ひとごろし『ひとごろし』は、山本周五郎の時代小説、またそれを原作とした日本映画、テレビドラマ、演劇。 1964年10月、『別册文藝春秋』に掲載。 映画1972年
1972年1月21日、『初笑いびっくり武士道』という題名で公開。製作は松竹。コント55号主演。 DVDのタイトルは『びっくり武士道』。 スタッフキャスト
1976年
1976年10月16日に公開。永田プロダクション・大映・映像京都提携作品。配給:松竹。監督:大洲齊、主演:松田優作。 松田優作が出演する時代劇としては、『竜馬暗殺』(1974年)に続く2作目の作品であり、初主演作品でもある。 ストーリー福井藩。ある霧の濃い晩、武芸指南役の仁藤昂軒(にとう こうけん)は、酒に酔った帰途、彼を嫌う若い藩士たちによる闇討ちに出遭う。正々堂々を好む昂軒は彼らの態度に怒り、真剣を抜いて一網打尽にする。その現場に居合わせ、若い藩士たちを止めるために昂軒に立ち向かった中級職の藩士・加納も斬られて絶命してしまう。そのまま藩を去った昂軒に怒った藩主は、上意討ち(じょういうち=主君が部下に逃亡した罪人を処断させること)を命じたが、昂軒の腕前を知る藩士たちは誰も手を挙げなかった。そんな中、上意討ちを名乗り出たのは、藩きっての臆病者で知られた双子六兵衛(ふたご ろくべえ)だった。臆病な自身の悪評のために婚期を逃した妹・かねのため、また自身の汚名返上のため、六兵衛は蛮勇を振るって旅に出た。 旅に出てすぐ、六兵衛は昂軒に追いつく。上意討ちと直感した昂軒は六兵衛に決闘を求めたが、六兵衛は怖気づいて「ひとごろし!!」と叫び、逃げ出す。逃げた先の農道で六兵衛は、農民たちが先ほどの自分たちについて「逃げたお侍は偉い。往来の衆もみんな逃げた」と噂話をしているのを耳にする。「世間には俺のように臆病な人間のほうが多いのだ」とさとった六兵衛は一計を案じ、街に着くたび昂軒につきまとい、宿屋や飯屋で彼を指差して「ひとごろし」と叫んでは周りの人々の恐怖をあおり立て、昂軒がこちらに向かってくれば徹底的に逃げることで、武士道に凝り固まった昂軒の自尊心を傷つけ、精神的に追い詰めていく作戦を図る。執拗に作戦を展開する六兵衛は、昂軒との奇妙な距離感を保ったまま旅を続ける。 ある日、富山の街中で叫んでいた六兵衛は町奉行所に捕らわれるが、取り調べた町方与力・宗方は、六兵衛が持っていた上意書を見て早合点し、果たし合いの会場を提供したうえ、昂軒を連れてくる。窮地に陥った六兵衛はわざと頭を打ち、気が変になったふりをしてやり過ごす。真剣勝負にならないと判断した昂軒は刀を納めて立ち去る。 ある街道沿いの草むらで、ついに六兵衛と昂軒は向き合うが、福井藩士たちを斬ったことに対する罪悪感が大きくなっていた昂軒は六兵衛を斬ることができなかった。すべてに嫌気が差した昂軒は「武芸には、お前のような者に勝つすべがない」と叫び、この場で六兵衛に首を渡すために切腹することを宣言する。六兵衛はそれを押しとどめ、「持ち帰る前に首が腐ってしまうし、もとよりあなたの首には興味がない。ただ勝った証が欲しいだけだ」と告げ、昂軒の髻(もとどり=髷の髪の毛)を要求する。命のやり取りの無意味さをさとった昂軒は、構えていた短刀を振り上げ、髻を切り落として六兵衛に投げ渡した。 登場人物
キャストスタッフ
テレビドラマ1968年1968年10月2日から1969年3月26日までTBSが放送したオムニバスドラマ「仇討ち」の第2話「ひとごろし!」として放送。主演は三木のり平。 1970年1970年3月8日、TBSの「東芝日曜劇場」の枠で放送。 スタッフ
キャストほか 1987年1987年7月2日、テレビ朝日の傑作時代劇シリーズにおいて「上意討ち」のタイトルで放送。 スタッフキャストほか 演劇これまでに4度演劇化されている。
外部リンク
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