ひろしまフラワーフェスティバル
ひろしまフラワーフェスティバル(英: Hiroshima Flower Festival)は、広島県広島市平和大通り及び平和記念公園周辺をメイン会場に、毎年5月3日から5日まで開催される祭りである。動員数は毎年160万人を越え、「博多どんたく」などと並び、ゴールデンウィーク中の日本の祭りの中で最大級の動員数である。 概要1975年に、平和大通りにて広島東洋カープのセントラル・リーグ優勝パレードが行われ、当時としては驚異的な30万人を動員。これに後押しされ、既に平和大通り一帯を会場にした新しい祭りの構想を練っていた中国新聞社が中心となり商工会や市側と折衝を重ね、1977年に初開催。3日間で計125万人を集めて大成功を収めた。その後も2019年まで毎年開催されたが、2020年は新型コロナの世界的大流行で中止が決定した[1]。これは1977年の初開催以来初めてであり、同年は被爆75年という節目の年もあって実行委員会は関連した企画も検討していた[2]。 2021年は、平和大通りでのパレードを行わず、平和記念公園と旧広島市民球場を中心に開催し、ステージイベントは入場を制限して事前に募集して当選した人のみの観覧とする予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大のため無観客となり、代替としてステージイベントの公式YouTube配信を実施する事となった。また同じメイン会場で事前申し込みなしで自由来場できる予定だったライトアップイベントや、並木通りのフラワーテラスの無料公開についても開催が取りやめとなった[3]。 2023年は主要国首脳会議(G7広島サミット)が広島市で5月19日 - 21日に開催されることに伴い、サミットの円滑な開催と市内中心部の警備強化への配慮のため、6月10日(土曜日)・11日(日曜日)の2日間開催とし、2020年以降中断していたパレードなども復活した[4]。 開催当初よりミスフラワーを3人選び、祭りに花を添えている。1991年から2024年までは、ミス・コンテスト批判の高まりよりフラワークイーンに、さらに2025年からは、男女平等をアピールすることから、フラワーアンバサダーに名称を改めている。 新聞などではFFと略される。地元民はフラワーと略すこともある。 また、広島電鉄の路面電車によるラッピング車両が広島市内を走る(現在は年中運行している)。 主催団体の1つである中国新聞紙面上でも特集記事が組まれ、他紙が5月6日を新聞休刊日にしている場合も、新聞を発行している(2023年6月12日は新聞の発行がなかった)。 祭りの内容祭りのメインは、開催当初から5月3日の花車(祭りの当初は山車と呼ばれていた)と市民の行進である花の総合パレードと、2002年より行われている5月5日のきんさいYOSAKOIが主な行事になる。 3日の11時に、花の塔に点火して祭りが開始。平和大通り沿いに多くのステージが設置され、主催者が呼ぶスペシャルゲスト以外にも、多くの有名人がステージに立っている。また、パレードのない時間帯には平和大通りは歩行者天国になる。
花の総合パレードパレードは、平和大通りの田中町から平和記念公園前まで行っている。 2002年まで5月5日にはこどもの日パレードが行われ、2002年はこどもの日パレードときんさいYOSAKOIが両方行われた。2003年からはパレードは1日になり、企業・一般団体と子供団体が一緒に歩く形になった。2008年より、5月3日の「花の総合パレード」で、これまでの花ぐるまパレードにあわせて、折りづるみこし連も行われている。 2023年は開催日の変更により、6月10日に行われている。 きんさいYOSAKOI2002年より、5月5日にはきんさいYOSAKOIが行われている。11時からの平和大通りを練り歩きながらの演舞と、平和記念公園に設置されたカーネーションステージでの演舞に分かれ、審査している。 演舞の際は鳴子を使用することを求められ、使用しない場合は減点対象になる。 きんさいYOSAKOIで使われる曲は、きんさいYOSAKOI用にアレンジされた花ぐるま「ひろしまYOSAKOIきんさい花ぐるま」、「ひろしま鳴子踊りYOSAKOI花ぐるま」の他、オリジナル曲の使用もできる。 2023年は開催日の変更により、「花の総合パレード」と同日の6月10日に行われている。 2008年から、参加団体の増加により、大通りを2つに分ける形にグループ分けをしてパレードするようになった。 2014年からは、スタートからゴールまでの約1.2kmを流し踊りの形で演舞をするようになった。 