ジロ・デ・イタリア 2009コース図
2009年に行なわれた、ジロ・デ・イタリアの第1ステージから第11ステージまでの結果を述べる。
第1ステージ
- 5月9日(土)
- リード・ディ・ヴェネツィア 20.5km(チームタイムトライアル)[1]
- 3年連続となるチームTTで今ジロは開幕。第1走者としてスタートしたチーム・コロンビア=ハイロードが最速タイムを叩き出して優勝。チーム・コロンビア=ハイロードの先頭でゴールしたマーク・カヴェンディッシュがマリア・ローザを獲得した。(マリア・ビアンカも同時に獲得。)チームTT連覇を狙ったガーミン・スリップストリームは6秒差の2位。ランス・アームストロングの現役復帰で注目を集めるアスタナは13秒差の3位に終わった。
- 区間成績&チーム成績
- 個人総合成績
- 新人賞
第2ステージ
- 5月10日(日)
- イェーゾロ - トリエステ 156km[2]
- 後半に若干のアップダウンがあるが、ゴール地点も含めて全体的に平坦基調のスプリンター向けステージ。13km地点でアタックを仕掛けたレオナルド・スカルセッリ(ISD)が単独で約110km逃げ続けたが、周回コースの1周目途中で吸収。残り300mでスパートをかけたアレッサンドロ・ペタッキ(LPR・ブレークス)がマーク・カヴェンディッシュらを抑えて見事な復活優勝を遂げ、マリア・チクラミーノも獲得した。敗れたカヴェンディッシュもマリア・ローザとマリア・ビアンカはキープ。周回コース中に設定されていた山岳ポイントをトップ通過したダビ・ガルシア(シャコベオ・ガリシア)がマリア・ヴェルデを獲得した。なおマティアス・ルス(チーム・ミルラム)が落車により左鎖骨を骨折。今ジロ最初のリタイア者となった。また、レース終盤で発生した集団落車の影響でイヴァン・バッソ(リクイガス)やリーヴァイ・ライプハイマー(アスタナ)など一部の有力選手が13秒の遅れを取っている。
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
第3ステージ
- 5月11日(月)
- グラード - ヴァルドッビアーデネ 198km[3]
- 前日に引き続き、後半に若干のアップダウンがあったものの、概ね平坦なスプリンター向きステージ。5km地点からミハイル・イグナティエフ(カチューシャ)ら5人が逃げたが、残り約35km地点で吸収。スプリント争いを制したアレッサンドロ・ペタッキが第2ステージに続いて連勝し、マリア・チクラミーノに加えてマリア・ローザも奪取。一方、第1、第2ステージで総合首位だったマーク・カヴェンディッシュは、残り約10km地点における大量落車に巻き込まれて、1分25秒遅れの区間85位に終わり、総合順位も32位へと後退した。 逃げ集団に乗り、途中の3級山岳トップ通過したマウロ・ファッチ(クイックステップ)がマリア・ヴェルデを、ステージ2位のタイラー・ファーラー(ガーミン・スリップストリーム)がマリア・ビアンカをそれぞれ獲得した。マリア・ローザ争いの有力選手では、デニス・メンショフ(ラボバンク)が前述の落車の影響で24秒の遅れを取っている。
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
第4ステージ
- 5月12日(火)
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
第5ステージ
- 5月13日(水)
- トナディーコ(サン・マルティーノ・ディ・カストロッツァ) - カステルロット(アルペ・ディ・シウジ) 125km[5]
- 前日に引き続いての山岳ステージ+山頂ゴール。序盤からトマ・ヴォクレール(Bボックス・ブイグテレコム)ら7人が逃げ続けたが、残り約10km地点で全員吸収された。厳しい上りで2004年ジロ覇者のダミアーノ・クネゴ(ランプレ)などの有力選手が次々に脱落していく中で、残り500mでのカルロス・サストレ(サーヴェロ・テストチーム)のアタックに反応したデニス・メンショフ(ラボバンク)が、同じく反応したダニーロ・ディルーカ(LPR・ブレークス)を抑えてステージ優勝。2秒差のステージ2位に終わったディルーカだが、ステージ3位のトーマス・ルヴクヴィスト(チーム・コロンビア=ハイロード)に3秒差+ボーナスタイム差4秒を加えて総合首位に浮上。マリア・ローザを奪取した。(マリア・ヴェルデもキープ。)ディルーカから5秒差の総合2位に後退したルヴクヴィストもマリア・ビアンカはしっかりキープした。マリア・チクラミーノは4日連続でアレッサンドロ・ペタッキ(LPR・ブレークス)がキープしている。前年のジロ総合3位のマルツィオ・ブルセギン(ランプレ)が2分26秒遅れのステージ30位、クネゴが2分39秒遅れの32位、ランス・アームストロング(アスタナ)2分58秒遅れの35位、2000年ジロ覇者のステファノ・ガルゼッリ(アクア・エ・サポーネ=カッフェ・モカンボ)が5分24秒遅れの55位に終わるなど、マリア・ローザ争いの有力選手中でも大きく明暗が分かれるステージとなった。
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
第6ステージ
- 5月14日(木)
- ブレッサノーネ -
マイヤーホーフェン 248km[6]
- 中・終盤に3級・1級のそれぞれ山岳をこなした後、残り15km軽く上ってゴールする中級山岳ステージ。70km地点からはオーストリアに入国する。55km地点からの5人の逃げ集団に加わっていたミケーレ・スカルポーニ(セッラメンティ)が、一緒に逃げていたヴァシリ・キリエンカ(ケス・デパーニュ)が残り10km地点で足を攣って後退するという幸運も手伝って見事な逃げ切り勝利。有力選手は概ね36秒遅れの集団でゴールしたため、総合争いに大きな変動はなかったが、ステージ9位のダニーロ・ディルーカ(LPR・ブレークス)がスプリントポイントを加えて、マリア・チクラミーノも奪取。三賞を独占することとなった。
