上 (上尾市)
上(かみ)は、埼玉県上尾市の大字。郵便番号は362-0001[3]。 市の統計などでは上平地区で分類されている。 地理埼玉県の中央地域(県央地域)で、上尾市北部の大宮台地上[6]で上尾市の最北端に位置する。地内を芝川やその支流が南北に流下するが、流頭部付近でもあり周辺との起伏は少なく緩やかである[7]。シラコバト団地付近の芝川や、芝川の支流である上郷都市下水路[8]が暗渠で流れる。 地区の東側を菅谷や南と隣接し、南側を西門前や久保と隣接する。また、西側から北側にかけては桶川市であり神明、東、末広、坂田東、坂田、倉田、小針領家と隣接する。上平東小学校の西側に大字上の小さな飛地が二ヶ所存在する。また、入会地由来の上尾市側周辺大字(久保、南、西門前)の大小多くの飛地が地内にある[7]。桶川市との境界は当時の耕地所有者の関係で複雑に錯綜し、一部で地番整理はされたものの、未だ複雑に入り組んだ境界線を描いている[7]。 地区の西部を南北に国道17号や埼玉県道164号鴻巣桶川さいたま線が通る。市街化区域内は主に第二種低層住居専用地域で占められるが、一部は第二種低層住居専用地域や第一種住居地域となっている。また、シラコバト団地などは第一種住居地域で県道沿いは第一種中高層住居専用地域や第二種住居地域で、国道沿いは準工業地域である[9]。地域によっては高崎線桶川駅に近いため、早くから宅地化が進められ上尾第一団地などが造成され、住宅地となっているが[6]、幹線道路から離れるほど農地の割合が多くなり、地区の北東部は市街化調整区域[9]である。その字箕木地区に北側の防風林を兼ねた雑木林も相まって三富新田の様な路村の景観も見られる[7]。また、市街化調整区域内であっても北部の市境付近には青葉台団地や箕木団地と称される一戸建ての住宅が建ち並ぶ住宅団地がある。 地内の上尾寿幼稚園付近に「長浪館」(県遺跡番号:14-421[9])と称される館跡があり、堀の遺構が発掘されている。また、集落跡である「上・宮下遺跡」(県遺跡番号:14-371[9])や丸野遺跡(県遺跡番号:14-367[9])などもあり、土器片が発掘されている。 地価住宅地の地価は、2019年(平成31年)の公示地価によれば、大字上字堤上1658番地4の地点で10万6000円/m2、大字上字町谷102番16の地点で10万1000円/m2となっている[10]。 歴史もとは江戸期より存在した武蔵国足立郡大谷領に属する上村[11]、古くは桶川郷のうちにあり、桶川宿、久保村、門前村、南村と共に1つの郷村であったといわれている。飛地が久保村および門前村に存在した[11]。 村高は正保年間の『武蔵田園簿』では412石余(田101石余、畑311石余[注釈 1])[12] 、『元禄郷帳』では559石余、『天保郷帳』では536石余であった[11]。化政期の戸数は100軒余で、村の規模は東西28町、南北18町であった[11]。 江戸後期(天明〜寛政年間)から明治初頭にかけては武州紅花と称される全国屈指の紅花の産地であった[13]。地名は桶川宿の北(上)に位置することによる[7][11]。1875年(明治8年)の農業産物高は武蔵国郡村誌によると米150.8石、大麦696石、小麦150石、大豆80石、栗100石、甘藷500000斤であった[14][注釈 2]。 この地域は地理的に桶川宿に近く、同じ紅花の産地であるなど古くから桶川との関係が深かった。そのため桶川町に編入を希望する住民が多く、桶川派の住民が桶川合併期成同盟を結成して桶川町に編入を希望する合併運動や分村(町)合併運動を展開した[15]。上尾派の住民も分村反対委員と称して桶川合併区民の切り崩し工作を展開した[16]。埼玉県の町村合併促進審議会の実情調査後、桶川町への編入の勧告を両町に行ったが、将来桶川の合併を想定していることを理由として、上尾町がその勧告を拒否するなど同地区で話が纏まらなかっため、大沢雄一知事(当時)は1956年(昭和31年)1月28日に町村合併促進法の規定に基づき字堤(堤上・堤下)・長浪・谷通地区の桶川町への編入の是非を問う住民投票を上尾町選挙管理委員会に請求、同年2月27日に関係地域に居住する有権者を対象とした住民投票が実施され、有権者数148人に対し投票は146票で有効投票数144票であった。結果は桶川町編入賛成72票、反対72票と同数で、編入の条件である賛成が三分の二を上回らなかったため桶川町への編入は否決、同地区は上尾町に留まる決定をなした[16][17][注釈 3]。
存在していた小字※登記簿上は今もなお存在する小字を含む。 世帯数と人口2019年(平成31年)1月1日現在(上尾市発表)の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
小・中学校の学区市立小・中学校に通う場合、学区(校区)は以下の通りとなる[48]。
事業所2021年(令和3年)現在の経済センサス調査による事業所数と従業員数は以下の通りである[49]。
交通地区内に鉄道は敷設されていない。JR東日本高崎線桶川駅が最寄り駅となっているが、大字上字堤上1658番地4の地点よりおよそ960 m[10]離れている。字町谷102番16など地域によっては北上尾駅が最寄り駅(およそ1.1 km[10])の場合もある。 道路バス地区内には「火の見やぐら下」、「箕の木公民館西」停留所が設置されている。
地域町内会
祭事
寺社・史跡
公園・緑地
施設国道17号および旧中山道沿線を中心に商業施設が多数立地する。
脚注注釈
出典
参考文献
関連項目外部リンク
|
Portal di Ensiklopedia Dunia