カープ選手によるトークショー広島東洋カープの若手2軍選手がトークショーを開催することが恒例行事となっている。毎年フラワーフェスティバル会場内に「マツダZoom-Zoomひろば」が設置され、フラワーフェスティバル限定のカープグッズも多く販売している。しかし、直筆サイングッズに関しては当日販売対象分の購入整理券を配布しなければならない程購入希望者が多く、限定グッズの入手は大変困難である。 ステージ平和大通り沿い及び協賛会場に約30のステージが開設され、歌手が歌ったりしている。ステージには花の名前が付けられていて、「○○(花の名前)ステージ」と呼ばれている。メインステージは平和記念公園内の「カーネーションステージ」。 会場祭りが始まった当初より、平和大通り及び平和記念公園周辺をメイン会場にし、市内各所で開催されている。 2000年頃より、協賛会場として、NTTクレド、紙屋町シャレオ、広島県庁舎、広島城、エールエール地下広場、福屋広島駅前店、アルパーク、フレスタモールカジル横川、ゆめタウン広島、広島マリーナホップなどでも行われている。 祭りのテーマ開催当初より、3つのテーマを上げている。
また、毎年市民から公募した年ごとのテーマを上げている。
公式テーマ曲花ぐるま(歌:芹洋子、作詞:滝田常晴、作曲:小椋佳、編曲:高田弘)が代表的な公式テーマ曲である。 第3回のフラワー歌手に芹洋子が選ばれた時に「フラワー賛歌」として使用開始し、会場内やテレビ・ラジオCMなどで多く使われ、公式パンフレットにも歌詞が掲載され、開会セレモニーの時にフラワー歌手などが歌うのが恒例行事になっている。芹洋子は第3回以降も第4回及び第9回にも唯一、フラワー歌手に3回選ばれている。ノーマルバージョンのほか、YOSAKOIバージョンなども存在し、2010年には神園さやかのカバー版がFF公式CDとして、他の公式ソングと合わせて発表された。また、広島市近郊の防災用緊急放送用サイレンで、ワンフレーズだけ午後6時になると時報として鳴らしている。 その他、初回フラワー歌手の、フラワー・フェスティバル(歌:佐良直美、作詞:西川好次郎、作曲:小林亜星、編曲:竜崎孝路)が最初のテーマ曲として使われ、その他初回にフラワー音頭(作詞:岡本淳二、作曲:小林亜星、編曲:竜崎孝路)、第3回の花ぐるまのカップリングの花の想い(歌:芹洋子)、10回記念に作られた花たちの扉(歌:ジュディ・オング、作詞:来生えつこ、作曲:村下孝蔵。その後、村下自身が別の歌詞を付け『かすみ草』のタイトルでアルバム『かざぐるま』に収録している)、近年では青春は輝いて(歌:神園さやか)などもある。 FFスペシャルゲスト(フラワー歌手)フラワーフェスティバルでは2006年以降、大会主催者が複数組のFFスペシャルゲストを呼んでいる。呼ばれた歌手は、メインステージなどで歌を披露したりしている。 また、2006年以降FFゲストも呼んでいる。 フラワー歌手が廃止後は、主に地元に縁のある歌手がオープニングセレモニーで花ぐるまを歌っている。 2005年までは、フラワー歌手が一組呼ばれ、5月3日のオープニングセレモニーの時に花ぐるまを歌い、同日のパレード終了後にメインステージで、歌謡ステージが披露されていた。1987年の中山美穂の時は大騒動になり、歌謡ステージが中止になった。
主催祭りの主催は「ひろしまフラワーフェスティバル実行委員会」が行い、企画実施本部は中国新聞社(広島本社)内部に位置している。 主催団体に参加する団体・企業は、広島祭委員会・広島市・広島県・広島商工会議所・広島青年会議所・広島観光コンベンションビューロー・広島市商店街連合会・中国新聞社・中国放送で構成されている。 また、広島県教育委員会・広島市教育委員会・ヒロシマ平和創造基金・広島国際文化財団・広島県観光連盟・NHK広島放送局・広島テレビ放送・広島ホームテレビ・テレビ新広島・広島エフエム放送が後援に連ねている。 テレビ中継ひろしまフラワーフェスティバル実行委員会に所属する中国放送(TBS系列)では初日のフラワーパレードを生中継している(5月3日が土曜に重なる年は『王様のブランチ・第1部』が、日曜に重なる年は『サンデージャポン』が何れもネット返上。後者のみ『アッコにおまかせ!』は14時台(2015年は14:21 - 15:30)での録画時差ネットとなる(近年は前者は2014年が、後者は2009年と2015年が該当。パレード自体は11時台から中継のため、10時台は単発番組を編成)。それ以外の曜日に重なる年は、『ひるおび!』