作戦級システムとして共通作戦状況図(COP)を生成し、艦隊の兵力運用を調整するもので、アメリカ海軍のGCCS-Mに相当する。地上配備のSYCOM(Système de commandement de la Marine)、艦隊配備のAIDCOMER(Système d'aide au commandement à la mer)によって構成されており、また、フリゲート級以下の艦艇に搭載するためのAIDCOMERの簡易版として、OPSMER/SEAO(Systeme Embarque d'Aide aux Operations)が配備されている。これらはシラキューズ衛星通信システムによって連接されているが、民間のインマルサット衛星通信も使用できる。
フランス空軍は従来、地上要撃管制システムとしてSTRIDA(Systeme de Traitment et de Representation des Informations de Defense Aerienne)を運用してきた。これは、タヴェルニーの航空作戦管制所(CCOA, Centre de Conduite des Opérations Aériennes)を頂点としており、また拠点としてバ=ラン県のドラッシェンブロン空軍基地、リヨンのモンヴェルダン空軍基地、ニースのニース空軍基地、モン=ド=マルサンのモン=ド=マルサン空軍基地、トゥールのトゥール・サン・シンフォリアン空軍基地の5ヶ所に防空指揮所(CDC, Centres de Détection et de Contrôle)が設置されている。STRIDAは1956年より開発開始され、1963年より就役した。1972年よりNATOがNADGEシステムを運用開始するとこれと緊密に連接し、また、1990年からはE-3F早期警戒管制機との連携も開始した。
さらに現在、STRIDAをサブシステムとして含む、総合的な作戦級C4Iシステムとして、SCCOA(Système de commandement et de conduite des opérations aériennes, 航空作戦指揮統制システム)の開発・配備が進められている。SCCOAの基本計画は1989年に承認され、ステージ1計画は1993年2月に承認、1999年に完了した。これは、NATOのACCS計画と既存のフランス空軍システムとの相互運用性を確保することに重点が置かれていた。続くステージ2計画は、ステージ1計画の延長線上で全般的に性能を強化するもので、1997年12月に発動された。