『スルガメテオ』は、田中ドリルによる日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』(講談社)にて、2025年7号から連載中[2]。
概要
同誌としては『ダイヤのA』以来の高校野球を題材にした作品[要出典]。
物語がハイテンポで進み、試合の多くがコマ送りで描かれている[要出典]。また、序盤から学校名・キャラクターなどの誤植が目立つ[要出典]。
あらすじ
ラグビーの強豪である都立星群高等学校には、人数すら足りていない野球同好会が存在。キャプテンを務める甲斐陽人は、ガタイのいい新入生・駿河慧に目をつけ、“未来のエース”として勧誘する。しかし、即座に断られて意気消沈した甲斐は、帰りに馴染みのバッティングセンターへ寄る。そこで駿河とまたしても顔を合わせ、彼がなんと店主の身内である事実を知った。新入部員として再度勧誘するものの、駿河は断固として拒否。甲斐が去ってからベンチに置かれた入部届けを見つけ、後日返却すべく駿河はグラウンドに赴く。そこではグラウンドの使用を賭け、ラグビー部との試合が行われていた。その矢先、悪質なプレーにより投手である甲斐が負傷。成り行きで彼の代わりにマウンドへ上がった駿河は、バッティングセンターの名物「スルガメテオ」を彷彿させる投球を披露。ラグビー部の打線をねじ伏せ、見事勝利をもたらした。
登場人物
星群高校
西東京にある都立の無名校。部員数は10人(当初は8人)。宙曰く「チームの打撃力は低いが、守備力だけならば全国クラス[注 1]」。強化合宿の第1試合(対陽炎第三Bチーム)にて、完全試合を達成する。
1年部員
- 駿河 彗(するが けい)
- 本作の主人公。投手・右翼手、右投右打。打順9番。AB型。
- 一見ぶっきらぼうな朴念仁であるが、実際はシャイな性分[注 2]。実家はバッティングセンターを経営しており、名物「スルガメテオ」の正体[注 3]。祖父と2人暮らしだが、何かしらの事情を抱えている模様。過去に関する記憶もまた断片的であり、観月のことを思い出せずにいる。
- 恵まれた体格とフィジカルを有し、高校生離れした剛速球を放る。加えてボール0.1個分単位の制球力を誇り、将山すらも抑え込める投球センスの持ち主。その反面、牽制球やクイックモーションをまともに行えず、基礎知識もまた疎い[注 4]。野手としては強肩や足の速さを活かし、走者を刺殺している。
- 入学式にキャプテンである甲斐に目をつけられ、グラウンドの使用を賭けた試合に思わぬ形で登板。それ以降、熱心なオファーを受けて入部する。
- 大の学業不振であり、とりわけ数学が苦手。
球種
- 本気
- 文字通り、全力投球のウイニングショット。最速165km/hの凄まじく浮き上がるフォーシーム。ただし、体力を著しく消耗する諸刃の剣であり、祖父からも「1週間で3球まで」と指摘されている。
- スルガメテオ
- 160km/h前後の剛速球。駿河の代名詞というべき存在。
- はやい
- 140km/h台の速球。
- ふつう
- 130km/h台の速球。
- よわい
- 110km/h台のスローボール。打者のタイミングを外す目的で使用される。
- 観月 新(みづき あらた)
- ユーティリティプレイヤー。投手・遊撃手・外野手(右翼手・左翼手)、両投[注 5]左打。打順1番。
- 両耳に填めた無数のピアス、黒いマニキュアが特徴。根暗で物静かなメンヘラ気質。当初は仮入部という扱いだったが、1か月遅れで正式に入部する。駿河とは小学生からの仲であるが、諸事情により忘れ去られている。
- 大阪府のボーイズリーグで名を馳せた逸材選手。抜群の打撃センスと選球眼を備えており[注 6]、細身ながらホームランを量産する長打力も持つ。リードオフマンとして打線を牽引する存在。投手としてのポテンシャルも高く、サイドスローから切れ味のある変化球を操る技巧派。持ち球としてカーブやスライダー、シュートやシンカーがある。
- 絵画が趣味。駿河と違って学業優秀。
2年部員
- 甲斐 陽人(かい はると)
- 野球部のキャプテン。投手・捕手、右投右打。打順3番。A型。
- 太い眉毛が特徴。明るく前向きな性格だが、やや無鉄砲。口癖は「ガッツリ◯◯!!」。司令塔らしく観察力に長けており、体格のみで駿河のポテンシャルを見抜いた。
- 加地 京平(かじ きょうへい)
- 甲斐に勧誘されたメンバーの1人。捕手・三塁手、右投右打。打順2番。O型。
- 三白眼が特徴。5人兄弟の長男。少しばかり荒っぽい性格。高校入学から野球を始めたものの、現在はすっかり順応している。
- 火野 透馬(ひの とうま)
- 遊撃手、右投右打。打順7番→8番。A型。
- 端正な顔立ちに口元のホクロが特徴。母親がモデル。小心かつ神経質な性格。華麗な守備が売り。
- 土屋 俊介(つちや しゅんすけ)
- 中堅手、右投左打。打順1番→6番。
- 童顔とツーブロックの髪型が特徴。チームの中では最も小柄なものの、俊足が売り。
- 天沢 狐次郎(あまさわ こじろう)
- 左翼手・三塁手、左投右打。打順5番。