は、「午前」を臨時に11:30飛び乗りとし、『JNNニュース』(EPG等の番組表上では『ひるおび! JNNニュース』と表記)のみの放送に変更、「午後」は臨時に例年は13:55から録画時差ネット(2021年1月4日からは、CBCテレビ制作の平日午後のワイドショー『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』〈13:55 - 15:40〉の番販ネットを開始したため、2021年は開催形態が特殊なため下記の対応となり、2022年以降の5月3日に『ひるおび!・午後』の録画時差ネットとそれに併せた『ゴゴスマ』の休止や、5月5日にきんさいYOSAKOIの生中継特番を編成した時の対応については2024年に初めて発生)とするため、自社制作の午後の生ワイド『イマなまっ!→イマナマ!』などは休止とする(2017年は5月1日から休止して、ドラマ『下町ロケット』集中再放送の自主編成を実施)。また、5月5日の「きんさいYOSAKOI」も『イマなまっ!』のスペシャル扱いで放送する(2017年は13:55 - 15:25の時間帯で放送)。 2021年は前述の通りパレードを行わず、ステージイベントを入場制限(事前募集で当選した人のみ観覧可能・感染状況によっては無観客)して代替として動画配信を行うなど、旧広島市民球場跡地・平和記念公園を中心に規模を大幅に縮小したかたちでの開催となったため、5月3日は11:05 - 11:30に会場からの生中継を中心とした内容で特別番組を放送し、3日の午後と5日は通常通り『ひるおび!』『ゴゴスマ -GO GO!Smile!-』『イマナマ!』の番組編成とした(4日は『Veryカープ! RCCカープデーゲーム中継 広島 vs 巨人』を放送のため『ゴゴスマ』を休止し、『イマナマ!』を縮小)。 2023年は6月10・11日に開催日が変更され、かつ土・日曜開催のため、10日に『王様のブランチ・第1部』を休止の上で10:55 - 13:00に花の総合パレードの特別番組を放送し(9:30 - 10:55は『ニューヨークの“秘湯”入浴旅』〈テレビ東京制作、2023年4月29日放送分〉で穴埋め)、同日深夜(11日未明)1:28 - 3:30に総集編を放送する一方、同日開催となった「きんさいYOSAKOI」の放送を編成上の都合から見送ることになった。 また、11日は特別番組を編成せず通常編成とし(例年同様)、12日 - 16日はサミットおよび本イベント後のスタッフの休暇確保のため『イマナマ!』を18時台のみに縮小して『ゴゴスマ』を15:49までの臨時フルネット、『Nスタ』を第0部・第1部の全編ネット(14日はプロ野球『Veryカープ! RCCカープナイター 広島 vs 楽天』[注 1]を18:15から放送のためローカルニュースを挿入)とした。 2024年は5年ぶりに通常開催に戻り、5月3日(金曜)は10:55 - 11:30と11:55 - 13:55に「花の総合パレード」を、5月5日(日曜)は『イマナマ! スペシャル』として「きんさいYOSAKOI」を13:54 - 15:00に放送した。3日は『ひるおび 午後』13:55 - の時差ネットとし(通常通りカスタム時刻表示に対応)、『ゴゴスマ』(CBCテレビ制作。制作局では『中日クラウンズ・2日目』放送のため裏送り)を休止した。5日は日曜日のため自主編成扱いとなった。また両日とも深夜にダイジェスト番組を放送した。 2018年5月3日は『SAMURAI BASEBALL・広島 vs 巨人』(マツダスタジアム)を13:55からTBS系列全国ネットで放送したため(地元球団の中継に差し替えた地域を除く)、『ひるおび!・午後』は15:50からの時差ネットとした。中国放送では自社の中継機材・要員の大半をパレード中継優先としたため、野球中継についてはTBSテレビが中継車と一部要員を、毎日放送がスポーツコーダの機材を派遣した[注 2][注 3]。このため、野球中継については通常の中国放送・TBSテレビ共同製作著作ではなく、TBSテレビ単独の製作著作(ただし実況は中国放送の坂上俊次アナウンサーが担当)となり、中国放送は毎日放送とともに制作協力扱いとなった[注 4]。 データ関係時期的に三日のうち高い確率で雨が降り、三日とも晴れるのは稀であるとする「雨のジンクス」(都市伝説)がある。しかし、大会主催発表では必ずしもそうとは言えない。 観覧者の数は、開催当初より120万人を超え、この120万人を切ったことはない。
天気及び観覧者数は、2014FF公式写真集および公式サイトを参考にした 交通脚注注釈
出典
参考資料
外部リンク |
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