カムザット・チマエフ
カムザット・チマエフ(露: Хамзат Хизарович Чимаев、英: Khamzat Chimaev、 1994年5月1日 - )は、ロシアの男性総合格闘家。チェチェン・イチケリア共和国出身。アラブ首長国連邦在住。ファイトクラブ・アフマト所属。UFC世界ミドル級ランキング3位。ハムザト・チマエフとも表記される。 来歴レスリングチェチェン・イチケリア共和国(現 ロシアのチェチェン共和国)で生まれる。5歳からレスリングを始め、10代の時、アマチュアレスリングのロシアジュニア選手権で銅メダルを獲得。18歳の時にスウェーデンへ移住し、2015年、2016年、2018年と3度フリースタイルレスリングのスウェーデン選手権で優勝を果たす[3]。その後は柔道やコンバット・サンボにも取り組んだ。 2021年11月19日、Bulldog Fight Night 9で同じくUFC選手のジャック・ハーマンソンとフリースタイルレスリングで対戦し、8-0のポイントで勝利を収めた[4]。 総合格闘技仕事の15分間の休憩時間に見たUFC 194のコナー・マクレガー対ジョゼ・アルドに触発され総合格闘技を始めることを決め[5]、23歳の時に、アレクサンダー・グスタフソン、イリル・ラティフィ等が所属するストックホルムのオールスターズ・トレーニングセンターで総合格闘技のトレーニングを開始した。 2017年9月から2018年4月までの間にアマチュア総合格闘技で3試合を行い全勝の戦績を収めるが、デビュー戦の相手は同年にIMAAF世界選手権で優勝するハリド・ラーラムであった。 2018年5月、プロ総合格闘技デビュー。Brave Combat Federationなどで6戦6勝(全フィニッシュ)の戦績を残す。 UFC2020年7月16日、UFC初出場となったUFC on ESPN: Kattar vs. Igeでジョン・フィリップスとミドル級契約で対戦し、ダースチョークで2R一本勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。また、チマエフはこの試合で同年のUFCデビュー・オブ・ザ・イヤーを受賞した[6]。 2020年7月26日、前戦から僅か10日後の試合となったUFC on ESPN: Whittaker vs. Tillでリース・マッキーとウェルター級契約で対戦し、パウンドで1RTKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞し、UFC史上最短試合間隔勝利記録(10日間)を更新した(ワンデートーナメントの記録では、ホイス・グレイシーがUFC 2で達成した1日で4連勝が最短記録となっている)[7]。試合後のインタビューでは「もう1試合できる。来週も戦える。ミドル級ウェルター級どっちでも、いつでも誰とでも戦える」とコメントした[8]。 2020年9月19日、UFC Fight Night: Covington vs. Woodleyでジェラルド・マーシャートとミドル級契約で対戦し、右ストレートで開始僅か17秒のKO勝ち。3試合連続のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。3試合で90発近い有効打を当てたが、相手から貰った有効打は1発のみである[9]。また、この勝利でUFC史上最短となる66日間で3連勝を飾った。 2020年12月19日、UFC Fight Night 183でウェルター級ランキング3位のレオン・エドワーズと対戦予定であったが、11月29日、チマエフが新型コロナウイルスに感染したことが発表され、12月1日にはエドワーズも新型コロナウイルスに感染したことが発表され、2021年1月20日のUFC on ESPN 21に試合が延期された。しかし、チマエフの新型コロナウイルスによる合併症が長引いたため再度延期され[10]、2021年3月13日のUFC Fight Night 187で3度目の試合が組まれるが、チマエフの合併症からの回復が長引き試合は中止となった[11]。 2021年3月1日、自身のInstagramで新型コロナウイルスによる肺の合併症のため、総合格闘技からの引退を示唆した[12]。しかし、UFC代表のダナ・ホワイトはチマエフの引退を否定し、プレドニゾンを用いた治療期間中にトレーニングを行ったことで感情的になっていただけだと述べた[13]。また、チェチェン共和国首長のラムザン・カディロフは、チマエフに直接電話をかけ引退について考え直すよう説得している[14]。 2021年10月30日、約1年1カ月ぶりの復帰戦となったUFC 267でウェルター級ランキング11位のリー・ジンリャンと対戦。打撃を一発も受けることなく開始早々にテイクダウンを奪いパウンドから、リアネイキドチョークで絞め落として1R一本勝ち。4試合連続のパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞し、総合格闘技の無敗、全フィニッシュ記録を10に伸ばした[15]。 2022年4月9日、UFC 273でウェルター級ランキング2位のギルバート・バーンズと対戦。1Rに右ジャブでダウンを奪い、フルラウンドに渡る激闘を制して3-0(29-28、29-28、29-28)の判定勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[16][17]。 2022年9月10日、UFC 279でケビン・ホランドと対戦し、ダースチョークで1R一本勝ち。当初はメインイベントでネイト・ディアスと対戦予定であったが、チマエフが前日計量でウェルター級リミットから7.5ポンド(約3.4kg)体重超過したため、同大会でダニエル・ロドリゲスと180ポンド契約で対戦予定であったホランドとの対戦に変更された[18]。 2023年10月21日、ミドル級復帰戦となったUFC 294で元UFC世界ウェルター級王者カマル・ウスマンと対戦し、2-0の判定勝ち。当初はミドル級ランキング6位のパウロ・コスタと対戦予定であったが、コスタが右肘にブドウ球菌感染症を負い試合の数週間前に手術を受けて欠場したため、ジャレッド・キャノニアに代役のオファーが出され一旦はキャノニアで決定するも、キャノニアも負傷したため欠場となり、数カ月前のUFCとのミーティングでチマエフを最も対戦したい相手としてUFCに伝えていたとことからウスマンが次の候補となり、ウスマン側が出した、チマエフ対ウスマンの勝者が次の試合でミドル級王者のショーン・ストリックランドに挑戦するという条件をUFCが承諾したことで、ウスマンとの対戦が決定した[19]。試合後に柔術コーチのアラン・ド・ナシメントからブラジリアン柔術の茶帯が授与された[20]。 2024年10月26日、1年ぶりの復帰戦となったUFC 308でミドル級ランキング3位の元UFC世界ミドル級王者ロバート・ウィテカーと対戦し、ネッククランクで1R一本勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[21]。 人物・エピソード
戦績プロ総合格闘技
アマチュア総合格闘技
表彰
脚注
関連項目外部リンク
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