シェイヴド・フィッシュ〜ジョン・レノンの軌跡
『シェイヴド・フィッシュ〜ジョン・レノンの軌跡』(英語: Shaved Fish / Lennon Plastic Ono Band)は、1975年に「ジョン・レノン/プラスティック・オノ・バンド」名義でリリースされたジョン・レノンの自身初、そして生前に発表された唯一のコンピレーション・アルバムである。 解説1975年2月にカバー・アルバム『ロックン・ロール』をリリースすると、レノンは1967年から9年間にわたるEMI/キャピタルとのレコーディング契約が満了する前に新曲のアルバム制作を計画していた[注釈 1]。しかし、前年末に和解したオノ・ヨーコが妊娠したため[注釈 2]、過去の作品を集めたコンピレーション・アルバムをリリースすることにした[2]。 同時期にレコード会社主導でリリースされた他のビートルズのメンバーのコンピレーション・アルバム[注釈 3]とは異なり、収録曲、曲順、アルバム名、ジャケットやインナー・スリーブのデザインなどの監修をレノン自身が行った。そのため、「平和を我等に」で始まり「平和を我等に」で終わる、コンセプト・アルバム風の構成となっている。 ロイ・コハラ[注釈 4]のデザインによるアルバム・ジャケットの表面には、マイケル・ブライアン[注釈 5]による収録曲のイメージ画11種[5]と日の丸をあしらったアルバム・タイトル、裏面にはタイトルのもととなった「削り節(鰹節)」[注釈 6]が描かれている[6]。 また、裏面の右下にウィンストン・オーブギー博士(Dr. Winston O’Boogie)[注釈 7]による「沈黙の陰謀は言葉よりも雄弁である」(Conspiracy of silence speaks louder than words.)というメッセージが記されている[注釈 8]。 インナー・スリーブの表面は「日の丸」、裏面は赤地に収録曲の歌詞が印刷されている。なお、掲載されている歌詞には実際とは明らかに異なっている部分がある[注釈 9]。 このアルバムをリリースした後、レノンは「主夫」宣言を行い、息子ショーンの育児に専念するため音楽活動を停止した[注釈 10]。そのため、1976年2月満了のEMI/キャピトルとのレコーディング契約の更新には興味を示すことはなく[7]、1980年にアルバム『ダブル・ファンタジー』を発表するまでは他のレコード会社との契約を結ぶこともなかった。 収録曲アメリカでリリースされたレノン(プラスティック・オノ・バンド)のシングル13作からカヴァー曲[注釈 11]を除くA面11曲が収録されている。ただし、以下の曲はこのアルバムのために編集が行われている。
なお「インスタント・カーマ」はUKシングル・ミックスである[9]。また、「パワー・トゥ・ザ・ピープル」はマスター・テープが行方不明になっていたため、7インチシングルから「盤起こし」を行っている[注釈 13]。 アメリカ盤では「平和を我等に」と「コールド・ターキー」がメドレーの扱いになっている[12]。 アナログLP
CD1987年12月にイギリスで発売されたCD[2]では、一部の曲でフェードアウトが短縮されていないものと差し替えられた[15]。
脚注注釈
出典
参考文献
|
Portal di Ensiklopedia Dunia