マイアミ・バイス (映画)
『マイアミ・バイス』(Miami Vice)は、2006年のアメリカ映画。1984年から1989年にかけてアメリカ合衆国で放映されたテレビシリーズ『特捜刑事マイアミ・バイス』を劇場用映画としてリメイクした。 監督はマイケル・マン。テレビシリーズ時に、自ら脚本や製作総指揮などを担当していたことが監督起用となった理由とされている。 ストーリーマイアミデイド警察特捜課(バイス)に所属しているソニー・クロケットとリカルド・タブスは、買春組織の潜入捜査中に情報屋アロンゾから緊急の電話を受ける。彼は家族が拉致されたと訴え、警察が自宅に向かうと彼の家族は既に殺害されていた。同じ頃、FBIの潜入捜査官3名がロシアンマフィアとの囮捜査中に惨殺される事件が起きていた。FBIとロシアンマフィアを仲介したのはアロンゾだったが、彼は「あいつらは知っていた」と言い残し自殺した。 合衆国司法機関の合同捜査の情報が漏洩していると判断したFBIのジョン・フジマは、未だ麻薬組織に面が割れていないクロケットとタブスを呼び出し、大物麻薬ディーラーと見られるホセ・イエロの組織に潜入するよう協力を要請する。 クロケットたちは運び屋のアジトを襲撃して密輸用のパワーボートを破壊し、ホセ・イエロという男に自分たちを紹介するよう情報屋ニコラスに脅しをかけた。 運び屋を失った麻薬組織は予想通り新しい運び屋との面会を望んできた。早速ポルトープランス(ハイチ)に飛んだ2人はイエロとの接触に成功するが、イエロは麻薬取引の単なる仲介人で、その背後にはFBIでさえ存在に気付かなかったモントーヤという黒幕がいることを突き止めた。モントーヤの指示によりコロンビアからマイアミへの麻薬密輸を成功させ組織の信用を得たクロケットとタブスは、次の仕事を引き受けて更なる潜入を試みる。 一方でクロケットはモントーヤの愛人であるイザベラに個人的に興味を持ち、彼女をパワーボートに乗せクルーズに誘い出す。イザベラの案内でキューバのハバナを訪れた2人だったが、互いに惹かれ合い愛し合ってしまうのだった•••。 出演
テレビ東京版:初回放送2008年12月4日『木曜洋画劇場』 評価レビュー・アグリゲーターのRotten Tomatoesでは224件のレビューで支持率は47%、平均点は5.70/10となった[3]。Metacriticでは37件のレビューを基に加重平均値が66/100となった[4]。 使用銃器
使用機材
潜入捜査用に貸与されているスピードボート。全長39フィートのカタマラン(双胴)艇に、575馬力のマーキュリーレーシング製エンジンを2基搭載、ブラボーショップ社製ギアボックス 通称B-Maxシステムを介して最高速度は時速190キロに達する。モデル名の39は全長を表し、RはRace、PはPresureの略である。 劇中に登場する39RPは、MTI社の40シリーズをベースにこの映画のために特別発注された。市販モデルとの大きな違いは撮影機材を取り付ける架台やケーブルなどが増設されている点である。ディレクターズカット版DVD[6](日本未発売)のオープニングで見られるレースシーンではキャノピーとエアインテークが取り付けられている。 撮影終了後はシルバー色に再塗装され、2008年にオークションのバレットジャクソンで売却された。全く異なるカラーリングになったが、舷側に描かれていたチームMOJOのロゴはデザインを変えながらも継承されている[7]。
フロリダ沖の貨物船から麻薬を運ぶために使用するスピードボート。全長38.8フィート。8.2LのV型8気筒、525馬力のマーキュリー・マークルーザー製エンジンを2基搭載。最高速度は時速140キロ。
コロンビアからフロリダ半島への麻薬密輸に使用するユニークな形状の航空機。タブスの説明では機体が炭素繊維複合材のためレーダーに映りにくいとされる。テレビシリーズではパワーボートとフェラーリを華麗に操るソニー・クロケットの独壇場になりがちだったが、映画では相棒のリカルド・タブスにこの機体を操縦させて両者に花を持たせる形となった。 映画のロケ地であるドミニカ共和国へのフライトは同機にとっての初の国際便となった。ドミニカ共和国では同じ時期に「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」の撮影が行われており、双方に出演しているナオミ・ハリスはアメリカ本土との往来にこのA-500を使用したそうである。 映画に採用されることでアダム社は事業拡大の好機になると期待したが、結果的に7機が生産され納入数は5機にとどまった。同社は2008年に破産を申請し、トライトン・エアロスペース社に買収された。そのトライトン・エアロスペース社も後に廃業していると思われる。
ソニー・クロケットといえばフェラーリ、テレビシリーズからの伝統である。潜入捜査用に警察から貸与されている車両でクロケットの私物ではない。高速道路でマフラーエンドから青い炎を排出するシーンは実走行により撮影されたもので、CGエフェクトやカスタマイズによる演出効果ではないとしている[8]。 製作エピソード
ディレクターズカット2008年に”Unrated Director's Edition”のDVDとブルーレイが発売された。合計26ヶ所の変更箇所があり[6]、劇場版132分に対して139分に延長している。 大きく変わったところは、
これら3箇所が追加されている点である。 その他はイザベラの母親の職業が通訳から外科医に替えられるなど、映画の進行には影響がないセリフや映像の変更等に留まっている。 日本では『マイアミ・バイス〔ディレクターズカット版〕』のタイトルでWOWOWで放送された。日本未発売ソフトのため、字幕付きで見られたのはこの放送のみである。 出典
外部リンク
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