西口(2019年3月)
栗橋駅(くりはしえき)は、埼玉県久喜市にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・東武鉄道の駅[1]。
JR東日本の東北本線と、東武鉄道の日光線の2路線が乗り入れ、接続駅となっているが、日光線の急行を除いて優等列車は停車しない。東北本線は旅客案内上の愛称「宇都宮線」の設定区間に含まれており、上野駅発着系統と、新宿駅経由で横須賀線に直通する湘南新宿ライン、上野駅・東京駅経由で東海道線に直通する上野東京ラインが停車する。
歴史
映像外部リンク |
---|
[2] - カスリーン台風で被害を受けた栗橋駅の惨状。まだ水につかっているが復旧工事が始まっている。 |
駅構造
自由通路を兼ねた橋上駅舎を有しており、JR東日本と東武鉄道それぞれに改札がある。
JR東日本
単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の計2面3線のホームを有する地上駅。
JR東日本ステーションサービスが駅管理を受託している、小山営業統括センター(久喜駅)管理の業務委託駅。
Suica対応自動改札機・指定席券売機が設置されている。2016年2月21日より、始発から午前6時30分までの間は遠隔対応(インターホン対応は久喜駅が行う)のため改札係員は不在となり、一部の自動券売機のみ稼働する。
のりば
(出典:JR東日本:駅構内図)
- 湘南新宿ラインの列車は前述のように横須賀線へ直通する。
- 2番線は待避線だが、2006年3月18日ダイヤ改正以降はダイヤが乱れた場合か、貨物列車の待避などの使用に限られる。そのため、コンコースでは「臨時上りホーム」と案内されている。2015年9月時点では土休日1本のみ、寝台特急『カシオペア』の運転日に当駅にて寝台特急の通過待ちを行っていた(運転日以外も時間調整のために5分程度停車)[15]。
- 毎年埼玉県民の日には、当駅発着の臨時快速「GOGO舞浜」が運転されることもある。配線の関係で、朝の舞浜行きは古河駅側から、夜の当駅止まりは到着後に古河駅方面へ回送される。
-
切符売り場(2022年12月)
-
ホーム(2019年3月)
東武鉄道
島式ホーム1面2線を有する地上駅。駅番号はTN 04。PASMO対応自動改札機設置。
のりば
番線 |
路線 |
方向 |
行先
|
1
|
日光線
|
上り
|
浅草方面
|
2
|
下り
|
東武日光方面
|
(出典:東武鉄道:構内マップ)
- 上記の路線名は旅客案内上の名称(「東武スカイツリーライン」は愛称)で表記している。
- 2013年3月16日のダイヤ改正で、当駅は区間快速の停車駅から外され[広報 4]、また2017年4月21日のダイヤ改正で当駅から東武動物公園・都心方面を乗り換えなしで結ぶ列車は全廃された[広報 5]。そのため当駅 - 東武動物公園、東武スカイツリーライン、半蔵門線、日比谷線方面を行き来する場合は、次の南栗橋駅で対面乗り換えとなる[広報 5]。
- 2017年4月21日のダイヤ改正で、快速・区間快速の廃止の代替として新設された急行・区間急行の停車駅となった[広報 5](区間急行は2022年3月12日のダイヤ改正で廃止)。
JR・東武連絡線とデッドセクション
当駅構内にはJR東日本の線路と東武鉄道の線路をつなぐ連絡線が設置されている。これは、2006年3月18日より開始された新宿 - 東武日光・鬼怒川温泉間を運行する特急列車「(スペーシア)日光・きぬがわ」の相互直通運転に合わせて新設されたもので、総工費は約16億円。厳密には国鉄時代末期まで貨物列車の授受線が設置されており、復活設置となる。
連絡線は両社の土地の境界線付近に設置され、東武の側線跡の土地も利用している。連絡線の途中には、両社の乗務員が交代するためのデッキ及び乗務員詰所が設置されている。JRと東武を直通する特急は当駅で旅客の乗降扱いを行わない(運賃・料金計算上は接続駅となる)ため、旅客用ホームは設けられておらず、列車は運転停車となる。線路の配置は運転本数が少ないため、単純な平面交差となっている。
連絡線上の新古河寄りには、長さ80メートルのデッドセクションが設けられている。東北本線東京 - 黒磯間と東武日光線はいずれも直流1,500ボルト電化であるが、双方の電源の混触を防ぐために設置されたもので、列車は惰行で通過する(通過中は車内照明が消灯するほか、空調も停止する)。デッドセクション内の架線は断路器を介して東武側の饋(き)電線に接続されており、何らかの理由で列車がデッドセクション内に停止した場合には東武側からの加圧で列車を動かすことができる。
なお、現時点では東武本線においてJR線と東武線が直結されている唯一の地点である。過去には北千住駅や久喜駅、栃木駅などでも接続していたが、貨物輸送の衰退に伴い分断された。
2020年代からは、当連絡線を介した東武の新製車両の搬入も実施されている[16]。
-
JR・東武の乗務員交代用のデッキ(東鷲宮方、2019年4月)
-
JR・東武の乗務員交代用のデッキ(新古河方、2019年4月)
-
乗務員交代のため連絡線で停車する485系(2010年1月)
-
連絡線から東武線に入る485系、デッドセクションを惰行で通過中(2010年1月)
-
連絡線のデッドセクション(2019年4月)
-