- 糸目と八重歯が特徴。好物は油揚げ。
- 水戸部 勇(みとべ いさむ)
- 一塁手、右投右打。打順4番。
- 老け顔とチーム1の長身が特徴。実家は醤油屋。
3年部員
- 金子 優大(かねこ ゆうだい)
- 二塁手、右投右打。打順6番→7番。
- 切れ長の目元が特徴。クラスでは学級委員を務めている。
- 木原 憲明(きはら のりあき)
- 右翼手→補欠、右投右打。打順8番→代打。
- 丸眼鏡が特徴。東京大学を志望している。観月が加入してからは控えに回った。
首脳陣(星群)
- 監督
- 本名不明。スーツ姿が特徴。運動経験の乏しい文化系であり、連絡事項の際に登場する。
- 進堂 宙(しんどう そら)
- 本作のヒロインおよび解説役。将山の実妹にしてマネージャー。1年生。
- 目元のホクロが特徴。流されやすい生真面目な性分。以前から生粋の高校野球オタクであり、観察力に関しては甲斐を上回る[注 7]。さらに運動神経も高く、内外野へ苦もなくノックを打ち分ける。
- 当初は「ごく普通の女子高生」としてスクールライフを送る気だったが、以前から書き留めていた『野球ノート[注 8]』を甲斐たちに見られ、なし崩し的に勧誘された。
その他(星群)
- 鳴海 修也(なるみ しゅうや)
- 2年生。ラグビー部所属。
- ギザギザした歯並びが特徴。好戦的かつ嫌味な性格。中学時代に野球経験があり、甲斐とチームメイトだった。実力はまだ健在であり、ホームラン性の大飛球を放っている。
陸稲城西高校
西東京に君臨する『風林火山』の一角[注 9]。甲子園出場回数春11回、夏14回。
選手(陸稲城西)
- 進堂 将山(しんどう しょうざん)
- 駿河の宿敵。2年生。二刀流選手、右投左打。
- 掴みどころのない飄々とした性格。打率7割超え、通算67本塁打を記録している天才プレイヤー。投手としても最速151km/hの速球に加え、高速スライダーを操る。
- 権藤 雄一郎(ごんどう ゆういちろう)
- 主砲。一塁手、右投。
- 高校通算87本塁打。
- 東峰 龍(とうみね りゅう)
- 3年生。外野手、左投左打。
- 鋭い吊り目とカチューシャが特徴。駆け引きに優れており、星群との練習試合では「守備シフトだけで配球を読む」という芸当を披露。
- 佐伯 州都(さえき しゅうと)
- 投手、左投。
首脳陣(陸稲城西)
- 山之内 稔(やまのうち みのる)
- 監督。仏頂面が特徴。
- 部長
- 野球部の責任者。眼鏡と禿げ上がった頭髪が特徴。
陽炎第三高校
同じく『風林火山』の一角。甲子園出場回数春10回、夏6回。
選手(陽炎第三)
- 国本 竜介(くにもと りゅうすけ)
- Bチームのキャプテン。投手、右投右投。
- 上昇志向な性格であり、和気藹々とした星群ナインに終始困惑。強化合宿の第1試合である星群戦に先発登板。先頭打者の観月にプレイボール本塁打を浴び、その後も失点して敗戦投手となる。
- 冴木 風磨(さえき ふうま)
- Aチームの主力選手。打順2番。
- 尊大な性格でよく煽り口調を用いる。
首脳陣(陽炎第三)
- 重松 志尊(しげまつ しそん)
- 監督。口元に蓄えた髭が特徴。
紅葉林学園
同じく『風林火山』の一角。甲子園出場回数春5回、夏2回。
選手(紅葉林)
- 有栖川 樹林(ありすがわ じゅり)
- 主力選手。打順1番。
- 中性的な顔立ちと長髪が特徴。美意識の高い性格。
首脳陣(紅葉林)
- 佐藤 貴一(さとう きいち)
- 監督。恰幅のいい体型が特徴。
東海菅原学府高校
同じく『風林火山』の一角。甲子園出場回数春8回、夏6回。
選手(東海菅原)
- 円寺 琉火(えんじ るか)
- 主力選手。打順3番。
- 関西弁が特徴。
首脳陣(東海菅原)
- 野村 怜(のむら れい)
- 監督。眼鏡を着用した理知的な女性。
その他
- 駿河の祖父
- 本作の狂言回し。バッティングセンターの店主。
- 杖をついた白髪の老人。孫と2人暮らし(対外的には「息子」と呼んでいる)。
- 日車(ひぐるま)
- 専門誌『月刊高校野球』のベテラン記者。喫煙者。
- 無精髭とハンチング帽が特徴。辛口なコメントが目立つ。
書誌情報
脚注
注釈
- ^ その証拠に陸稲城西との練習試合では、トリプルプレイを記録している。
- ^ 特に物語序盤は、コミュ障を思わせる言動が目立った。
- ^ 表向きはピッチングマシンとなっているが、実際のところ防球ネット裏から駿河が投じていた。
- ^ 具体的には「相手打者がセーフティバントを試みた際、ベースカバーに入らない」「走者がいる状態でワインドアップ」などが挙げられる。
- ^ 作中の描写から本来は左利きと思われ、登板時のみ右投げになる。
- ^ 宙曰く「スイングスピードで合わせている兄・将山と異なり、腰の捻りや全身を使ってミートしている」。
- ^ 第15話では観月の打撃技術をすぐさま把握し、第18話では些細な守備シフトの穴を見破っている。
- ^ 星群高校野球部に関する特徴、改善点などを事細かく書き記した内容。
- ^ 甲子園出場常連である強豪4校の通称。
出典
外部リンク