世界カデ柔道選手権大会(せかいカデじゅうどうせんしゅけんたいかい)はIJFが主催するカデ(15歳から17歳)選手による世界選手権。2年ごとに開催される。
概要
本大会は2009年から開始された。第1回大会は各階級で各国1人のみ出場できたが、第2回大会からは2人が出場できるようになった[1]。第3回大会からはこの大会に出場できる選手の年齢を、大会開催年の12月31日時点で15歳以上17歳未満から15歳以上18歳未満に変更することになった。さらに、男女ともに代表が最大で9名までに制限された[2]。関節技の使用は認められる。絞め技で失神した選手はそれ以降の試合には出場できない[3]。この大会の優勝者には1500ドル、2位には800ドル、3位には400ドルが授与される。
2014年からはシニアに続いてカデでも世界ランキングが創設されたことに伴い、2015年の大会からはこのランキングに基づいて各階級のシード選手が決定されることになった。また、団体戦も導入されることに決まった[4]。2015年の大会ではメダリストの他にそのコーチにも賞金が支給されることになった。個人戦の優勝者には1360ドル、そのコーチに340ドル、2位に680ドル、そのコーチに170ドル、3位に280ドル、そのコーチに70ドル。団体戦の優勝チームには4000ドル、2位に3000ドル、3位に2000ドル[5][6]。
2020年の東京オリンピックで男女各3名の計6名による混合団体戦の実施が決まったことから、2017年の大会からは従来の男女別による5人制の団体戦ではなくオリンピックを見据えた混合団体戦が導入された。シニアでは6人制(男子73kg級、90kg級、90kg超級、女子57kg級、70kg級、70kg超級)だが、今大会では8人制(男子55kg級、66kg級、81kg級、81kg超級、女子44kg級、52kg級、63kg級、63kg超級)が採用された。一本勝ち(不戦勝、棄権勝ちを含む)が10点、技ありによる優勢勝ちが1点、指導差での勝利は0点に換算される。勝利数ないしは合計ポイントで同点の場合は無作為に選出された階級同士による代表戦となる。代表戦はGSから開始されるために、どちらかが先に技のポイントか指導3による反則勝ちを収めた時点で勝敗が決する[7][8]。2019年から開催国は各階級2名出場することが可能となった[9]。
それまで2年おきの開催だった本大会は2020年8月にも開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期となったものの、12月までに新たに開催する可能性も検討されていたが、結局実施されなかった[10]。2022年に再開されることになった[11]。
実施階級
個人戦
男子
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50 kg 以下
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50〜55 kg
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55〜60 kg
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60〜66 kg
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66〜73 kg
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73〜81 kg
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81〜90 kg
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90kg 超
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女子
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40 kg 以下
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40〜44 kg
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44〜48 kg
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48〜52 kg
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52〜57 kg
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57〜63 kg
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63〜70 kg
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70kg 超
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団体戦(2015年)
男子
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60 kg 以下
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60〜66 kg
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66〜73 kg
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73〜81 kg
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81kg 超
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女子
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48 kg 以下
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48〜52 kg
|
52〜57 kg
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57〜63 kg
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63kg 超
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男女混合(2017年)
男子
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55 kg 以下
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55〜66 kg
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73〜81 kg
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81kg 超
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女子
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44 kg 以下
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48〜52 kg
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57〜63 kg
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63kg 超
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男女混合(2019年)
男子
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60 kg 以下
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60〜81 kg
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81kg 超
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女子
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48 kg 以下
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48〜63 kg
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63kg 超
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優勝者
男子
女子
国別団体戦
男子
女子
男女混合
各国メダル数
- IJFは2024年大会にIJF名義で出場してメダルを獲得した8名のロシア選手をメダル一覧表に含めなかった[12]。
カデ及びジュニア双方の世界大会で優勝した選手
(出典[13]、JudoInside.com)
カデ及びシニア双方の世界大会で優勝した選手
(出典[13]、JudoInside.com)
カデ、ジュニア及びシニアの世界大会で優勝した選手
(出典[13]、JudoInside.com)
同一年に同一国の選手がカデ、ジュニア、シニア全ての世界大会で優勝したケース
(出典[13]、JudoInside.com)
個人記録
Category
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男子
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女子
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最年少優勝
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朝比奈沙羅 : 14歳296日(2011年70kg超級)
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最年長優勝
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兄弟優勝
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(出典[13]、JudoInside.com)
同一国の選手同士による決勝対決
開催地一覧
(出典[13]、JudoInside.com)
年齢詐称疑惑など
- 2009年大会の73kg級で優勝したロシアのハサン・ハルムルザエフは1993年10月9日生まれということになっていたが、実際はそれより3年早く生まれているという疑惑が浮上した。今大会は大会開催年の12月31日時点で男女とも15歳以上17歳未満の選手がカデ年齢と規定されているため、もしその疑惑が事実なら、今大会においてハルムルザエフに出場資格はなく、規定違反に該当することとなる。なお、ハルムルザエフは当初2013年のヨーロッパジュニアに出場予定だったが、年齢詐称疑惑が浮上したことにより、ロシアチームはハルムルザエフの出場を見合わせることになった[14][15]。
- 2019年大会の女子52㎏級初戦で地元カザフスタンのアヤナ・サトキナリエワがタジキスタンのアフリヤ・ムミノワと対戦した際に、スマホを畳に持ち込んだことが開始早々に発覚して反則負けとなった[16]。
脚注
外部リンク