JR・東武連絡線。右がJR線、左が東武線(2009年5月)。
利用状況
乗換駅だが、JRは優等列車が止まらず、東武は都心方面からの一般電車は南栗橋止まりで、東武特急も止まるようになった久喜駅に比べると乗り換え客は少ない。それでも平成の大合併前の旧郡部に立地する駅としては、全国的に見れば多い部類に入る。東武は2017年(平成29年)に新設された区間急行(現在は設定なし)・急行の停車駅となった際、乗車人員の増加がみられている。
駅勢圏は市境の近い加須市大利根地域は勿論のこと、当駅にコミュニティバスが乗り入れる利根川対岸の茨城県古河市中田地域や権現堂川対岸の五霞町も含まれる。
年度別1日平均乗降人員
1990年度(平成2年度)以降の1日平均乗降人員の推移は以下の通りである(JRは除く)。
年度別1日平均乗降人員[* 1][東武 2]
年度
|
東武鉄道
|
出典
|
1日平均 乗降人員
|
増加率
|
1990年(平成02年)
|
7,640 |
|
|
1991年(平成03年)
|
8,091 |
5.9% |
|
1992年(平成04年)
|
8,748 |
8.1% |
|
1993年(平成05年)
|
9,073 |
3.7% |
|
1994年(平成06年)
|
9,822 |
8.3% |
|
1995年(平成07年)
|
9,944 |
1.2% |
|
1996年(平成08年)
|
10,099 |
1.6% |
|
1997年(平成09年)
|
10,155 |
0.6% |
|
1998年(平成10年)
|
10,087 |
−0.7% |
|
1999年(平成11年)
|
9,963 |
−1.2% |
|
2000年(平成12年)
|
10,413 |
4.5% |
|
2001年(平成13年)
|
10,944 |
5.0% |
|
2002年(平成14年)
|
10,511 |
−4.0% |
|
2003年(平成15年)
|
10,384 |
−1.2% |
|
2004年(平成16年)
|
10,254 |
−1.3% |
|
2005年(平成17年)
|
10,092 |
−1.6% |
|
2006年(平成18年)
|
11,060 |
9.6% |
|
2007年(平成19年)
|
11,371 |
2.8% |
|
2008年(平成20年)
|
11,429 |
0.5% |
|
2009年(平成21年)
|
10,880 |
−4.8% |
|
2010年(平成22年)
|
10,868 |
−0.1% |
|
2011年(平成23年)
|
10,773 |
−0.9% |
|
2012年(平成24年)
|
11,180 |
3.8% |
|
2013年(平成25年)
|
11,106 |
−0.7% |
|
2014年(平成26年)
|
10,944 |
−1.5% |
|
2015年(平成27年)
|
10,972 |
0.3% |
|
2016年(平成28年)
|
11,118 |
1.3% |
|
2017年(平成29年)
|
11,831 |
6.4% |
|
2018年(平成30年)
|
11,819 |
−0.1% |
|
2019年(令和元年)
|
11,628 |
−1.6% |
|
2020年(令和02年)
|
7,950 |
−31.6% |
[東武 3]
|
2021年(令和03年)
|
9,015 |
13.4% |
[東武 4]
|
2022年(令和04年)
|
9,730 |
13.4% |
[東武 5]
|
2023年(令和05年)
|
10,131 |
4.1% |
[東武 6]
|
2024年(令和06年)
|
9,733 |
−3.9%
|
[東武 1]
|
年度別1日平均乗車人員
1990年度(平成2年度)以降の1日平均乗車人員推移は以下の通りである。
年度別1日平均乗車人員[* 2][* 3]
年度
|
JR東日本
|
東武鉄道
|
出典
|
1990年(平成02年)
|
10,611
|
3,625
|
|
1991年(平成03年)
|
11,156
|
3,844
|
|
1992年(平成04年)
|
11,677
|
4,179
|
|
1993年(平成05年)
|
12,101
|
4,347
|
|
1994年(平成06年)
|
12,317
|
4,723
|
|
1995年(平成07年)
|
12,332
|
4,840
|
|
1996年(平成08年)
|
12,387
|
4,893
|
|
1997年(平成09年)
|
12,241
|
4,941
|
|
1998年(平成10年)
|
12,140
|
4,881
|
|
1999年(平成11年)
|
12,014
|
4,799
|
[県統計 1]
|
2000年(平成12年)
|
11,965
|
5,126
|
[JR 2][県統計 2]
|
2001年(平成13年)
|
12,451
|
5,470
|
[JR 3][県統計 3]
|
2002年(平成14年)
|
12,426
|
5,277
|
[JR 4][県統計 4]
|
2003年(平成15年)
|
12,347
|
5,234
|
[JR 5][県統計 5]
|
2004年(平成16年)
|
12,307
|
5,175
|
[JR 6][県統計 6]
|
2005年(平成17年)
