スイッチピッチャースイッチピッチャー (switch thrower, ambidextrous pitcher) は、野球において、左右両方の腕でボールを投げることができるピッチャーのこと。 投打の利き腕には、左右投(げ)もしくは両打投(げ)と表示される。 例:左右投(げ)右打(ち)=両投(げ)右打(ち) 左右投(げ)左打(ち)=両投(げ)左打(ち) 左右投(げ)左右打(ち)=両投(げ)両打(ち) 概説メジャーリーグ史上では19世紀に4人(トニー・マレーン、ラリー・コーコラン、エルトン・チェンバレン、ジョージ・ウィーラー)、1901年以降では2人(グレッグ・ハリス、パット・ベンディット)しか公式戦での登板が記録されていない、非常に稀な選手である。 19世紀のメジャーリーグでスイッチピッチャーが何人か登場した背景には、当時試合でグラブをつけずに投球していた投手が相当数いたことがある。 日本プロ野球(NPB)では、公式戦で左右投げが実行されたことはない。ただし、オールスターゲームでは、2025年第1戦(7月23日・京セラドーム大阪)で4回表にリバン・モイネロ(ソフトバンク)が2死としたところでグラブを右利き用にスイッチ、打者サンドロ・ファビアン(広島)に対し右投げを披露、サードフライに打ち取った[1][2]。 両投げ投手として登録されたのは近田豊年(南海・ダイエー→阪神)のみであるが、近田の右投げは実際の試合で通用する水準ではなく、公式戦では左でしか投げなかった。 近田以外にもダルビッシュ有[注 1]や野崎進など、左右両方で投球できる選手は過去に数名が存在したが、いずれも登録上は両投げとなっておらず、「反対側の腕」で投球したという公式記録もない。 日本では2010年に改正されたルールにより、スイッチピッチャーは、投げない方の手にグラブをはめることで、左右どちらで投げるかを明確にすることが義務付けられた。 また、原則として一人の打者との対戦中は投げる手を変えてはならないこと、負傷により同一打者の打撃中に投球する手を変えることは認められているが、その試合中は再び投球する手を変えることはできないことが規定された[5]。 アマチュア野球では、両投げ投手が報道され話題になることがある。 使用するグラブは左右両方の手にはめられるような特殊な構造(親指を入れる部分が両側にある6本指の形状)のものになる。 漫画の世界では左右投げ投手が稀に登場する。漫画家の水島新司は「左右投げは一番の夢」と発言していた。 主な選手日本プロ野球
アメリカ合衆国(メジャーリーグ/マイナーリーグ)
日本のアマチュア野球・独立リーグ
他、海外選手
架空の野球選手
この他、厳密な意味でのスイッチピッチャーではないが『巨人の星』の主人公・星飛雄馬は左の肩、『MAJOR』の主人公・茂野吾郎は右の肩を故障をして一旦、選手生命を絶たれた後に星は右投手としてプロに現役復帰、茂野は中学野球部で左投手として復帰している。 関連エピソード
脚注注釈出典
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