特急列車の愛称である。 本項では足利・桐生方面に向けた行楽列車の沿革についても記述する。 概要栃木県足利市にあるあしかがフラワーパークで藤の見ごろの毎年ゴールデンウィークに開催される「大藤まつり」に合わせ、観光客の足として運転される。列車名はこのイベントにちなんで付けられている。 かつて上野・大船方面の列車は「足利藤まつり号」、いわき方面の列車は「足利大藤まつり号」という列車名で運転されていたが2019年の運転から統合され、以降はどの区間の列車でも「あしかが大藤まつり号」として運行されていた。また運行開始当初は快速列車だったが、2022年の運転より特急列車となった。 2024年の運行では、新たに新宿駅、高尾駅、吉川美南駅発着の列車を設定し、足利駅 - 桐生駅間を廃止の上で現行列車を含め名称をそれぞれ「あしかが大藤新宿号」「あしかが大藤高尾号」「あしかが大藤吉川美南号」「あしかが大藤大船号」とそれぞれ愛称を分けて運行された[1]。 2025年の運行は、吉川美南駅発着を西船橋駅発着へ延長の上、「あしかが大藤西船橋号」に変更される。 運行概況ゴールデンウィークとその前後の土休日に1 - 2往復/日が運転される。高崎線経由で運転される「あかぎ」などとは異なり、小山駅まで東北本線を走行する。年に数回の運転であるが、2013年度までの使用車両であった大宮総合車両センター所属の183系電車には専用のイラスト入りヘッドマークが用意されていた。 全車普通車指定席で、自由席やグリーン車の設定はない。2020年にも運転される予定だったが、新型コロナウイルスの影響で運休となったため運転されなかった。在来線チケットレス特急券サービスの対象外であり、踊り子・あかぎの座席未指定券では乗車出来ず、通常の特急料金が適用される。 あしかが大藤大船号かつては「足利藤まつり号」として運行されていた系統で「足利藤まつり号」「足利大藤まつり号」時代は3・4号が付番されていた[2]。2017年より運行区間を上野駅 - 桐生駅間から大船駅 - 桐生駅間に変更した。2024年は「あしかが大藤大船号」に名称変更の上、前年通過していた4駅は停車駅に追加し、起終点を足利駅に変更した[1]。 停車駅大船駅 - 横浜駅 - 品川駅 - 東京駅 - 上野駅 - 赤羽駅 - 浦和駅 - 大宮駅 - あしかがフラワーパーク駅 - 足利駅
使用車両特急化以降は大宮総合車両センター所属のE257系(5500番台5両編成)が使用されているが[3]、2023年春は185系6両編成で運転された[4]。2024年の運行では「あしかが大藤高尾号」「あしかが大藤大船号」の運行をE257系が、「あしかが大藤新宿号」「あしかが大藤吉川美南号」の運行を185系が担当する[1]。なお2019年にも幕張車両センター所属で豊田車両センターに常駐する波動用の500番台5両編成が大船発着列車に使用されていた。 「足利藤まつり号」の運行開始当初は183系が用いられたが、2014年からは185系での運行となっていた。185系は2021年まで使用され、上記の2019年を除いて上野方面の全列車を担当していた。なお両形式ともモノクラス6両編成であった。
かつて運行されていた系統2022年までは上野駅 - 桐生駅間の1・2号、快速時代はいわき駅 - 桐生駅間を常磐線・水戸線・両毛線経由で運行する5・6号も存在した。 あしかが大藤まつり5・6号
かつては「足利大藤まつり号」として運行されていた系統で、水戸線と両毛線を直通する数少ない列車であった。 停車駅いわき駅 - 湯本駅 - 泉駅 - 磯原駅 - 高萩駅 - 日立駅 - 常陸多賀駅 - 大甕駅 - 東海駅 - 勝田駅 - 水戸駅 - 赤塚駅 - 友部駅 -下館駅 - あしかがフラワーパーク駅 - 桐生駅 使用車両2020年以降は高崎車両センター所属の485系「リゾートやまどり」6両編成で運転されていた。 2006年の運行開始から2012年までと2015年は485系(6両編成)[5][6]、2013年と2014年は勝田車両センター所属のE653系(4両編成)[7][8]、2016年から2019年までは勝田車両センター所属の651系(4両編成)で運転されていた[9]。 その他の列車藤の花観ナイト号あしかがフラワーパークの「大藤まつり」に合わせた列車として、「本物の出会い 栃木」アフターデスティネーションキャンペーンが開催された2019年より毎年4月に吉川美南駅 - 足利駅間で運行されている。なお2023年より特急「藤の花ライトアップ号」に変更される予定。
秋期臨時列車あしかがフラワーパークで行われるイルミネーション「光の花の庭」にあわせ、2024年の秋期に臨時列車が運転される。前年に運行した武蔵野線方面からの『きらきら足利イルミ』を始め、新たに大船発着の『あしかがイルミ大船号』と新宿発着の『あしかがイルミ新宿号』が設定される。3本とも使用車両は、E257系5500番台(全車指定席)で運行する。 あしかがイルミ大船号あしかがイルミ新宿号きらきら足利イルミ
冬期臨時列車冬期にあしかがフラワーパークで行われるイルミネーション「光の花の庭」にあわせ、冬期に臨時列車が運転された。2018年 - 2020年は大宮駅 - 足利駅間の快速「足利イルミネーション」が運転されていたが、2021年より中央快速線方面、2022年より武蔵野線方面の特急列車が運転された[10]。 ときめき足利イルミ
きらきら足利イルミ
沿革→かつて東京方面から東北本線小山駅経由で両毛線に直通運転していた優等列車についての詳細は「宇都宮線優等列車沿革」および「宇都宮線区間で快速運転した列車の沿革」を参照
東京方面から東北本線経由で両毛線に直通運転する列車として、かつて1950年代から1980年代にかけて快速(後に準急を経て急行に格上げ)「わたらせ」(新橋(のち上野) - 高崎間、小山経由)や同「おおとね」(上野 - 桐生・宇都宮間)があった。また、1990年代前半の休日等多客期には「ホリデー快速足利号」が運行されていた。 「わたらせ」「おおとね」は朝上り各1往復、夕下り各1往復が定期列車として設定され、観光列車ではなく通勤等の利用客を対象とする列車であった。その後「わたらせ」は増発され、朝夕に各1往復が運転されるなど多目的列車へと展開したが、東北新幹線の上野駅開業に伴う優等列車運転系統の見直しにより解消された。 その後、1990年代には普通車のみの「ホリデー快速足利号」が新宿 - 桐生間(小山経由)に休日限定で運行された時期を経て、2005年よりゴールデンウィークとその前後の土休日に快速「足利藤まつり号」が1日1 - 2往復運転されている。 年表
脚注
関連項目
外部リンク |
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