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
第7ステージ
- 5月15日(金)
インスブルック - キアヴェンナ 244km[7]
- 途中小さなアップダウンはあったものの、207.7km地点の3級山岳までだらだらと上り続けた後に、ゴールのキアヴェンナまで標高差約1500mを一気に下るというステージ。スタート直後からマウロ・ファッチ(クイックステップ)ら4人の逃げが決まるが、集団でダウンヒルに入りたいという集団の思惑から、山岳ポイント前までに全員が吸収されている。ダウンヒル突入直後にアレッサンドロ・ベルトリーニ(セッラメンティ)がアタック。これを追走したエドヴァルド・ボアソン・ハーゲン(チーム・コロンビア=ハイロード)ら4人が残り12kmで追いつき5人の逃げが決まる。残り300mでアタックをかけたボアッソンが抜群の伸びを見せて嬉しいグランツール初勝利。各賞争いに大きな変動はなかった。なお、多くの選手から悪天候のダウンヒルは危険過ぎるとの抗議があったため、タイム差に関してはゴール前3kmでの差を記録している。
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
第8ステージ
- 5月16日(土)
- モルベーニョ - ベルガモ 209km[8]
- 序盤に1級山岳、終盤に2級山岳をこなす中級山岳ステージ。残り3.5kmからのベルガモ・アルタの上り坂もカギを握る。序盤からのアタック合戦の末にイェール・ファネンデルト(サイレンス・ロット)ら10人が逃げる展開に。この逃げが吸収される直前の2級山岳の入口でのダミアーノ・クネゴのアタックをきっかけに、リーヴァイ・ライプハイマー、フランコ・ペッリツォッティ(リクイガス)などが入った豪華な逃げ集団が形成されるも、これも残り16kmで吸収。再び集団が1つになった直後にカンスタンツィン・シウツォウ(チーム・コロンビア=ハイロード)がアタック。そのままシウツォウが逃げ切ってチーム・コロンビア=ハイロードはチーム2連勝を飾った。マリア・ローザのダニーロ・ディルーカがステージ3位に入り、ボーナスタイム8秒を獲得。自力で総合2位以下とのタイム差を広げることに成功している。また、ペドロ・ホリーリョ(ラボバンク)が95km地点で落車し、60m下の土手に転落するという大事故が発生。瀕死の重傷を負ったホリーリョは人工的に昏睡状態にされて病院に運ばれた。
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
第9ステージ
- 5月17日(日)
- ミラノ周回 165km[9]
- ジロ発祥の地ミラノを周回する完全フラットな正真正銘のスプリンター向きステージ。本来であれば100周年ジロに相応しい華やかな熱いレースになるはずであった今ステージだが、前日のペドロ・ホリーリョの大事故、さらに危険なコースレイアウトに多数の選手が抗議したことから、勝負中止となり、ステージ順位のみが記録されることとなった(ボーナスタイムやスプリントポイントも適用されない)。集団は終始時速33km前後で走行。残り6周の地点では一旦停止し、ダニーロ・ディルーカが代表して勝負中止に至った理由と謝罪を観客に向けて行うという一幕もあった。最後はゴールスプリントをマーク・カヴェンディッシュ(チーム・コロンビア=ハイロード)が制してチーム3連勝を飾ると共に、個人として今ジロ初勝利を飾った。
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
第10ステージ
- 5月19日(火)
- クーネオ - ピネローロ 262km[10]
- 当初の予定では、1949年のジロ第17ステージでファウスト・コッピが5つの峠全てをトップ通過してステージ優勝したコースを、ほぼそのまま再現する予定であったが、マッダレーナ峠が通行不能状態のためルートが変更された。最初の難所モンセニシオの上りで集団からアタックしたステファノ・ガルゼッリがモンセニシオ、さらにチマ・コッピのセストリエーレもトップ通過して逃げ続ける展開に。最後のプラマルティノの上りでメイン集団からフランコ・ペッリツォッティがアタック。ペースが落ちていたガルゼッリと先に追いついていたジョヴァンニ・ヴィスコンティ(ISD)を一気に交してトップでプラマルティノを通過する。その直後の下りでマリア・ローザのダニーロ・ディルーカがアタックして、ペッリツォッティに追いつく。ディルーカのアタックに反応したカルロス・サストレ、デニス・メンショフ、ダビ・アロヨ(ケス・デパーニュ)も加わって5人での逃げとなる。残り4kmの小さい峠の上りで再び加速したディルーカが後続を引き離し、そのまま独走。ぶっちぎりで今ジロ2勝目を上げた。前ステージまで総合2位に付けていたトーマス・ルヴクヴィストは1分39秒遅れのステージ22位に終わり、ディルーカから2分12秒差の8位に後退しているが、マリア・ビアンカはキープしている。代わって、10秒遅れでステージ3位に入ったメンショフが1分20秒差の総合2位に浮上している。29秒遅れのステージ11位に終わったガルゼッリだが、1日で山岳ポイントを30ポイント稼ぎ、マリア・ヴェルデをディルーカから奪取することに成功している。
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
第11ステージ
- 5月20日(水)
- 区間成績
- 個人総合成績
- ポイント賞
- 山岳賞
- 新人賞
- チーム時間賞
脚注
関連項目