キュー・テック
株式会社キュー・テック(英: Q-TEC, INC.)は、かつて存在した録画物のVTR編集、オフライン編集、ノンリニア編集、MA、Blu-ray Discなどのオーサリング等を手がけていた日本のポストプロダクション。 2022年10月1日に同じくメモリーテック・ホールディングス傘下であったポニーキャニオンエンタープライズと合併し、新たに「株式会社クープ」を設立した[1]。以降は、主要事業所の1つ「キュー・テックスタジオ」という扱いとなった。 沿革
事業内容映像の企画・制作、撮影、編集、各種オーサリング、フィルム作品のフィルムスキャン、またはテレシネによるデジタル化及びリマスター等。 3D映像撮影・編集・2D-3D変換やBlu-ray Disc 3Dのオーサリング等、3D事業も行っている。 編集Smoke、Flame、Inferno、Avid、iQといったノンリニア編集システムと、Accom社のリニア編集システムを導入している。 CMやプロモーション映像、劇場映画、テレビアニメ等の編集を行っている。 テレビアニメでは、サンライズ作品や京都アニメーション作品、サテライト作品、studioぴえろ作品等。 2016年3月、映像編集ツール「Quantel Rio(grass valley社(旧英:Snell Advanced Media社製)」を中心としたUHD編集環境の整備を発表。 2019年9月、DOLBY VISIONの認証取得に伴い、対応コンテンツの制作環境を構築。 ディレクションアニメ作品のPV制作や総集編ディレクター、アニメ・ゲーム関連特番のディレクター等としてクレジットされている事がある。[3][4]
MA7.1ch、5.1chに対応したマルチチャンネルサラウンドMIXに対応。 「T032:テレビ放送における音声レベル(ラウドネス)運用基準」に対応。 オーサリング毎月平均240タイトル、DVD等のオーサリングを行っている。 同社で編集やリマスターを行った作品のオーサリングを行うことも多い。BD-LIVEやBlu-ray Disc 3D規格にも対応している。 2016年3月、オーサリングツール「Scenarist UHD(米 Scenarist社製)」とHEVCエンコーダー「ATEME TITAN(仏 Ateme 社製)」を導入済である事を発表。Ultra HD Blu-ray(UHD BD)に対応したとしている。 ステレオ3D3Dリグによる3D撮影と、独自技術による2D-3D変換を行っている。3D撮影には、2Kデジタルシネマカメラと垂直ミラーリグ、フラッシュメモリーレコーダーを組み合わせたシステムを使用。2D-3D変換は、自社開発プログラムと手作業の組み合わせとの事で、詳細は公表していない。編集・カラーグレーディングにはiQ Pabloを使用。プレビューは、RealD方式で行うことができる。 2D-3D変換においては、『とびだすアニメ!! ヒピラくん』が国際3Dアワード2011 Lumiere Japanをテレビ部門:アニメーションとして受賞、『キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-』が国際3D協会 ルミエール・ジャパン・アワード 2013にてグランプリを受賞した。[5] 主な3D撮影作品
主な2D-3D変換作品
FORSFaithful Original Signalの略称。当初は、マスタリング時の情報劣化を極限まで抑えるキュー・テック独自のオーサリングプロセスの名称として、2009年7月に発表された。 2013年9月、概念を拡大し、キュー・テックの高画質・高音質ブランドの総称とされた。その際、従来のオーサリングプロセスはFORS systemからFORSと改名され、その他にFORS MASTER PROCESSとFORS CINEMAが設けられた。 FORS MASTER PROCESSのカテゴリにはさらに、FORS EX PROCESS、FORS EX SOUND、FORS EX PICTUREがある。 FORS(高画質・高音質総合マスタリング・プレス技術)従来FORS systemと称されていた技術。マスタリング時の情報劣化を極限まで抑えるキュー・テック独自のオーサリングプロセス。 ハードディスクケースは筐体に中国産御影石の「山西黒」を3cm厚で採用し、振動による影響を低減。各機器間にはアイソレーショントランスを使用し、音や映像の信号以外をブロック。フルテック製コネクターを採用した電源ケーブルなどを使用している[6]。 同社でオーサリングを行った一部の作品で使用されている。 2010年、Hiviグランプリ技術特別賞を受賞した[7]。 主なFORS採用作品
FORS EX PICTURE(高画質映像信号変換技術)従来、F.O.C.U.S(Fine Optimum Customization Up-convert System)=高画質HDリマスタリングアップコンと称されていた技術。FORSの定義拡大に伴い改名され(EX PICTURE HD)、同時にHDからHDの際にも採用可能になった他(EX PICTURE)、4Kへのアップコンバートにも対応した(EX PICTURE 4K)。独自のノウハウに基づいた技術で、ジャギーなどを極力排除したシャープな仕上がりになるとしている。SD映像を10項目以上にわたって診断し、作品特性にあわせた最適な方法でHD画質にアップコンバートを行うという。 そのプロセスが適用されている作品は以下の通り。 主なFORS EX PICTURE採用作品
FORS EX SOUND(高音質音声エンコード技術)音質に特化したFORS。アップサンプリングにも対応。EX SOUNDとEX SOUND 96k、EX SOUND 128kがある。 主なFORS EX SOUND採用作品
主なFORS EX SOUND 96k採用作品
FORS CINEMA(高音質シネマ技術)デジタル原信号の高忠実伝送を追求したとのことで、ダビングステージで制作されたマスターサウンドクオリティをシアターで忠実に再現できるとしている。 主なFORS CINEMA採用作品CG / VFXAutodesk Maya、3DS Maxによる3DCG作成や、Autodesk Flameのコンポジット、Autodesk Smokeのフィニッシングなど。 子会社の株式会社グラフィニカでも、CG・VFX制作を行っている。 テレシネ / フィルムスキャンテレシネは、Spirit Data Cineによって行っているとしている。2011年にはARRISCANを導入し、4Kフィルムスキャンを推進している。4Kフィルムスキャンの採用作品は明らかにされていない。 なお、テレシネやフィルムスキャンと併せて、デジタルリマスタリングも行っている。 脚注
関連項目外部リンク |
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