マンチェスター・バイ・ザ・シー (映画)
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(Manchester by the Sea)は、2016年にアメリカ合衆国で製作されたドラマ映画である。監督はケネス・ロナーガン、主演はケイシー・アフレックが務める。 あらすじリー・チャンドラーは、クインシー (マサチューセッツ州)の地下アパートに住み、ボストンの住宅街でハウスキーパー(Janitor)の仕事をしていた。 ある冬の日、兄のジョーが危篤だと病院から告げられ、故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーに向かうが、病院に辿り着く前に、兄は亡くなってしまう。 リーは16歳になる甥のパトリックに、父親の死を伝える。葬儀業者によると、地面が凍っているため、兄の遺体は春まで埋葬できないことが分かり、埋葬されるまでマンチェスターの兄の家で暮らすことになる。そして兄の遺言で、自分がパトリックの法定後見人に指名されていたことを知らされる。 兄を失った悲しみや、自分に甥が養育できるだろうかという不安に向き合うリーだったが、彼はそれ以上に暗い過去と問題を抱えていた。 リーはかつて、妻ランディと3人の子供たちと共にマンチェスターに住んでいた。ある夜、友人達とホームパーティーを開くが、酔っ払ったリーは暖炉にスクリーンを置くのを忘れてしまう。家は火事で全焼し、逃げ遅れた子供たちは火事で亡くなってしまう。警察は悲劇的な事故と判断し、リーは刑事告訴されなかった。しかし罪悪感に苛まれたリーは、警察署で警官の銃を奪い自殺を図るが、取り押さえられ未遂に終わる。その後は、ランディと離婚し、マンチェスターを去った。 パトリックの後見人になるには、マンチェスターに留まらなければならないため、リーはとても躊躇していた。悲しい過去を想起させるものに囲まれているからだ。またマンチェスターの住民の中には、火災は事故ではないと考える者もいた。 キャスト※括弧内は日本語吹替
製作2014年9月6日、ケネス・ロナーガンとマット・デイモンが共同で本作の製作に乗り出し、オッド・ロット・エンターテインメントのオーナーであるジジ・プリッツカーが資金調達を行うと報じられた[5]。なお、ロナーガンとデイモンがタッグを組むのは2011年の『マーガレット』以来2度目のことである。 9月8日にはプロジェクトが本格的に始動した。12月12日、『ボストン・グローブ』が行ったインタビューにおいて、ケイシー・アフレックは「マット・デイモンは『マンチェスター・バイ・ザ・シー』に出演しない。僕が主演を務める予定なんだ。」と述べた[6]。2015年1月5日には、アフレックの出演が正式に決まった。9日、ミシェル・ウィリアムズが出演することになったと報じられた[7]。2月24日、カイル・チャンドラーが本作に出演することが決まった[8]。 3月、キンバリー・スチュワード、ケヴィン・J・ウォルシュ、クリス・ムーア、マット・デイモンの4名が本作に出資するという報道があった。また、プリッツカーが本作の製作から離脱した[9]。 撮影本作の主要撮影は2015年3月23日にマサチューセッツ州のマンチェスター・バイ・ザ・シーで始まった[10]。撮影はセイラム、ノース・ショア、ビバリー、グロスターでも行われた[11]。 公開2016年1月23日、第32回サンダンス映画祭で本作は初めて上映された。アマゾン・スタジオズはその会場で本作の配給権を1000万ドルで購入した[12]。2016年11月18日から劇場公開され、$7700万ドルの収入を上げた。その後、2017年2月7日からAmazonビデオで公開され、2017年5月5日からはAmazon Primeで公開された。 評価本作は批評家から驚異的な絶賛を受けている。レビュー収集サイトのMetacriticでは加重平均スコアで100点満点中96点を獲得しており、Must-See(必見)とされている。また、レビュー収集対象となった批評家52人のうち34人が満点を与えるなど、本作は非常に高い評価を得ている[13]。 上述のMetacriticによる「The Best Movies of the Decade(2010年代に公開された10年間のベスト映画)」で第4位[14]。 同じく映画レビューサイトで知られるRotten Tomatoesでは353件のレビューに基づき96%の支持率を得ている[15]。 アメリカ合衆国の『タイム』誌による「Top 10 Everything of 2016」では、本作が第6位に選出されている[16]。 受賞
出典
外部リンク |
Portal di Ensiklopedia Dunia