おかえり、はやぶさ
『おかえり、はやぶさ』は、2012年3月10日公開の日本映画。監督は本木克英。主演は藤原竜也。 キャッチコピーは「宇宙体感の3Dで贈る、機械と人の冒険の旅」。 概要日本の小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトを、他の宇宙開発プロジェクトやそれらを取り巻く人々の姿を交えて描く。 「はやぶさ」を題材にした映画が2011年から2012年春にかけて相次いで公開された。その中で本作は実写作品としては『はやぶさ/HAYABUSA』『はやぶさ 遥かなる帰還』に次ぐ3番目の作品であり、それまでの2作と異なり、3Dで制作された。これら3作品は、20世紀フォックス・東映・松竹の映画大手3社による競作として注目された[2]。 ストーリー2003年5月9日、「小惑星イトカワのカケラを拾って地球に持ち帰る」というミッションを帯びて、内之浦 から、小惑星探査機“はやぶさ”が打ち上げられた。プロジェクトマネージャーの江本智彦(大杉漣)のもと、若手スタッフとしてエンジニア助手の大橋健人(藤原竜也)、新人理学博士の野村奈緒子(杏)らが参加したプロジェクトだった。同年12月、“はやぶさ”が順調な航行を始めた頃、打ち上げから5年半を経過した火星探査機“のぞみ” が、度重なるトラブルと故障のため、火星へ約1,000 kmまで接近したものの、最終的には火星周回軌道 への投入を断念した。プロジェクトマネージャーだった健人の父・伊佐夫(三浦友和)は、税金を無駄にしたと、非難の矢面に立たされる。打ち上げから2年、“はやぶさ”は、宇宙に夢を抱く人々が願いを託す存在となっていた。健人の同僚、大吾(田中直樹)の息子・風也(前田旺志郎)も、母・多美(森口瑤子)の病気の回復を“はやぶさ”プロジェクトの成功に託し、科学教室でみんなに説明をするくらい詳しくなっていた。人生の大半を“のぞみ”に賭けてきた健人の父は引退し、世間との関わりを避けて、同じ道を進む息子の健人にさえ心を開こうともせず、相変わらず自分を責め続けていた。2005年11月、イトカワ付近に到着した“はやぶさ”だったが、姿勢を崩して不時着。リスクを冒して2回目のタッチダウンに挑み、見事成功させる。ところが、燃料漏れやサンプルも採取されていない可能性も出て、通信も途絶となる。伊佐夫は碁の教室で「着眼大局 着手小局」と江本に諭す。スタッフはケンカしながらもチームワークとアイデアで奇跡的に乗り越え、“はやぶさ”は地球を目指す。この奇跡は“はやぶさ”を見守る人々にもそれぞれの形で広がっていく。アメリカに渡った多美の手術もドナーが見つかり成功、伊佐夫は奈緒子(高校生の時に伊佐夫の講演に感動してこの道を目指していた)からの講演会の依頼を引き受け、社会復帰を果たす。2010年6月13日、満身創痍になりながら懸命に飛んだ“はやぶさ”は、ついに地球へ辿り着く。健人は父に「ここに連れてきてくれてありがとう」と電話で和解する。 登場人物
スタッフ
音楽主なロケ地
史実との相違点
本映画では、火星探査機「のぞみ」の軌道投入断念後に小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられた演出となっているが、実際は2003年5月9日に「はやぶさ」が打ち上げられた約半年後の2003年12月9日に「のぞみ」の軌道変更コマンドを送信している。 また、本映画では小惑星探査機「はやぶさ」の打ち上げ前からJAXA(宇宙航空研究開発機構)のロゴが使用されているが、実際は「はやぶさ」の構想・計画・開発は、文部科学省管轄のISAS(宇宙科学研究所)が行っており、JAXAへ統合されISASが宇宙科学研究本部と名称変更されたのは2003年10月1日のことである。 脚注
関連項目
外部リンク |
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