|
12,396
|
5,099
|
[JR 7][県統計 7]
|
2006年(平成18年)
|
13,008
|
5,599
|
[JR 8][県統計 8]
|
2007年(平成19年)
|
13,044
|
5,689
|
[JR 9][県統計 9]
|
2008年(平成20年)
|
12,873
|
5,714
|
[JR 10][県統計 10]
|
2009年(平成21年)
|
12,291
|
5,423
|
[JR 11][県統計 11]
|
2010年(平成22年)
|
11,988
|
5,425
|
[JR 12][県統計 12]
|
2011年(平成23年)
|
11,989
|
5,341
|
[JR 13][県統計 13]
|
2012年(平成24年)
|
12,107
|
5,539
|
[JR 14][県統計 14]
|
2013年(平成25年)
|
12,192
|
5,502
|
[JR 15][県統計 15]
|
2014年(平成26年)
|
11,843
|
5,411
|
[JR 16][県統計 16]
|
2015年(平成27年)
|
12,094
|
5,430
|
[JR 17][県統計 17]
|
2016年(平成28年)
|
12,150
|
5,436
|
[JR 18][県統計 18]
|
2017年(平成29年)
|
12,499
|
5,788
|
[JR 19][県統計 19]
|
2018年(平成30年)
|
12,538
|
5,798
|
[JR 20][県統計 20]
|
2019年(令和元年)
|
12,297
|
5,724
|
[JR 21][県統計 21]
|
2020年(令和02年)
|
8,826
|
3,922
|
[JR 22][県統計 22]
|
2021年(令和03年)
|
9,522
|
4,439
|
[JR 23][東武 4]
|
2022年(令和04年)
|
10,451
|
4,799
|
[JR 24][東武 5]
|
2023年(令和05年)
|
10,963
|
4,998
|
[JR 1][東武 6]
|
2024年(令和06年)
|
|
4,776
|
[東武 1]
|
駅周辺
当駅は久喜市旧栗橋町の中心市街地に位置し、栗橋総合支所の最寄り駅である。付近には複数のスーパー・コンビニ・ドラッグストアなどもある。近年開設された西口は土地区画整理事業が完了してから日が浅く、駅前には暫定的な土地利用としてパークアンドライドを目的としたコインパーキングが多く立地する。
東口
日光街道・奥州街道の旧宿場町(栗橋宿)があり、歴史的建造物も存在する。旧栗橋町の中心市街地を成している。ゴルフ場、栗橋国際カントリー倶楽部が存在することから、前述の歴史節で触れた通り、快速フェアーウェイが停車していた。フェアーウェイも参照。
-
国土交通省利根川上流河川事務所
-
久喜市栗橋総合支所
西口
西口開設に併せて、久喜市(旧栗橋町)域と加須市(旧大利根町)域でそれぞれ土地区画整理事業が行われた。栗橋地区は2022年3月に町名地番変更が行われた[12]。900メートルほど西に進むと、加須市大利根地域であり、大利根地区の区画整理は2017年に町名地番変更が行われている[17]。なお、大利根地区に南接する同じ加須市内の野中土地区画整理事業は施工中(2033年完了)である[18]。
西口は加須市北川辺地域に所在する開智未来中学・高等学校のスクールバス停留所にもなっており、栗橋北彩高校と併せて生徒の利用も多い。開智未来中学・高等学校の生徒の多くが当駅を利用し通学することから、当駅発着のスクールバス便が最も多い[19]。
その他、群馬県館林市に所在する前橋競輪の館林場外競輪車券売場(トーターレボリューションドーム館林)行きの無料送迎バスも、当駅西口から競輪開催日のみ運行されている[20]。
その他
- 当駅 - 古河駅間の茨城県古河市の旧新郷村内には、かつて昭和20年代に新郷村民の猛運動で出来た、出口や改札口、プラットホームもない新郷駅があった[21]。昭和45年発行の『古河市のあゆみ 市制20周年記念』によると、利根川橋梁のカスリーン台風に伴う改修工事中は単線運転になり、現古河市側は中田信号所が設置され、朝ラッシュ時上りと夕ラッシュ時下り1本ずつが停車したとの記述がある。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道(JR東日本)
- ■宇都宮線
- ■快速(「ラビット」を含む)
- 通過
- ■普通
- 東鷲宮駅 - 栗橋駅 - 古河駅
- 東武鉄道
日光線
- ■急行
- 南栗橋駅(TN 03) - 栗橋駅(TN 04) - 板倉東洋大前駅(TN 07)
- ■普通
- 南栗橋駅(TN 03) - 栗橋駅(TN 04) - 新古河駅(TN 05)
脚注
記事本文
出典
広報資料・プレスリリースなど一次資料
利用状況
- JR東日本の2000年度以降の乗車人員
- 東武鉄道の1日平均利用客数
- JR・私鉄の統計データ
- 埼玉県統計年鑑
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、 栗橋駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク
|